Android Wearが登場
前回 、ウェラブルデバイス向けのSDKが近日中に登場するというニュースをご紹介しました。3月18日に、Googleから『Android Wear』という名前で、ウェアラブル向けのOSが発表され、同時にSDKが公開されました。
Android Wearは、Androidプラットフォームをウェアラブルデバイスまで拡張するというかなり幅広いものですが、当面は、スマートウォッチにフォーカスするようで、今夏にデバイスが登場します。第一弾のデバイスは、LGが「LG G Watch」 、Motorolaが「Moto 360」であることがわかっています。
時計らしいデザインのMotorolaのMoto 360
多くの情報が出てきているワケではありませんが、LG G Watchは四角いデバイスで、腕時計としてみれば、デジタル腕時計にありそうなデザインです。
Moto 360は、LG G Watchよりも多くの情報があります。
スマホからの通知は、丸いケースに収められた、ディスプレイに表示されます。サイトに公開されているMoto 360は、フォーマルなデザインで質感も高そうです。このデザインであれば、ビジネスの場で使っても違和感はないはずです。バンドは、革とメタルのバリエーションがあるようです。
LGとMotorola以外では、ASUSやhtc、Samsungなど、Android端末を開発するメーカが名前を連ねています。Samsungは、Gearシリーズと、どう折り合いを付けるのか気になるところです。
ITメーカ以外では、FOSSILの名前が見られます。
意外に感じるかもしれませんが、2003年から2005年の間、Palm OSを搭載した「WRIST PDA」という腕時計を販売していたことがあります。筆者の記憶では、これ以来となるはずです。FOSSILは、カジュアルなデザインを得意とするので、これまで、興味を示すことがなかった層にもアプローチする製品が登場して来ることが期待できます。
FOSSILのWRIST PDA
真打ちとなりうるのか
Android WearのSDKは、登録制になっていますが、プレビュー版の配布が開始されています。新プラットフォームの発表と同時に、SDKの配布を開始するところは、Googleらしい素早い動きです。
SDKのエミュレータには、「 AndroidWearSquare」と「AndroidWearRound」があるので、四角い画面(LG)と丸い画面(Motorola)を持つデバイスが登場し、アプリは2種類の画面を想定して開発する必要があるようです。
Android Wearの操作は、音声認識とタッチパネル操作がメインになるようです。タッチパネル操作は、タップやフリックを使って操作するので、スマホとよく似ています。たとえば、スマホから通知された情報は、カードのように提示されます。数が増えるとカードが重なって表示され、フリック操作でブラウズします。操作方法は、Googleが買収したWIMM LabのWIMM Oneと非常によく似ています。UIの動きは、開発者向けサイトで確認できるので、気になる方はアクセスしてください。
音声認識は、Google Nowそのものです。スマホとの違いは、音声対話ができるところです。ただし、「 はい」「 いいえ」など、短い受け答えに留まるようです。
追加されたAPIも通知関連と音声操作に留まっているので、スマホの情報を腕時計型デバイスで受け取る使い方は、既にあるスマートウォッチと変わりありません。しかし、腕時計に搭載されたセンサーから情報を得て、スマホ側で処理をするような使い方もできるようになるはずです。となれば、フィットネス系のアプリは、こぞって対応をしてくるはずで、いっきに華やかになるはずです。
今週は、このあたりで。また、来週。