前回はインターネット環境の変化と広告モデルの変化の兆しと要因について説明しました。
第2回はインターネット広告について考察していきたいと思います。
インターネット広告費の推移
ここではインターネット広告がどのような成長過程にあるのかをデータで見てみましょう。
2007年度のデータではテレビが3年続けて減少、インターネットが24.4%の高い伸びを示しています。
そして、始めてインターネット広告費が雑誌を抜いた年でもあります。
インターネット広告費は2001年から2007年で、5倍以上に伸びています(ここでは広告の制作費は含まれていません)。
広告費全体でみるとどうでしょうか?
広告費の推移を見ると、マスコミ4媒体は横ばいか、若干減少傾向です。
インターネット広告費はまだ広告費全体でみると、6パーセントにすぎませんが、(テレビと比較すると、5/1以下)2011年には(電通総研の発表より)2倍の7558億円に達するという見方もあり、今後も成長していくものと思われます。
今度は、インターネット広告の構成比を見てみましょう。
固定広告(バナー、テキスト、動画広告、メール広告など),検索連動型広告、モバイル広告とそれぞれ成長が予測されており、金額ベースでは固定広告が最も高く、成長率はモバイル広告、シェアは検索連動広告が伸びていくと予測されています。
モバイルについてはこれまでは、着メロや占いなどのコンテンツに課金する形式が主流で、キャリアに依存するビジネスモデルが多かったのですが、 2002年頃から、公式サイトでない一般サイト(勝手サイト)の増大、そしてPC市場と同様に携帯専用の検索エンジンの浸透により、モバイル広告が急増・成長してきています。
ここまで、インターネット広告市場の推移と予測を見てきました。
インターネット広告は成長過程にありますが、現状では他媒体との市場規模の差はまだあります。
特にテレビ、新聞媒体との差は歴然としています。
しかし、最近の広告手法として盛んに取り上げられるクロスメディアに象徴されるように、マーケティングという観点ではインターネットは広告のプラットフォームでしかありません。
これからは、インターネットと他媒体と区別するのではなく、総合した形で市場を形成していくのではないでしょうか?
そして、インターネットは測定が可能といった特性を生かして、媒体としてだけではなく、マーケティングの配信・測定のデータ管理プラットフォームとしての位置づけになっていくと考えられます。
インターネット広告の種類
つぎはインターネット広告の種類について見ていきましょう。
ここでは代表的なインターネット広告の形態を説明したいと思います。
ウエブ(固定)広告
ウエブサイトに表示される広告です。
画像で作成されるバナー広告、文字で構成されるテキスト広告があります。
バナー広告には形状に応じて、レギュラー(468 x 60ピクセル)や、バッジ、レクタングル、スカイクレーパーといった形式があります。
最近ではバナー広告の形状に対して訴求力の高いFlashで作成した広告も一般的です。
テキスト広告
テキストにリンクを貼り、広告主サイトへ誘導する広告です。テキストリンクは目に入りやすく、訴求力がある場合、ユーザの嗜好にあう場合はクリック率が高いとされています。
ユーチューブ社もテキスト広告(クリックすると動画広告を開始)を開始しています。
メール広告
メールを利用した広告です。メールマガジンやオプトインメールがあります。
メールマガジン型広告
メール文章内のヘッダや、文中、フッタにテキストリンクを設置して、広告主サイトへ誘導します。
HTMLメールの場合はウエブ広告と同様に画面内に広告を配置します。
オプトインメール
事前に利用者の許可を得て、興味のある対象の分野についてのメールを配信する手法です。
あらかじめ、利用者の嗜好にあった分野(カテゴリ)に絞った広告を配信しますので、効果が高いとされています。
このように利用者の嗜好に合わせて広告を配信する形態はターゲティング広告と呼ばれます。
アフィリエィト広告
アフィリエイト広告は広告自体の形式ではなく、広告の販売形態のことを指します。
利用者が広告を掲載したサイトを経由して、広告主のサイトで成果があった場合(商品購入など)に広告主から広告を掲載したサイトの運営者に報酬が支払われます。
通常は広告主と広告を掲載したいサイト運営者の仲介を行うアフィリエイト業者が販売代行を行います。
検索連動型広告
検索連動型広告は検索エンジンで検索した結果の画面内に表示される広告のことを指します。
検索エンジンの利用者が検索したキーワードをもとに関連性の高い広告が表示されます。
グーグル社のアドワーズ、オーバーチュア社のスポンサードサーチが代表的なサービスです。
広告主はキーワード(群)に対して広告料金を決めて、出稿します。クリックされた回数に応じて料金を支払う方式です。
広告の表示の順位は料金が高いほど優先的に上位に表示されます。
最近は料金だけではなく、広告の品質スコアで掲載順位が決定される方式が導入されています。
検索連動型広告にはつぎの特徴があります
- 利用者の嗜好をキーワードから把握でき、リアルタイムにターゲティングができる
- 広告の表示回数ではなく、広告をクリックした時点で課金されるクリック課金であるため、出稿しやすい
- 固定型の広告は広告枠を販売する方式だが、検索連動型は検索結果の数だけ広告枠があるので、運営側にもメリットがある
コンテンツ連動型広告
ウエブサイトのページの内容にあった広告を配信する手法です。
グーグル社がアドセンスと言う名称で2003年にサービスを開始しました。
これも検索連動型広告と同様にクリックされた時点で課金される形式です。
広告を掲載するサイトは個人のホームページ、ブログでも可能です。先行するアドセンス以外にも、国内の事業者がコンテンツ連動型広告のサービスを相次いで開始しています。
ウエブページに記述されている文脈からポジティブ・ネガティブを自動的に判定して最も最適な広告を表示するなど、機能面も進化してきています。先のデータで示すように大きな成長が予測されている広告手法です。
モバイル広告
携帯端末に表示される広告を指します。KDDI社がグーグル社の検索エンジンを採用したのをきっかけに検索連動型広告が成長しています。
それ以外にはウエブ広告と同様にバナー、メール、アフィリエイト広告もあります。
携帯に対応したブログやSNSサービスやゲームが台頭してきており、PCと同様に広告市場が伸びていくと思われます。
後編では新しい広告の種類と課金モデルを考察します。