今こそ!勉強会

第3回勉強会を始めよう

今回は勉強会を開催する立場に立って、開催する為にどんなことをしなければいけないのかをご説明します。

ここで取り上げるお話は、先日の勉強会大集合の中に出てきた話などを元に書いておりますが、すべての場合に対応できる完璧なものではありません。しかし勉強会を開催するための敷居を下げ、開催した後に「やって良かった」と思えるような内容をお伝えいたします。

勉強会を主催するメリット

勉強会を開催するのは大変そうに思えますが、ご自身で開催すると以下のようなメリットをあなたにもたらします。

自分が知りたいことが勉強できる
他の勉強会ではできなかったり、知ることのできなかったことを聞く機会が持てます。
自分の好きなことを介して仲間ができる
自分が好きなことに対し興味を持つ方が集まるので、自然とニッチな内容が中心に話しができるようになります。
参加者側では味わえない喜びがある
これは言葉ではなく、本当にやっていただいて感じていただくしかありませんが、やり終わった後の参加者からの感謝の言葉はとても気持ちが良いものです。

開催のテーマを決める

開催にあたって、まず勉強会のテーマを決めましょう。

テーマといっても「どんな言語や技術がこの勉強会に参加するとわかる」という堅苦しいものではなく

  • 「この勉強会に出るとどんな人が集まってくるのか」

ということがわかる程度でいいです。

テーマの方向性としては、

言語やサービス名など幅広く取り扱う勉強会

発表する内容や発表者を幅広く扱え、参加者を募集することができます。

初心者向けの話があると、今まで勉強会に参加したことのない方でも参加しやすくなります。

ニッチな部分に特化した勉強会

逆にニッチなテーマで取り扱うと人が集まりにくいデメリットはありますが、内容の濃い勉強会が開催できます。小規模という観点で見た場合、最初は内輪から開催してみても良いかもしれません。

地域などで集まり各自の持っているネタを発表する

言語やサービスに捕らわれず、地域の技術者同士で集まり各自が知っていることを公開しあうのもおもしろいです。勉強というよりも交流がメインになりますが、集まりやすいメリットがあります。

勉強会の形式も誰かが前に立って発表をし、それを聞くだけが勉強会のスタイルではありません。読書会やディスカッションなど、あなたが心の中で思っている「こんなのはできないだろうか」ということにぜひ挑戦してみてください。

開催前の準備

いきなり1人で勉強会を立ち上げるのは、たとえ手順がわかっていても大変です。

まずは仲間を集いましょう。自分の周りの人に「自分はこんな勉強会を開いて話を聞きたい」という事を相談して見てください。そして、自分の周りに相談するのだけではなく以下のことも試してみると賛同者や参加してみたいという方が出てくるかもしれません。

BLOGに記事を書く
いろいろな方が見に来るので公開してみましょう。
mixi日記に書く
マイミクの方など知っている方が見るので、協力を得やすいです。
Twitterなどでつぶやいてみる
知らない方でもあなたをFollowしている方からレスポンスがあるかもしれませんので、BLOGに誘導したり、やってみたいことを発言してみてください。

とくにTiwtterやBLOGなどは顔を合わせたことのない方でも見るため反響が大きかったりします。

発表者を集う

発表をしてくれる方を探すのは難しいです。難しい理由の1つとして、45分~60分も話しができないという、敷居の高さが挙げられます。こういった式を下げる意味で、発表時間を短くするなどの構成も良いと思います。まずは勉強会に登場してもらいたい方、発表してきたい方の敷居を少しでも下げることを心がけ、たくさんの方に発表してもらうようにしましょう。

開催日時を決める

手伝ってくれる方や発表者が決まったら開催する日時を決めましょう。

まずは各自の都合の良い日を決めるのに、予定調整サービスなど、たとえばFIX ONを使用すると便利です。

開催曜日と時間

平日、土日祝日で開催時間が変わってきます。

平日

基本的に就業後開催します。場所にもよりますが、あまり早い時間だと自分を含め集まれないこと事もあるので気を付けましょう。また、2~3時間程度しか時間が取れませんので発表者が少なくて済むメリットもあります。一方で、仕事で忙しい方などは参加しづらいようです。

土日祝日

お休みの方が多いので午後から夕方まで平日より長めに開催でき、終了後の懇親会もたっぷり時間が取れます。ただし、他の勉強会とバッティングする可能性もありますので、開催日には他に競合したり大きなイベントがないか確認しましょう。

