不況になると必ず経営者は資産を確認したくなる
JASA組込みソフトウェア技術者試験クラス2(以下、クラス2試験と呼びます)は、開始から2年が経ちましたが、昨年から経済状況の落ち込みで、多くの企業(経営者)は自社の技術者レベルがどの程度のものなのか、またどこに強み・弱みがあるかなどを気にし始めています。
技術者のどこに付加価値があるのか、それにより事業再編も検討することになるでしょう。またユーザ企業もアウトソース先技術力の材料として、技術者の質には感心があるところです。クラス2試験はそのような企業のベンチマークとして使用できます。図1で示すようにクラス2試験を利用・活用することにより、自社のポジショニングが把握でき、また人材育成の指針を導くことが可能になります。
あなたの会社は? 業界平均と大きな差があった!
JASAではこの試験制度を有益に利用していただくため、業界平均と全国平均(受験者全体)を比べてみました。すると明らかに結果に差があることがわかります。その中で、1年未満(①)と11~20年(②)の2つのグループで特に大きな開きであり、全国平均より業界平均は低い値となります。組込み開発経験1年未満で26点、11~20年で35点ですが、それぞれについて分析してみましょう。
1年未満では新人研修あとの受験結果ですが、すでに入社あとの研修結果で差がついています。組込み分野は幅広い知識とスキルが必要になりますので、新入社員段階から差があれば、そのあとの成長過程で追いつくことが難しくなりますので、研修効果を狙った新入社員研修が必要と考えます。
11~20年の技術者では35点とさらに大きな差となっていますが、この年代は組込み開発のリーダーやプロジェクトマネージャを担当する時期といえます。そして、プロジェクトメンバーの教育や現場の指導を多く行うことになります。その際に組込み知識はコミュニケーションのベースとなりますので組込み技術については、むしろ、正確に把握している必要があるといえます。
今こそソフトウェア会社は人材育成に投資を!
効果的な組込み教育の実施による技術力向上は企業の屋台骨になりますので見直してみることも必要でしょう。
また、クラス2試験は再受験の結果を公表していますが、3ヶ月から半年以内に再受験する人が多く、再受験者は平均で約50点のスコアアップとなっています。初回グレードCで再受験した人のうち約半数がグレードBに、初回グレードBで再受験した人のうち約3分の1がグレードAに上がっています。
2度目の受験までに再教育を実施し、平均50点を狙い業界平均値を逆転することが企業として必要なこと、望ましいことであると考えます。
あなたの会社は業界平均より、全国平均より上でしたか? あなたは?
最新の受験者プロファイルはhttp://www.jasa.or.jp/etec/press/20081230.htmlから見ることができます。また、再受験のデータはhttp://www.jasa.or.jp/etec/press/saijuken_0812.htmlから確認できます。
JASAでは企業の社内評価制度、社内研修の成果、ベンチマーク的利用などに、また個人の自己分析・評価にご利用いただけまるよう、3ヶ月更新でデータを提供しています。
ETEC対応イーラーニング教材が新発売!
業界初の組込み知識習得を目的としたイーラーニング教材が発売になりました。
組込みソフトウェア開発技術者のニーズは年々高くなる一方、進歩の早い技術の習得、ハード、ソフトウェアの基礎となる技術の習得と、組込み技術者が持っていてほしい技術知識は膨大です。組込み技術を効率よく学ぶことで、知識の底上げと技術を正確に理解できます。
ETSS(組込みスキル標準)の項目に対応し、組込みソフトウェア技術者試験クラス2の試験対策にも有効です。組込み基礎力を向上は、現場のコミュニケーションを円滑にすることもできます。
新入社員研修、スキルアップ研修では予定の研修期間を割くことなく、1日15分の学習で無理なく学べます。詳しくは以下のサイトをご覧ください。
組込みソフトウェア技術者試験対応書籍の紹介
組込みソフトウェア技術者育成のための参考書籍や試験対策書籍も発売されていますが、技術評論社からも以下の2冊刊行されています。
- [1]『標準テキスト組込みプログラミング≪ハードウェア基礎≫』(クラス2試験模擬問題付)
- 富士通ラーニングメディア編著、技術評論社刊、ISBN978-4-7741-3426-0
- [2]『標準テキスト組込みプログラミング≪ソフトウェア基礎≫』(クラス2試験模擬問題付)
- 富士通ラーニングメディア編著、技術評論社刊、ISBN978-4-7741-3507-6
トライアル受験プログラムを活用しましせんか?
「JASA組込みソフトウェア技術者試験クラス2」の採用を検討している企業で、ベンチマーク取得による評価をご希望の場合、トライアル受験をお勧めしています。トライアル受験プログラムをご希望の方はETEC運営事務局まで。