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2018年10月第4週欧州ではAndroidが有料になる見込み

欧州ではAndroidが有料になる見込み

Androidは、無料で使用可能なオープンソースで開発されているOSです。しかし、Androidの提供方法が欧州連合競争法(独占禁止法)に違反するとして5700億円もの罰金が課せられました。

Googleは、これを受けてEU圏では端末にライセンス料を徴収する方針を明らかにしていましたが、これが40ドル(4,500円)程度になる予定であることが明らかになったとThe Vergeは報じています。

この話題は、本連載の「2018年7月4週 Androidが無料でなくなるかも」でも触れました。

これは、Android OSが独占禁止法に違反しているのではなく、ここで使われているアプリストアや検索サービスが標準的に端末に組み込まれており、これらに関わるGoogle製アプリが独占禁止法に違反するとされています。

Androidが普及することで、インターネットへのトラフィックが増え、結果、Googleのサービスの利用率が上がり、収益の柱である広告ビジネスの拡大につながるというモデルに基づいて、Androidを無料配布しています。Googleとしては、このビジネスモデルが成り立たなくなるのであれば、Androidを無料で提供する理由が成り立たなくなるので、ライセンス料を徴収する考えはじゅうぶん成り立ちます(もちろん、法外とも言える罰金の支払を逃れる理由もあります⁠⁠。

2019年2月よりEU圏で販売される端末には、Google製アプリの搭載をしなくてよい代わりに、40ドルのライセンスを支払う必要があります。

たとえば、Google製アプリのPlayストアアプリは、サードベンダアプリにとってもなくてはならないもので、これがないと支障が発生するアプリもあり、端末メーカはユーザの利便性を損なわないためにライセンス料を支払うと考えられています。コスト上昇分は、端末メーカが負担することはなく端末価格が上昇してユーザが負担します。

誰が得して誰が損するのか

EU圏では、Androidのシェアが7割を超える国も多く目立つので、欧州委員会が公平な競争を促進する立場を取るのは理解できます。しかし、公平な競争と言っても、たとえば、検索サービスは、Googleと同じアプローチでは新たなチャレンジャーが表れても惨敗するのが目に見えています。また、アプリストアに関しても同様です。

短期的に見れば、Googleの独占状態から逃れることは難しく、長期的に見ても大きな野心を持ったプレーヤが現れない限りは、新たな変化が訪れることはなさそうです。

仮に、スマホが陳腐化して別のプラットフォームが表れたときは、ゲームチェンジのタイミングなので新たなプレーヤが変化を興す可能性があります。この際に公平な競争が行われる措置と考えれば無駄とは言いませんが、話の規模が大きすぎて庶民感覚ではピンと来ないのも正直なところです。

単純に見れば、利便性のためにライセンス料をユーザが負担して、変わらずGoogleサービスが使われてるので、競争相手がほとんどいないGoogleには、新たな収益源を得られたと見ることもでき、あながち悪い話でもないかもしれません。

ライセンスの金額

Googleは、ライセンス料や設定を明らかにしていませんが、冒頭で触れたThe Vergeの記事でよれば3種類の設定で国ごとに異なります。

最も多くのライセンス料を支払う国では、40ドル、20ドル、10ドルの設定になっています。この設定は、端末の販売価格レンジで決まるのではなく、画面密度で決められます。これは、コストパフォーマンス優れる端末のライセンス料が安価にならないための措置だと思いますが面白いとことに着目しています。ライセンス料が最も安い国では、一番低い価格設定が2.5ドルです。これはスマートフォン向けの設定で、タブレットは別の価格設定で最大で20ドルとされています。

ライセンス金額は、Googleと端末メーカ間の話で交渉の余地があり、確定的な情報ではないようですが、ハイエンドAndroidは12万円前後の設定なので、4,500円程度(40ドル)くらい価格が上昇しても影響は少ないです。ローエンドAndroidは、3万円前後の価格設定なので、これも1,200円程度(10ドル)の価格上昇は大きな痛手にはなりません。また、Google Chromeをインストールすることで、ライセンスを徴収しないとの条件もあるようです。

無料でなくなるのは衝撃的ですが、Googleの方が何枚も上手のように感じ、結果大きな影響はないのが現状かもしれません。

今週は、このあたりで、また来週。

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