家庭をお持ちの方は家族サービスに当てることが多いようで参加しづらいようです。

会を重ねていくと、平日または土日祝日のどちらかしか参加できないという声も出てきたりもします。なので交互に開催したりする配慮などがあると良いかもしれません。

タイムスケジュール

タイムスケジュールは会場が使用できる時間から発表者の持ち時間を割り当てますが、時間が余ってしまった場合、次のようなメニューを用意しておくと良いでしょう。

ライトニングトークを設ける

1人5分~10分程度で数人募集してみてはいかがでしょうか。 その時のテーマは多少勉強会の内容と離れても問題ないと思われます。

休憩を長めに設ける

発表者の発表時間が延びたときの修正や参加者同士の交流時間に当てたりできます。

自己紹介タイムを設ける

参加者全員に自己紹介していただき、時間を調整します。

開催場所探し

これまでの開催経験者の話を聞く限り、会場探しが一番難しいようです。開催場所は大まかに表1のような場所がよく使用されているようです。

表1 会場の候補
場所名メリットデメリット
会社会議室無料で借りれる
プロジェクターなどの設備が整っている
貸してくれる会社(担当者)との出会い
時間や人数の制限が発生
公共の施設公共の施設なので安く使用できる
少人数の開催に適している
予約募集開始が早く、うまく取れない事がある
機材の貸し出しがないことがある
貸し会議室機材やネットワークがそろっている
人数によって大きさを選べたくさん入る会場もある
公共の施設に比べると割高になる

公共の会議室は安く借りることもできますので、お近くの公共施設が利用できるか調べてみてはいかがでしょうか。

勉強会大集合では

勉強会大集合でもこの部分を取り上げ、各自どのように探しているかが発表されました。初めて開催するときの解決策は見つかりませんでしたが、2回目以降の話として次のようなTipsが紹介されました。

場所の固定化

場所が固定化されることで、会場のクセや行き方などがマニュアル化できコストが下げられます。

参加者の中から会場提供者が出てくる

何度か開催していると、常連の参加者などから提供していただける方が出てくることがあります。

このときは、各勉強会とも「会場を探すコストを下げる努力」が行われていることがわかりました。

その他

少人数であればカフェ、カラオケボックスで開催するという方法や宴会場で開催した勉強会もあるらしいです。都内であればこのようなリンク集もありました。貸会議室候補リスト上に書いたところだけが開催場所ではありません。意外な所が使えるかもしれませんので探してみるのも楽しいかもしれません。

費用の発生

会場費や資料の印刷代などが発生する場合は後からお知らせするのではなく初めから募集事項に書いておきましょう。費用はキッチリ割るのではなく、参加人数が予定より少なかったりした場合に備えある程度余るくらいでかまいません。実際にはおつりを用意しやすいように500円区切りか1,000円区切りが良いでしょう。

お金が余ることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、それは儲けを出したのではなく後々にあなたの勉強会に還元すれば良いことです。 具体的には以下のようなことに使うと良いかもしれません。

  • 懇親会費の負担
    学生の場合懇親会に出たくてもお金がない理由で参加できないことがあります。その場合は、主催者側で一部を負担するようにしましょう。
  • 飲み物などのサービス
    会場に飲み物やチョットしたお菓子などを用意しておいてもいいかもしれません。

赤字だけは避ける

勉強会は誰かの犠牲によって成り立つものではありません。⁠自分が払えばいい」という気持ちで開催していては自分も参加者も気持ち良く開催することができません。なので、無理のないように開催し楽しい勉強会を開催しましょう。

参加者の募集

場所や日時が決定したら参加者の募集を開始しましょう。

なお、ここまでの流れは関係者のみでやり取りしてもいいですが、BLOGなどで外部に公開しておくことで、あらかじめ読者がチェックしてくれており、スムーズに募集告知につながります。

募集方法については以下のようなものがあります
専用Wikiを作る
インストールするサーバがなければLivedoorWikiなど、無料で使えるところを使用するといいです。
mixiコミュニティ
mixiにアカウントがある方限定になりますが、参加者がどんな方かわかる利点などがあります。
イベント開催支援ツールを使う
最近はATENDのようなイベント開催を支援するツールもあります。

機能としては、参加者がわかることと勉強会の履歴がわかるようにしておきます。参加者がわかることは、勉強会終了後にも確認したりすることができつながりが持てます。また、勉強会の履歴は発表資料を載せたり、初めて参加する方が以前どんな内容の話があったかを知ることができます。

