Ruby on Railsで作られたプロジェクト管理ツールredMineを使ってみよう!

第2回環境構築/redMineのインストール・初期設定

環境構築

前回では、プロジェクト管理ツールの必要性、そしてredMineをオススメする理由について解説しました。今回はredMineを利用する環境の構築、およびredMineのインストール・初期設定について解説します。

redMineはRuby on Railsによって作られているアプリケーションですので、動作環境として以下のものが必要になります。

  • Ruby (1.8.5 以上)
  • Rails ※1
  • MySQL (MySQL 5) ※2
  • Subversion ※3

RailsはRubyで実装されたWebサーバのWEBrikを使うことができるため、ApacheのようなWebサーバと連携させる必要がなければ、これだけでOKです。

また、RubyやMySQLはLinuxに初期インストールされている場合が多く、その場合はRailsのインストールだけを行えばよいということになります。 もちろんWindowsの場合には、それぞれインストールする必要があります。

Windowsにおける環境構築

今回はWindowsのマシンに環境を構築する想定で解説します。まず、RubyとMySQLのインストーラをそれぞれ以下のサイトからダウンロードしましょう。

ダウンロードしたインストーラを利用してインストールを行います。RubyとMySQLのインストールが終わったら、コマンドプロンプトから下記コマンドを入力し、バージョン番号が表示されることを確認しましょう。

> ruby -v
ruby 1.8.6 (2007-03-13 patchlevel 0) [i386-mswin32]

> mysql --version
mysql  Ver 14.12 Distrib 5.0.27, for Win32 (ia32)

続いて、Railsをインストールします。コマンドプロンプトで以下のコマンドを入力します。

> gem install rails --include-dependencies

コマンド入力後、しばらくするとログが出力され、インストールが完了します。これでRuby on Railsアプリのための環境構築が完了しました(※redMineのversion 0.5.1には、rails 1.2.3が含まれているので、railsのインストールは特に必要ありません⁠⁠ 。

以下は、Subversion (SVN) のインストール方法です。こちらは必要に応じて参照してください。

Subversionのインストーラを下記サイトからダウンロードします。

http://subversion.tigris.org/project_packages.html

インストーラからインストールを行った後、下記コマンドを入力してバージョン番号が表示されることを確認しましょう。

> svnadmin --version
svnadmin, バージョン 1.4.2 (r22196)
   コンパイル日時: Nov  3 2006, 16:53:07

続いて、リポジトリを作成します。今回は、

C:\programming\svn\repos

というディレクトリをリポジトリとして作成して運用するようにします。

コマンドプロンプトから下記コマンドを実行します。

> svnadmin create C:\programming\svn\repos

これでSVNのリポジトリが作成できました。既存のソースコードは、以下のコマンドでsubversionへimportできます。

> svn import <ソースコードへのpath> file:///<作成したリポジトリのpath> -m "initial import"

例えば、今回作成したリポジトリに、C:\src\hoge_project以下のソースをimportしたい場合は、以下のようになります。

> svn import C:/src/hoge_project file:///C:programming/svn/repos

これで、このリポジトリに対しては、file:///C:programming/svn/repos/hoge_projectというpathでアクセスできます。

redMineのインストール・初期設定

続いて、redMineをインストールします。まずは、redMineのサイトから最新版のredMineをダウンロードしてきましょう。7月15日に、最新版の0.5.1がリリースされましたので、今回はそのバージョンを利用します。

1.ファイルの配置

ダウンロードしたredMine-0.5.1.tar.gzを解凍ソフトを使って解凍します。 解凍後、作成されたディレクトリを、実際に運用するディレクトリに移動します。 Linuxなどで解凍するときは以下のコマンドを入力しましょう。

> tar zxvf <filename>

2.データベースの作成

先ほどインストールしたMySQLにdatabaseを作成しましょう。今回は例にならってredmineという名前のdatabaseを作成します[4]⁠。MySQLにログインして、以下のコマンドを入力します。

mysql> create database redmine;

3.データベースに関する設定

データベースの設定ファイルを編集します。configフォルダの中のdatabase.yml.exampleファイルをdatabase.ymlにリネームします。リネーム後のファイルを開き、production:部分のDBの設定を編集して保存します。

production:
  adapter: mysql      # mysql 以外のDBを利用する場合はここの値も変更します。
  database: redmine   # 2で作成したデータベース名と合わせます。
  host: localhost     # DBが同一サーバ内の場合はlocalhostのままで構いません。
  username: username  # 上記DB へアクセスするユーザです。[5]
  password: password  # 上記ユーザのパスワードです。[6]

