Stagefright問題、各社対応状況の続報
前回、前々回とStagefright問題を取り上げています。95%の端末が対象となる問題なので、今回もこれの続報から始めます。
Sony Mobileの対応状況
Sony Mobileは、Xperia Z2, Z3シリーズ向けに、Stagefright問題を修正したアップデート(ビルド 24.4.A.0.580)の配信を開始しました。しかし、これが配信開始になったのは、オーストリアやスペインで販売されている欧州キャリアモデルのみで、他国への配信は始まっていません。順次展開していくものと思われます。
Cyanogenの対応状況
カスタムROM「CyanogenMod」を開発しているCyanogen Inc.は、Stagefright問題への対応状況をブログでアナウンスしています。
エントリによれば、CyanogenMod 10.1から12.1までのNightlyビルドは、問題に対処済みです。安定版は、CyanogenMod 10.xとCyanogenMod 11.xを今月末までに対応予定です。リリースが予定されているCyanogenMod 12.1でもStagefright問題に対応してリリースするとしています。
Stagefright問題を確認するアプリが登場
愛用している端末がStagefright問題に該当するのか知りたいけど「技術的なことは詳しくわからない」という方のために、Stagefright問題を最初に発見した企業「Zimperium Inc.」が提供する「Stagefright Detector App」がリリースされました。
このアプリを使ってスキャンすれば、愛用の端末がStagefright問題に該当するかを確認できます。
Googleの修正では不十分?
セキュリティ企業のExodusは、GoogleのStagefright問題への修正対処は不完全で、依然、脆弱性をついて悪用される可能性があると発表しました。
Googleが配布するアップデートをExodusの研究者が調査したところ、修正内容が不完全で問題が残されていることを発見しました。この研究者は、Stagefright問題を修正したNexus 5を使い、修正を回避してクラッシュを誘発できるMP4が作成できることを確認しています。
Googleは、この問題を修正するパッチをパートナーに提供済みです。
また、9月に実施される月例アップデートで、Nexus 4/5/6/7/9/10とNexus Playerにパッチを配信すると表明しています。
Mobile Vision APIが登場
GoogleはAndroid向けに「Mobile Vision API」と呼ぶ新しいAPIを発表しました。
これは、端末のカメラをより活用したアプリが開発できるもので、Google Play開発サービス7.8以上で利用できます。
Mobile Vision APIは、Face APIとBarcode APIで構成されています。
Face APIは、画像や動画で人の顔を認識する機能です。すでに提供されているFaceDetector.Face APIよりも高速かつ高精度で認識でき、口や鼻などのパーツを個別に認識できるのと、笑顔や目を見開いている状態も識別できます。
もう1つのBarcode APIは、名前からもわかるようにバーコード関連のAPIです。バーコードのリアルタイム読み取りや複数のバーコードを一度に読み取る機能を備えています。端末ごとでカメラの特性や性能が違うので、どの程度の能力を持っているか分かりませんが、QRコードを読み取るアプリを開発しようとした場合、ZXingなどを使わなければ実現できないものが標準APIだけで実現できるので、アプリ開発が容易になります。
今週は、このあたりで。また、来週。