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2019年5月第4週Google I/O 2019フォローアップ~Googleアシスタント最新動向

前回に引き続き、5月7日から5月9日までアメリカ カリフォルニアのマウンテンビューで開催されたGoogle I/O 2019のフォローアップです。今回は、次世代のGoogleアシスタントを中心に取りあげます。

Googleアシスタントはクラウドからエッジへ

Googleアシスタントが使えるデバイスは10億台以上にもなり、スマートフォンにとどまらず、スマートスピーカやスマートディスプレイまで、世界80ヵ国以上30以上の言語で利用できるまでに成長しました。このGoogleアシスタントの次世代版のデモがGoogle I/Oで行われました。

次世代のGoogleアシスタントは、音声認識モデルや言語理解モデルが新しくなり、必要なデータ容量が100Gバイトから0.5Gバイトまで縮小されます。この結果、これまでネットワークに接続してクラウドで実行していた処理をローカルでも実行できるようになりました。この結果、必要な音声処理は遅延なしに行えるようになりました。また、モデルを見直したこにより、リクエストを理解して処理するまでの時間が10倍速くなっています。

次世代のGoogleアシスタントは、2019年中にPixelに搭載される予定です。

Googleアシスタントがクラウドではなく、いずれはクラウドのエッジにあるデバイスで使えるようになるのは容易に想像できますが、登場からわずか3年で成し遂げることになったのは驚きです。また、手元のデバイスで動作することになれば、ユーザのパーソナリティをこれまで以上に理解して、この結果をアシスタントの動作に反映することも容易になります。

自分をもっと理解しサポートしててくれる新機能

Googleアシスタントがユーザのパーソナリティを理解する仕組みとして「Personal References」と呼ぶ新機能が今後数ヶ月のうちに実装されます。

これは、ユーザにとって重要な人や場所、イベントをあらかじめ設定しておきます。

たとえば、実家に住む母を設定したとすれば「母の家の天気は?」と言ったふうにGoogleアシスタントに尋ねて結果が得られるようになります。この考え方をさらに進めれば、よくやりとりする人を優先したり、特定の操作をした人を学習するなど、Personal Referencesの設定をすることもなく使えるようになりそうです。

また、日本では展開されていませんが、人のように話して美容院やレストランの電話予約を行ってくれる「Google Duplex」がGoogleアシスタントに実装されることも発表されました。これが実現すれば、Googleアシスタントに「○○レストランを予約して」と伝えるだけで予約をしてくれます。先のPersonal Referencesと組み合わせることで、さらに便利に使えそうです。

Google Duplexは、対応デバイスの拡大がアナウンスされており、今後はPixel以外のAndroidデバイスとiOSにも対応します。

Google Duplexの適用範囲がWebまで拡張されて「Duplex on the web」として発表されました。開始当初は映画やレンタカーの予約など対応サービスが限られていますが、予約に必要なフォームの入力を自動で行うので、手早く予約を済ませられます。これは、2019年中にアメリカとイギリスで開始されます。

相手のペースに合わせて進める、電話予約が面倒なのは間違いありませんが、自分のペースで進められるウェブ予約もそこそこ時間が吸い取られます。これもGoogleアシスタントに指示すれば、予約入力を肩代わりしてくれるのであれば、これにこしたことはありません。ただ、ウェブ予約は電話予約と比較すると技術的には目新しいことはありません。入力フォームの解析をエンジニアが人力で行い、この結果をもとにGoogleアシスタントを動作させているのかと想像すると微笑ましい感じがします(笑)

子供のころの未来を通りこしている?

子供のころに観たSF映画では、クルーとマザーコンピュータが会話をして協調しながらミッションを進めるシーンがありました。今年中には、同じようなことがポケットに入るコンピュータで実現されるので、SF映画を超えた世界が現実になろうとしています。

筆者は、コンピュータが人のように会話できたり、同じ知性を持つ必要はないと考えています。コンピュータが人と同じように振る舞えば、人付き合いで感じるストレスをコンピュータにも感じる可能性があります。日々の生活を下支えしてくれる黒子として動いてくれるのは理想です。その方法の1つとして、使う側のストレスが低い音声インターフェースを使うのは、まだ多くの可能性がありそうです。

今週は、このあたりで、また来週。

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