gihyo.jp×YAPC::Asia 2011コラボ企画―6回目を迎えるYAPC::Asia Tokyo 2011の見所を関係者に聞いてみました

第2回tokuhirom氏に聞くYAPC:Asia 2011の見所

JPAでYAPC::Asiaを担当している櫛井です。

今年も国内最大のPerlのイベント「YAPC::Asia Tokyo 2011」が10月14日(金⁠⁠、15日(土)に開催されます。場所は、昨年と同じく東京工業大学大岡山キャンパスです。

前回に続き、第二回目は昨年のYAPC::Asia 2010 にてベストスピーカー賞を受賞されたtokuhirom氏にお話を伺いました。

tokuhirom(とくながひろむ)
サブテク所属。

生き馬の目をぬく東京で育ち、Perl5 を中心としたウェブ開発を主におこなっている。詳細は以下のとおり

http://github.com/tokuhirom/

狙って取ったベストスピーカー賞!

―昨年から始めたトーク投票で、見事ベストスピーカー賞でしたね。エピソードなどあればお聞きしたいのですが。

tokuhirom:ありがとうございます、ベストスピーカー賞は本気で狙ってましたからね(笑⁠⁠。ベストスピーカー賞を狙うんだったら最初に応募する時点で初心者向けの話じゃないとダメじゃないですか。なので初心者にうけるやつで、一番皆が気になってるところ。要は、一番YAPCに来てる人が聞きたいことを狙うのが正しいと思って。応募の時点でニッチなハックの話なんてしてもベストスピーカー賞もらえないから去年はやめておきました。

―なるほど、狙いすましてのトークだったわけですね。今年もベストスピーカー賞、狙っていますか?

tokuhirom:2回連続の受賞とかムカつくから嫌だとか思われそうじゃないですか(笑)今年は狙ってもしょうがないので自分の好きな話をしようかなってかんじです。

Perlだけではなく「インターネットの話」ができるYAPC

―YAPCと聞いて、tokuhiromさんが思い浮かべることは何ですか?

tokuhirom:YAPCってPerlの祭典というところが大きいですけど、みんなが結構自由に好きなことを発表できるし、Perlにとらわれず色んなインターネットの話とかできるし、なかなか自由でいい場だなぁと思いますね。誰かがTwitterで「YAPCでのトークは聞いててワクワクする」と言っていて、僕もそう思うし、そういうところが評価されてるんじゃないかなと思います。それぞれが話したいことを話してる、喋る側が楽しんでやってるという面とそれが聞く側の人にも役に立つだろうと思って喋ってるというのがやっぱりいいんじゃないかなと。

―今回でYAPC::Asiaは6回目なんですが、YAPCに参加して印象に残っていることなどお聞かせください。

tokuhirom:もう6回目になりますか?すごいな。僕は最初から参加しているんですが、毎年色々と面白い発表が聞けたり、海外のスピーカーと話したりするのは良い経験になりますね。最近だと、去年は餃子を買ってきて東工大キャンパスの芝生があるところに集まって皆で食べながら色々と話せてよかった。だいぶ濃い話もできたし、どこの誰か知らない人も「餃子一緒に食べていいですか?」って言われて一緒に話したり。そういう場でざっくばらんに「こういうアプリの開発をしていて困ってるよ」とか「Webアプリはこういうふうにやらないとスケールしない」とか色んな話ができていいですね。カンファレンスをずーっと聞いてるってのもいいんですが、他の参加者やスピーカーとコミュニケーション取れる雰囲気がYAPCはいいんじゃないかなと思います。

何回目のYAPCか忘れましたけど「日本人は真面目に話を聞きすぎだ」ってmiyagawaさんが言ってて(笑⁠⁠、海外のカンファレンスとかだと、ずーっとロビーにいるような人もいて「こいつ何しに来てんだ?」って思うようなこともあったりで、日本と海外との違いはあるみたいですね。

今年のYAPC参加の皆さんへ―ネタを仕込もう!

