AIリテラシーよりスピリテラシー?
「AIをどう使うかとか言ってるのはもはや時代遅れ。AIは世界を変えないし、Claude Codeの研修とか受けてる場合じゃない」
『人生が整うマウンティング大全』 著者のマウンティングポリスさんから、ある日そんな謎のマウンティングをされました。
(AIをどう使うかという本ばっかり出してる出版社なんですけど)
心の中で思ったことを口に出すのはグッとこらえ、
「スピリテラシー、ですよ」
なんのことですかと聞いたところ、
「スピリチュアルのリテラシーですね。スピリチュアルを信仰ではなく教養として捉えて、妄信もせず毛嫌いもせず、ちょうどよい距離感で付き合っていく感覚をこう定義してます」
とのこと。
訝しさ満開な一方、
若い世代を中心にスピリチュアルへの親和性が高まっている
「SBNRと呼ばれる人が増えているのを知ってますか」
マウンティングポリスさんの質問に
神を信じるかと問われれば、返答に困る。
かといって、
宗教に帰依するつもりはないが、魂や運命といったものには、どこかで惹かれている。
そんな人を指す言葉です。
アメリカのピュー・
博報堂生活総合研究所の
SNSでおみくじの写真を上げ、占いアプリの結果をスクショで送ったり、スピリチュアルへの関心を会話のきっかけにしている例も増えています。参拝のことを
矢野経済研究所は、宗教、自己啓発、ヨガ、宝くじなどを含む広い意味でのスピリチュアル関連ビジネスの市場を、2023年度で4兆2,418億円と推計しています[3]。
答えのない問いとの付き合い方は、宗教とスピリチュアルが何千年も前から売ってきた
スピリチュアル市場が伸びているのはわかったけれど、AIとは関係ない話ではないか。疑問をそのままマウンティングポリスさんにぶつけると、こんな答えが返ってきました。
「正解のある答えはAIが出してくれるようになり、人間に残るのは正解のない問いになるから。そして、答えのない問いとの付き合い方なら、宗教とスピリチュアルが何千年も前から売ってきたから」
まだAIをうまく使える人が多いわけではないけれど、たしかにちょっとした作業はAIで効率化できる部分が増えている。一方で、
マウンティングポリスさんはこう結論づけました。
「AIが賢くなるほど、スピリチュアル市場は膨らんでいく可能性が高いと思います」
信仰ではなく教養として、妄信もせず毛嫌いもせず、ちょうどよい距離感でスピリチュアルと付き合っていく
スティーブ・
Twitter
万有引力を発見したニュートンは、生涯の膨大な時間を、錬金術に注いでいた。
史上はじめてノーベル賞を2度受賞した物理学者のマリー・
量子力学の基礎方程式にその名を残すエルヴィン・
――科学とスピリチュアルは水と油のように語られることが多い一方で、テック業界の経営者や科学者にもスピリチュアルのエピソードは事欠きません。
参拝することで願いが叶うとはいえない一方、同じ社に手を合わせ、同じ作法を共にすることで、ばらばらの人々を1つの集団にまとめてきた効能は、宗教史の研究において繰り返し指摘されています。
……といった事実があるからすべてがいいとは言えないわけですが、
「信仰ではなく教養として、妄信もせず毛嫌いもせず、ちょうどよい距離感で付き合っていく」
という塩梅ならいいのではないか。
マウンティングポリスさんとやりとりを重ねていたら、いつの間にかスピリテラシーが本になっていました。
傳智之(でんともゆき)
ビジネス書やIT入門/
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