前編ではTrelloというコラボレーションツールの基本を簡単に紹介しました。
他ツールとの連携(Power-Up)
Trelloには、Atlassianおよびサードパーティによって、機能を拡張するためのPower-Upというアドオンが提供されています。Power-UpをTrelloのボードに追加して、お気に入りのアプリケーションと連携すれば、さらにTrelloを便利に利用できます。
たとえば、Jira、Slack、Google Drive、InVision、Salesforceなどの外部サービスの情報やデータをTrelloに直接取り込んだり、カレンダー表示、カスタムフィールド、カードの繰り返しなどを設定したりして、Trelloボードを充実したアプリケーションに変えていくことができます。時間の節約やコンテキストの切り替え防止になるのはもちろん、Trelloがハブとして機能し、生産性がさらに向上します。
Power-Upは、109個(2018年11月時点)が提供されています。最新情報はhttps://trello.com/power-upsを参照してください。
TrelloからSlackへの連携
連携の例として、TrelloのアクションをSlackに通知する方法を紹介します。
Slack連携を行う場合は、ボードメニューを表示して「Power-Up」をクリックし、Slack連携アドオンを「追加」します(図1)。無償版ではボートに対して1つのPower-Upしか追加できませんが、ビジネスプランとエンタープライズプランでは無制限で追加できます。
追加されると、図2のようにTrelloのメニューに「Slack」という文字が表示されるので、これをクリックします。するとSlackへのユーザ認証が要求されます。認証されるとSlackのチームとチャンネルの設定、ならびにSlackへ通知するTrelloのアクションを選択できます(図3)。
以上でTrelloからSlackへの通知設定は完了です。このSlack連携でできることは表1のとおりです。
表1 TrelloのSlack連携のPower-Upでできること
できること | 説明 |
Slackへ通知 | ボード、リスト、カード、チェックリストに対するアクションをSlackへ通知する |
Slackへ送信 | カードを指定したチャンネル、もしくはダイレクトメッセージで送信する
カードを指定したチャンネル、もしくはダイレクトメッセージでリマインド送信する |
Slack会話の追加 | Slackの会話をカードに添付する |
このPower-Upにより、Trelloのカードに対するアクションがSlackの指定されたチャンネルに通知されるので、いつ・誰が・何をしているのか把握できるようになってチーム生産性を向上できます。
SlackからTrelloへの連携
次に、SlackからTrelloへの連携を説明します。ここでは次のことが前提となります。
- 「Trelloの構成」で説明したチームが設定され、そのチームが利用できるボードが割り当てられていること
- Trelloの「設定」の「Slackチームとのリンク」という項目にある「Add to Slack」をクリックして、Slackからのアクセス許可が行われていること
連携させるには、まずSlackのチャンネルとTrelloのボードをリンクさせる必要があります。これには、Slack側の/trelloコマンドを利用します。リンクするには次のコマンドを実行します([board url]は、TrelloボードのURLを表します)。
リンクが成功すると図4のように表示されます。この状態になれば、SlackチャンネルとTrelloボードのリンクは完了しているので、さまざまな/trelloコマンドが使えるようになります。
たとえばTrelloにカードを追加したい場合は、Slack側から
を送信します。/trelloコマンドを使えば、カードの追加だけでなく、リンクの解除、フィードバックの送信、検索なども実行できます。
TrelloとSlackの連携でチームコラボレーション
Trelloは、世界中でTrelloを利用するユーザをボードに招待したり、ゲストを招待したりできます。
外部のメンバーやゲストにメールで仕事の依頼をしても、いつ・誰が・何をしているか、状況をタイムリーに知ることはメールでは困難です。Trelloで外部の人たちと気軽にチームで作業し、報告・連絡・相談などのコミュニケーションをSlackで行えば一気に生産性が向上します。しかもTrelloもSlackも無償版からはじめられるので、少人数のチームでも手軽に使うことができます。
こんなに便利で楽しいツールはなかなかないので、ぜひ使ってみてください。
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