前編では,業務プロセス管理にSalesforceを利用している場合,作業効率や費用対効果をあげるために開発側のプロジェクト管理をJiraと連携させることを考え,それぞれが持つ機能の特徴をまとめました。ここからは,お互いのツールの良さを活かす連携の具体例を検討してみましょう。
アドオンによるJiraの機能拡張
Jiraの標準機能では業務要件が満たせなくても,アドオンを使って機能を拡張すれば要件を満たせる場合があります。2017年12月現在,Atlassian Marketplaceでは,有償/
よく利用されているアドオンの一例を次に紹介します。
- 予実管理
Jiraには標準で作業の見積もりと実績を入力する予実管理機能がありますが,予実を入力するためのインターフェースは非常にシンプルです
(図1)。簡単に予実情報を入力/ 集計できるアドオンとして,TEMPO Timesheet,TEMPO Plannerがあります。 - WBSガントチャート
課題に開始予定と終了予定を設定することによりガントバーを表示し,作業に先行/
後続の依存関係を付けて,ガントチャートの形式で表示できます (図2)。作業担当者が課題に進捗状況を入力すると自動的にガントチャートに反映されるので,ガントチャート側を細々と修正するような手間が省けます。
SalesforceとJiraの連携
社内でSalesforceとJiraの両方を利用している場合,双方のデータに同じキー項目を持たせてデータの紐付けや分析に利用したい,といったことが多々あると思います。たいていは,Salesforceは営業部門,JiraはIT部門で利用しているので,まず営業部門で払い出した案件番号と取引先IDをメールなどを使って開発部門の担当に連携し,開発部門でJiraに案件管理用のプロジェクトを作成します。その後,課題に取引先などの情報を設定するという流れが一般的です。
しかし,手作業での処理では,対応漏れや誤入力が発生しやすく,後続処理やレポートの正確性に影響が出るリスクが高くなります。このようなケースにおいて,Jiraの標準機能やアドオンを利用すれば,Salesforce-Jira間の連携を自動化できます。
続いて,SalesforceとJiraの連携でどのようなデータ連携が可能か,いくつか例を挙げて紹介します。
Jiraのメールハンドリングを使ったデータ連携
Jiraにメールサーバ
たとえば,Salesforceで業務委託の契約が締結したタイミングで,Jiraに案件管理用のプロジェクト作成の依頼メールを自動送信し,Jiraではメールの内容をもとに課題を新規作成することができます。
メールハンドリングを使ったデータ連携はとても簡単に設定できますが,利用できる項目が
Webhook/Apex/REST APIを使ったデータ連携
Webhook/
たとえば,顧客からの製品の修理依頼をSalesforceで管理し,製品の改修対応の進捗をJiraで管理している場合,Salesforceで修理依頼のレコードを登録したタイミングで,Jiraに修理対応の課題を作成できます。
Jiraでは,Webhookを使って,課題の更新などをトリガとしてデータをSalesforceのREST APIにPOSTできるので,Jiraで管理している修理の進捗状況をリアルタイムでSalesforceの修理依頼情報に反映できます。
Salesforceで管理しているすべての取引先や問い合わせ情報をJiraユーザに照会させたい場合は,Salesforceの取引先や問い合わせ情報をバッチ処理で定期的に取得して,Jiraに課題を作成するようなしくみを作っておくとよいと思います。
アドオンを使ったデータ連携
Webhook/
Jiraにアドオン
- Salesforce-Jira連携用の認証設定
- Jira
(課題) とSalesforce (オブジェクト) の項目のマッピング - Jiraの課題とSalesforceオブジェクトのリンク設定
- Jiraの課題からSalesforceオブジェクトのデータをPull
- Jiraの課題のデータをSalesforceオブジェクトにPush
- Salesforce & Jira Server Connector
- https://
marketplace. atlassian. com/ plugins/ net. customware. plugins. connector. salesforce. salesforce-connector-plugin/ server/ overview
今回は,Jiraの基本機能,SalesforceとJiraのデータ連携手段について紹介しました。メールハンドリング,Webhook/
まずは,簡単にできそうなところから試してみてはいかがでしょうか。
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