―tokuhiromさんオススメのYAPCの楽しみ方などあれば教えていただきたいのですが。

tokuhirom:自分の聞きたいセッションはもちろん聞きに行くし、発表するのもいいし、他の参加者とかと積極的にコミュニケーション取るってのが一番楽しいんじゃないですかね。まぁ、参加してる人たちはそんなに怖くないし、取って食われることはないですしね(笑)

―参加者が今からYAPC開催までに準備しておくといいことなどがあれば教えてください。

tokuhirom:そうですね、あらかじめ一発ネタとかそういうのを仕込んでおくといいんじゃないですかね。YAPC開催の1週間くらい前にホッテントリになるような面白い一発ネタエントリを上げておくと「あぁ!あの人ね!」ってなるみたいな。

あとはgithubでpull request送るとかでもいいですね。たとえば、話してみたい人のプロジェクトにリクエスト送ってバグを探したりして「あ、ここtypoあった」とかしておくと「あー!こないだありがとうございました!」って話のキッカケにもなるし、その行為自体もいいことだし。コミュニケーションのきっかけになるような準備をしておくのがいいんじゃないかなと思います。

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―YAPCに参加したことがない人がいるとして、どんな人に参加してもらいたいですか?

tokuhirom:PerlのイベントではあるけどPerlと全然関係ない話をする人もいるわけじゃないですか。そういう意味で普段Perlとか使ってない人でも全然楽しめるし、Webを作ってる人なら誰でもそうだし、プログラムに興味があるという人でも楽しめると思いますよ。去年に引き続き今年も土曜に開催されるし、土曜だけでも遊びに来たりすると違う雰囲気の会に親しめていいんじゃないかなと。Perl使ってても使ってなくてもいい経験になるんじゃないかなと。

基本的に、どこかのTrackは必ずと言っていいほど聞いてて面白い話があると思うんで気軽に参加してみたらいいんじゃないですかね。刺激になると思いますよ。

―YAPCは色々な人が参加するイベントですが、tokuhiromさんはどんな人に会いたいですか?

tokuhirom:僕が作ってるものを使ってくれている人と話せるのはもちろん嬉しいし、僕が「これは使わないほうがいい」って言ってるやつを使い続けてる人の話を聞けたら面白いのでそういう人たちに会いたいですね。

あとは、どうしてもShibuya.pmの参加者が多くて、Webの会社の人が多いんですけどそういうのじゃなくてもっと違う系統の人たちと会いたいですね。Web屋さんの視点でいうと、一緒に仕事して綺麗なコードじゃないとメンテとかできないしちゃんとやろうってなりがちですけど、もっとゆるくPerlを使ってるような人とか話を聞きたいなーと思います。

今年のYAPCへの意気込み

―今年のトークではどのようなことを話す予定ですか?あわせてYAPCへの意気込みや期待などお聞かせください。

tokuhirom:今回はMetaCPANの話をしようかなと思ってます。CPANを今後より良くしていこうとしている人たちの応援というか、日本の人たちってそういう細かいツールをモリモリ作っていくのが得意だと思うんで、そういう人たちがもっと参加できるような形でイントロダクションをするつもりです。是非聞きに来てほしいなと思ってます。

意気込みってほどじゃないですけど、また今年も天気が良ければ芝生のところで、食べたり飲んだりしながらコミュニケーションとれたらいいなって思ってます。餃子を食べるかはわからないですけど(笑)皆で色々とざっくばらんに話しながら、今年はスイーツエリアもあるんでスイーツを食べながら、ティーを飲みながら、やりたいですね。やっぱりスピーカーと話すのもYAPCの醍醐味だと思うので、もっとコミュニケーションが密に取れたらいいなあと思ってます。

期待しているものは、今年のobra(Jesse Vincent)のトークは面白いと思うんで期待してます。去年の彼のトークでは「まだ死んでないよ」っていう保守的なカンジだったけど、今年は「次はブチ壊してやるぜ」という内容になると思うので、⁠Perl5はまだまだイケルんやー!」という攻めな雰囲気になるんじゃないかなと思ってます。Perl5まだまだいけるんやー!とか、Perlまだまだ死なないよとか、未来を皆で作っていくきっかけになると思うし、Perl5自体のコミットとかも皆でしていけたらいいんじゃないかなって思います。

―ありがとうございました。

次回は、大トリのKeynoteで登壇されるhidek氏にお話を伺う予定です。

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