Android 4.4 "KitKat"の配信が開始しました
11月13日から、Nexus 10とNexus 7向けにAndroid 4.4 "KitKat"の配信がはじまりました。
Nexus 7は、2013年モデルはもちろんのこと、2012年モデルも対象に入っています。いずれも、Wi-Fiモデルが対象で、SIMフリーモデルは、後日、アップデートを実施する(スケジュールは未発表)とアナウンスされています。
早速、筆者も2013年モデルのNexus 7を、Android 4.4 "KitKat"にアップデートして、新しいOSを堪能しています。
ARTを試すことができるのは、Nexus 5とNexus 7(2013)のみ
前回、Android 4.4 "KitKat"には、Dalvikに変わるアプリ実行環境としてARTが試験的に搭載されており、これに切り替えることができるとご紹介しました。
これは、Android 4.4 "KitKat"にアップデートしたすべての端末で試すことができるワケではなく、Nexus 10と2012年モデルのNexus 7は、ARTに切り替えられず、新しいアプリ実行環境を試せません。
ARTは、CPUのアーキテクチャが関係しますが、対象外のNexus 10と2012年モデルのNexus 7は、ARMv7-Aアーキテクチャです。対象となったNexus 7(2013)は、同じアーキテクチャなので、CPUアーキテクチャーの違いが理由ではないようです。試験的な実装のために、2013年に発売された端末のみを対象としたということかもしれません。
ARTへの切り替えは、[設定]の[開発者向けオプション]にある、[ランタイムを選択]で「ART」を選択します。開発者向けオプションが見当たらない場合は、[設定]の[タブレット情報]にある「ビルド番号」を、7回タップしてください。
ARTのパフォーマンスは?
さて、気になるARTのパフォーマンスです。
ARTは、実験的な実装とされているので、ベンチマークを取るのは不公平かもしれませんが、AnTuTu BenchmarkとQuadrant StandardをDalvikとARTで実行した結果をご紹介します。
表 AnTuTu Benchmark
20452 | Dalvik |
20783 | ART |
Quadrant Standardのスコアは、大きな差が出ています。かたやAnTuTu Benchmarkのスコアは、誤差と言っても良いほどの結果です。
DalvikとARTでは、Javaで書かれたコードの実行方法が違うために、処理速度に違いがでるワケですが、AnTuTu Benchmarkの計測処理部は、ネイティブコードで書かれているため、実行速度に差が出なかったのかもしれません。
Quadrant Standardは、大きな違いがあり、トータルスコアは1.48倍の差が出ています。CPU、Mem、I/O、2D、3Dの計測項目のうち、CPUのスコア差が大きく、Dalvikが14001なのに対して、ARTは、27587となっており、1.97倍、およそ二倍の差があります。Quadrant Standardの計測処理部は、Javaで書かれているのか、ARTの効果がわかりやすくでる結果です。CPU以外のスコアは、誤差程度の違いです。
ARTは、素晴らしい結果を残していますが、筆者が試している限りでは、Quadrant Standardを実行すると、初回の起動では固まってしまい、ベンチマークが終了しないトラブルに遭遇しました。まだ、安定性に関しては、まだ改善の余地を残しているのかもしれません。
2014モデルのNexus 7もASUSが製造する?
最後は、2014年モデルのNexus 7もASUSが製造するかもしれないという話題です。
この話題が出たのは、11月13日に開かれたASUSの2013年Q3決算説明会の中で、同社のCEOであるJerry Shen氏が「Googleとの協議を続けている」と発言したことが発端となっています。
そつがない端末をAUSUが製造することは、過去二作で十分証明しています。
2014年モデルのNexus 7の製造も担当することになれば、同じフォームファクタの端末を3回続けて製造することになり、成熟の極み、集大成の端末となるはずです。期待のかかるモデルになることは間違いありませんが、筆者は、軽さと・薄さに、さらなる磨きがかかることを期待しているのですが、皆さんはいかがでしょうか?
2013年モデルが、7月末に発売されたので、2014年モデルも同じ頃になるのでしょうか?楽しみです。