クラフトマウス ~パソコンで作る四季の手作りクラフト

第52回『ゾートロープ その1』

さあ、アニメーションづくりの第二弾です。

以前に円盤形アニメーション上映機ファナキスティス(フェナキストス)スコープを作りました。こちらは鏡に映して映像を楽しみましたが、今回は単体でアニメーション作品を楽しめる装置です。その分、少し大物になりますよ。

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参考図書
『アニメーターズサバイバルキット⁠⁠ リチャード・ウィリアムズ/著 グラフィック社
『アニメーションの本⁠⁠ アニメ6人の会/著 合同出版

アニメーションについて知ってみましょう

  1. ゾートロープを作る前に、アニメーションの動きについて考えてみましょう。ちょっとしたことを取り入れることで、あなたの描いた絵の動きが見違えるようになるはずです。

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  2. アニメーションの動きで大切なのは間の取り方(タイミング)と慣性や落下の法則をうまく取り入れていくことです。

    ゴムボールを放り投げてみます。ボールは放物線を描いて飛んでいって、やがて地面に落ち、バウンドしながら転がっていきます。

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  3. その動きの軌跡を追ってみると、こうなります。

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  4. こんな風に均一にはなりませんね。これではボールは永遠にバウンドし続けてしまいます。

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  5. 空中にいるボールはどうなっているかというと、ストップモーションカメラで撮影したとしたらこんな軌跡を描いています。動きが緩やかな場所ほど絵がつまっています。

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  6. こうではありません。放り投げられたときに加速して、頂点にいくに従って減速。落下しながらまた加速していかなくてはなりません。それを考えに入れてタイミングをとっていくのです。

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  7. 人間や動物の身体の動きには支点があります。そこで振り子の動きから間(タイミング)の取り方を見てみましょう。

    振り子の動きは弧を描いています。平行に動いているように表現すると、軸が短くなったり長くなったりしているようになってしまいます。これが歩いてる人間の腕なら肩をすくめながら歩いているように見えてしまうでしょう。

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  8. 3枚の振り子の動きの間を埋めてみましょう。この間を動画で埋めていくことを「中割」といいます。これは均等割された中割です。実際の振り子はこんな動きはしません。

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  9. 動き始めから中間点に向かっては加速していき(これをイーズアウトといいます⁠⁠、中間点を過ぎると減速します(イーズイン⁠⁠。ゆっくり動く部分はより多くの絵が必要になり、その部分は詰まって見えます。これをアニメーション制作の現場では「つめ」といっています。

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  1. 例えばおじぎするときの状態の動きも同様です。

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  2. 均等割すると機械仕掛けのような動きになってしまいます。

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  3. 手を振るとき、棒を振るときも同様です。⁠つめ」と一緒に注意したいのは動きの始めと終わりに、先に動く部分と、後から動く部分があることです。これを「のこし」といいます。手を振るときは腕、手首、指の順で動き始めます。棒を振るときは肩から腕、そして棒へと力が順番に伝わっていくのです。

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  4. 慣性の話もしなくてはいけません。運動には慣性の法則「停まっている物はそこにとどまろうとする力が働き、動いている物には動き続けようとする力が働く」があります。先ほどの落下と合わせて、物の動きを考えるときに大切な運動の自然法則です。

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  5. 止まっている車が発進するとき、停止するときを大げさに表現してみると慣性の法則がわかりやすくなります。

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  6. この大げさに表現する(デフォルメする)というのもアニメーションづくりで大切な要素になります。どんな動きも、運動の自然法則(落下と慣性⁠⁠、⁠つめ」「のこり」を意識して表現するようにしましょう。

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    次回は運動の自然法則、⁠つめ⁠⁠、⁠のこり」を頭に入れて動画を作り、それを使ってゾートロープを作っていきましょう。お楽しみに!

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