2022年、AWSを図解で学ぼう~最短1日で基礎が身に付く

第7回AWSの"今"を知る1日~AWSの進化においてけぼりにならない情報収集:AWS re:InventとAWS Summit

この連載もついに最終回!

AWSといえば、すぐにサービスやUIが変化してしまうので有名ですね。書籍を執筆する我々にとっても、執筆している最中にUIが変わってしまったり、本を発売した直後にサービスが増えたりと、ライター泣かせのジャンルの1つです。皆さんも、会社でドキュメントを作ったら変わってしまった……ということがあるのではないでしょうか。

しかし、使いやすく進化することも多く、変更のリリースは楽しみであったりもします。こうした情報は、イベントで発表されることが多いので、今回は、AWSのイベントを使った情報収集についてお話していきましょう。

そもそも情報収集ってしなきゃいけないの?

さて、情報収集の話の前にソモソモ論です。

AWSの情報は、つねに追いかけなければいけないのでしょうか。

私個人の意見としては、「そこまで熱心じゃなくてもなんとかなる。ただし、クリティカルな奴は押さえろ!!」というところでしょうか。

第1回でも説明しましたが、AWSのサービスは多岐にわたります。その数、なんと200以上!!

この200以上のサービスのすべてを追いかけるのは、大変ですし、業務で使わないサービスも多いでしょう(※AWS全サービスをまとめたシートを配布中です。詳しくはこの記事の最後⁠⁠。

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ですから、Amazon EC2やAmazon S3、Amazon RDSなどの自分がよく使うサービスは、「時折チェックするが吉」ですが、今使っていないサービスはそこまで真剣に追いかけなくても良いでしょう。

そうは言っても、Amazon Lightsailのような「今までEC2を使ってきたけど、便利なサービスが出てきたぞ」という例もあるので、その年の目玉くらいはチェックしておくことはオススメします。

この手の話は、とかく「ITエンジニアなら、つねに情報収集して、勉強しつづけなければ!」という話になりがちですが、勉強熱心なあまり、趣味の時間がなくなってしまったり、気持ちが落ち込むようになってしまっては本末転倒です。仕事をすることが、人生の第一目標であるならば、それも楽しいでしょうが、そうでないならツライばかりです。そうした観点から考えると、⁠この情報を逃したら仕事で大失敗する」という情報以外は、ホドホドで良いのではないでしょうか。

そして、⁠この情報を逃したら仕事で大失敗する」ような変更は、能動的に情報を集めて回らなくても、SNSなどで騒ぎになります。よく使うサービスは能動的に、あまり使わないサービスは受動的に情報を得るのも、悪くないスタイルです。

楽しく情報収集しよう!イベントのススメ~AWS re:InventとAWS Summit

では、どのように情報収集するかですが、毎年開催される2つのイベントを覚えておくと、手軽に情報収集できます。

1つ目は、⁠AWS re:Invent(リインベント⁠⁠」です。年に1回、11月末から12月頭ごろにラスベガスで開催される世界最大級のAWSイベントで、世界中のAWSユーザが集まるカンファレンスです。ベストプラクティスや最新情報を学べます(昨年の公式サイトはこちらから⁠⁠。

新機能、新サービスが発表されるのは、この機会が多いので「今年のre:Inventで○○が発表になって~」と話題になりやすいですね。場所はラスベガスではありますが、オンラインでも視聴できます。メンドクサイナーと思われる方は、⁠re:Inventのまとめ」のような動画やブログを探して、概要を掴んでから、深掘りしていくのも良いでしょう。公式の他に、パートナー企業や、有志、メディアが動画や記事、ブログにまとめてくれています。

とくに、イベントより数ヵ月遅れますが、公式がYouTube上にRecapの動画(30分~1時間程度)をあげているので、まずはそちらを見ると掴みやすいです。日本語ですから大丈夫ですよ!

AWS re:Invent Recapアーカイブ
https://aws.amazon.com/jp/events/reinvent-2021-recap/

もう1つ押さえて知っておきたいイベントは、5月ごろに開催されるAWS Summit(サミット)です。こちらは、各国で開催されるAWSのラーニングイベントです。もちろん、日本でも開催され、参加費も無料です。コロナ前は、幕張などでリアルイベントが催されていて、お祭り感満載で、ノベルティなども貰え、スポンサーも含めて大賑わいでした。⁠AWSの今を肌で感じられるイベント」ですね。

現在は、オンラインになってしまいましたが、セミナーの充実度合いは変わらず、基礎から事例、最新情報までを知ることができます。

re:Inventが「できたてほやほやの最新」としたら、AWS Summitは「現場の最新」といったイメージでしょうか。

また、国内で開催されるため、⁠参加しやすい」というのも大きな特徴です。同時に複数のセッションが開講されるので、セッションをハシゴしたり、ブースを回ったりしていると、あっという間に閉会時間になってしまいます。1日中会場を歩き回ると、ヘトヘトになりますが、AWSをより身近に感じられるでしょう。勉強するというより、楽しんで身につくイベントです。

5ヵ月遅れではありますが、re:Inventについてのセッションもあるので、ここで新情報を押さえるのもいいですね。

この2つの他にも、AWSome Day OnlineAWS Builders Online Series⁠AWS Innovate」AWS Dev Dayなど、いろいろなイベントがあります。それぞれ、初心者向けだったり、分野別だったり、開発者向けだったりと、性質が違うので、自分に合うイベントに参加すると良いでしょう。

AWSのイベント一覧
https://aws.amazon.com/jp/events/

情報を集めたい場合、書籍や、動画、ブログやイベントなど、さまざまな形態があります。細かい内容をじっくり身につけたいなら書籍が良いですし、具体的な操作は動画が見やすいでしょう。ブログやSNSは、情報が早く、セミナーは双方向で教えてもらえるのがメリットです。

そう考えたときに、イベントの良さは何かと言えば、⁠楽しく身につけられる」に尽きます。もちろん、他にもメリットはいろいろあるのですが、⁠楽しいな」⁠おもしろいな」と思っているうちに、自然と知識が身につくのは、イベントならではでしょう。

興味が湧いたら、ぜひ参加してみてください。

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この連載は、図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書10刷記念として企画されたものです。おかげさまで発売後わずか2年ですが、10刷を迎える大ヒットとなりました。

なお、書店でも10刷記念キャンペーンを行っており、書籍を購入すると「ニャゴロウ先生の AWSの全サービスがしっかりわかるシート」が付いてきます。こちらは、200を超えるAWSの全サービスを1枚の紙にまとめたものです。

⁠なんだよ~もう書籍買っちゃったよ~」という方もご安心あれ!購入済の方は、以下のページからPDF版をダウンロードできますぞ。もし、ご友人などで本を持っている方がいれば、教えてあげてください。

図解即戦力AWSサポートページ
https://gihyo.jp/book/2019/978-4-297-10889-2/support

7回にわたってAWSについてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。

AWSは、難しいと思われがちですが、そんなことはありません。素で作るよりもよほど簡単で、運用も楽です。便利なサービスや、サポートツールを色々と用意してくれています。

この連載で、⁠AWSってけっこうおもしろそうだな!」と少しでも興味を持っていただければ幸いです。ぜひ、AWSの世界を楽しんでくださいね。そして、書籍への応援もよろしくお願いします!

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