4.テーブルの作成

続いて、DBにテーブル等を作成します。コマンドプロンプトで、アプリケーションのメインディレクトリ(app、components等のフォルダがある場所)へ移動し、下記コマンドを入力します。

> rake db:migrate RAILS_ENV="production"

これで、db/migrate フォルダ以下のスクリプトが順次実行され、DBにテーブルが作成されます。

5.初期データをセット

DBの作成が終わったら、今度はデータを作成します。先ほどのコマンドに続けて以下のコマンドを入力しましょう。

> rake load_default_data RAILS_ENV="production"

このコマンドを入力すると、以下のメッセージが表示されます。

Select language: bg, de, en, es, fr, it, ja, nl, pt, pt-br, sv, zh [en] 

デフォルトの言語を何にするかを聞かれていますので、jaと入力して[Enter]キーを押下します。これでDBへデータが登録されました。今後の設定変更は画面から行っていきます。

6.メールサーバの設定

configフォルダのenviroment.rbファイルの中にメールサーバの設定を行う部分があります。onfig.action_mailer.smtp_settings:という記述の部分がメールサーバの設定になりますので、それぞれ適切な値を設定してください。また、メールの機能を利用しない場合は、以下の値をfalseに指定しておくと良いです。

config.action_mailer.perform_deliveries:

7.Webサーバの起動

最後にWEBrick web serverを起動します。

> ruby script/server -e production

このコマンドでサーバは起動します。デフォルトで3000番のポートを利用することになっていますので、別のポートを指定したい場合は、-p(ポート番号)オプションで指定することができます。例えば、3001番ボートを指定するときは、以下のように入力します。

> ruby script/server -e production   -p 3001

さて、これでredMineが起動したので、下記のアドレスへアクセスしてみましょう[7]⁠。

http://localhost:3000/

下記のような画面が表示されるはずです。

初期起動時のredMine
初期起動時のredMine

8.adminでのログイン

画面右上の「ログイン」をクリックすると、ログインフォームが表示されます。管理者のIDと初期パスワードは以下のようになっているので、入力してログインしましょう。

ID : admin
password : admin

ログインすると、画面が英語表記になります。これは、adminユーザの言語設定がEnglishになっているためです。これを変更するには、画面上部メニューバーの「MyAccount」をクリックします。adminユーザのアカウント情報を編集するページが表示されるので、以下画像のように、language欄のプルダウンで「日本語」を選択します。saveボタンを押下すると、設定が反映され日本語の画面に戻ります。この画面で、adminユーザのパスワードも変更できるので、変更しておきましょう。

日本語表記にするには、アカウント画面で「日本語」を選択する
日本語表記にするには、管理画面で「日本語」を選択する

9.サイトの設定

続いて、サイト全体の設定を編集します。管理者権限ユーザでログイン後、上部メニューの「管理⁠⁠→⁠設定」を選択すると、アプリケーションの設定画面が表示されます。

管理画面で、redMineの設定を行う
管理画面で、redMineの設定を行う

この画面で設定しておく必要があるのは以下の項目です。

送信元メールアドレス
サイト内の情報が変更されたときにメールで通知する際、メールのfromに設定される値です。サイト管理者のメールアドレスを設定しましょう。あるいは、サイト用に1つメールアドレスを作成して設定しても良いと思います。
ホスト名
アプリケーションのホスト名を設定します。ここで設定した値が、ユーザへのメールの中に記載されるURLに利用されます。
認証が必要
本サイトの情報を閲覧するのに、ログインが必要かどうかを設定します。チェックボックスはデフォルトではOFFになっており、プロジェクトの設定が「公開」になっているものはログインしなくても見ることができるようになっています。ログインしていない人でも見て良いコンテンツを作りたい場合はOFF、そうでない場合はONにしましょう。
ユーザは自分で登録できる
ログイン画面からユーザ登録可能にするかの設定です。ユーザをサイトの管理者が管理したい場合はOFFにしましょう。

その他、サイトのタイトル/サブタイトルやRSSフィードの最大出力レコード数、wikiの履歴の圧縮の有無などが設定できるので、好みに応じて設定してください。

さあ、これでredMineを利用する準備ができました。それではいよいよ次回から、実際のプロジェクトを想定して、使い方を解説したいと思います。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