今回は、前回に続いてAndroidユーザのスマートウォッチ選びの後編です。
Suica対応のスマートウォッチ「Garmin」
原稿執筆時点で、Suica対応のWear OS搭載スマートウォッチはありません。Androidで使えるスマートウォッチの中では、Garminが唯一です。
Garminとはいえば、GPSを使ったサイクルナビなどアウトドア製品のイメージですが、ウェアラブルにも力を入れており、近年は多くのスマートウォッチをリリースしています。これもアウトドアでの利用を想定してか、無骨な見た目のものが多くあります。
しかし、12月3日(木)に発売になる「VENU SQ」シリーズは、これまでのライナップとは違い、四角いケースの腕時計でシンプルな見た目です。
肝心のSuicaは、非接触型決済のGarmin Payの一部として実装されています。
これは、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、三菱UFJ銀行が発行するVisaタッチ決済に対応したデビットカードで使えます。使う人を選びますが、Suicaが使えるので普段使いには不自由はありません。
ウェルネススマートウォッチのパイオニア「Fitbit」
Fitbitのはじまりは、クリップタイプの歩数計でした。これが腕に巻きつけるスマートバンドに形を変えて、いまではスマートウォッチもラインナップにあります。最新のスマートウォッチは、Fitbit SenseとVersa 3です。
Apple Watchもウェルネスを重視に舵きりしていますが、Fitbitは創業当時から健康改善を目的として製品を開発しているので、この点を見れば先をゆく存在と言えます。
Fitbitは、スマートウォッチで計測した結果をアプリに表示するだけでありません。Premiumサービスに加入すれば、健康的な生活を送るためのキッカケやアドバイスをアプリから得られます。
たとえば、睡眠の質を改善したい場合、Premiumサービスにあるガイド付きのプログラムをチャレンジすることで改善のキッカケが得られます。改善したいと漠然と思っていても変わらないので、手軽にアプリ経由でキッカケが得られるのは最高です。プログラムが自分に合わないと感じれば、すぐ止められるのもこれの良いところです。
Versa3とSenseに搭載されているFitbit OS 5は、Versa 2以前の端末をアップデート対象外とする割り切った方針にしました。切り捨てられたユーザにとっては不満ですが、おかげで思い切の良い攻めたつくりになりました。
たとえば、UIやUXは小さな画面でもわかりやすく使いやすいものに変更されました。また、端末には物理ボタンを搭載せず、代わりに静電式ボタンを搭載するなど、故障への耐性も高めています。
非接触型決済に対応
Fitbitは、非接触型決済サービスのFitbit Payを展開しています。
2017年10月のFitbit Ionic発売後、しばらくは国内展開されていませんでしたが、2020年7月から国内展開を開始しました。Fitbit Payは、ソニー銀行が発行するVisaデビットカードと組み合わせて、Visaタッチ対応の店舗で使います。この条件に合う人は多くはいないので、使う人と場所を選ぶ決済方法です。また、Felicaは搭載されていないので交通系では使えません。
クロックフェイスとアプリが開発できる
Fitbitは、クロックフェイスと呼ぶ文字盤とアプリがストアに数多く公開されており、スマホでダウンロードして端末にインストールできます。
Fitbit OS 5は、旧バージョンのOSとの互換性が低下したので、現時点では使えるクロックフェイスとアプリの数が限られていますが、これは時間が解決します。
また、SDKが公開されており、クロックフェイス・アプリ共にJavaScriptで開発できます。環境があれば、手軽に開発にチェレンジできる敷居の低さはFitbitの特徴です。
筆者もクロックフェイスとアプリを無償で公開しています。まだ、Fitbit OS 5には対応できていませんが、Versa3やSenseにも対応したクロックフェイスがあるので、よろしければお試しください。
筆者が使うスマートウォッチ
筆者は、Fitbitのウェルネス機能を唯一無二の存在と感じており、Fitbit Senseを発売日に入手して使い続けています。これには、6ヵ月間無料で使えるPremiumプランが付くので、これも試しているところです。
今週は、このあたりで、また来週。