その他、トラックバックを受け付ける機能があれば、終了後の感想などを集めやすくもなります。

募集と同時に懇親会の募集もしておくと、あらかじめ懇親会の参加人数が把握できるのと、参加者も勉強会後の予定が入れられるので安心です。詳細が決まっていなければ、時間と料金を出しておくだけでもかまいません。

募集の告知

自分のBLOGやmixi日記、また手伝っていただける方や、参加者に参加宣言のエントリを上げていただいいたりして告知を広げていきましょう。

これらの方法を活用すると効果的です。

開催当日

会場入り

会場には開始の30分くらい前に入り準備をしましょう。

座席などの設営
会場で椅子などを人数分用意しましょう。
受付準備
参加者の出欠を取る場合や参加費を徴収する時は始めに準備しましょう。
プロジェクターの準備とPCの接続確認
プロジェクターの位置を決め、PCがちゃんと映るか確認しましょう。レンタルの場合、各種調整が必要なことがあるので注意しましょう。
案内の準備
会場がわかりにくい場合は入り口などに張り紙をしておくと良いでしょう。また直前ではありますがTwitterなどに投稿しておくのもいいかもしれません。

勉強会開始後

自己紹介から開始すると場が和んだりします。このようなアイスブレイクの時間の準備を設けておきましょう。また、懇親会の出欠確認はこの時点でしておくと、お店側に人数調整が可能なことがあります。

懇親会

懇親会については第2回でもお伝えしたとおりできるだけ開催しましょう。発表者と参加者同士の交流は勉強会ではなく懇親会がメインです。

懇親会会場探し

大きく分けて表2のように分かれると思います。どの場合も当日に大きな人数変更がないように気をつけましょう。

表2 懇親会会場候補
方式メリットデメリット準備事項
居酒屋系お店に移動するだけで開催できる
料理や雰囲気が選択できる
料金が割高(3000円~)
人数の微調整が難しい
ドタキャンが出ると赤字になる可能性あり
店によって席が固定されると交流しにくい
お店の選定
人数の調整
持ち込み系割安に開催できる
立食形式なら人の交流が図りやすい
人数の変動にも対応しやすい
同じ会場なら移動なしでそのままの流れで開催できる
料理や飲み物、食器を用意が必要
会場の手配(勉強会会場以外での開催の場合)
料理や飲み物の処分
料理や飲み物の手配

注意点

人数の調整はどんな形式で開催しても行わなければいけません。とくに居酒屋などを予約するときに人数を読み間違えると幹事が補填することになってしまうこともあります。

残念ながらそれを回避する方法はありませんが、何度か人数を確認することで失敗を防ぐことができます。

その前に、次の内容をすべてチェックすることをお勧めします。

勉強会募集時にカウントする

勉強会募集時に一緒に募集します。この時の人数を基準にお店や持ち込みを手配します。居酒屋でコースなどにすると人数分だけ支払いが発生するので1~2割ほど人数を少なめに設定します。また、人数の最終確定がいつまでか、当日の変更が可能なのかを会場に確認しておきましょう。

持ち込みで開催する場合のピザやビールなどの手配についてはこちらが参考になります。

勉強会開始時にカウントする
当日になって参加表明する方もいます。なのでここで最終的に人数をカウントして調整しましょう。
人数は若干少なめに予約する
店にもよりますが、数人の調整なら増えても対応してくれるところもあります。持ち込み形式であれば当日の調達も対応可能です。心配であれば調達先をチェックしておきましょう。

終わってから

以上の内容がすべて完了すると、主催者としての勉強会は終了です。ぜひ実践してみてください。

レスポンスを受ける

その後の展開として、ぜひ参加者のBLOGなどで感想をチェックしましょう。募集のところでも触れましたが、トラックバックや参加者のサイトがわかる仕組みを用意しておけば、フィードバックを集めやすいだけでなく、他の参加者同士の共有もしやすくなります。

反省を活かし次回につなげる

やってみて色々反省する点も出てくると思います。それを次回の勉強会で活かしてください。そしてより楽しい勉強会を作っていってください。

それでも勉強会を開催するのをためらうなら

自分には発表や手伝ってくれそうな仲間がいないと思われたり、開催することに敷居を感じるのであれば、まずは他の方を「手伝ってみる」ことから始めてはどうでしょうか。

今回は開催することを前提に書いておりますが、この中で会場を提供できたり、懇親会の幹事を引き受けるなど、一部でもいいので自分が参加してみたいと思う勉強会にあなたの力を提供してあげてください。その勉強会はあなたの協力を待っています。

最後に…

以上、勉強会を開催する手順をまとめてみました。

重要なポイントとしては

  • 楽しむ
    自分で開催するからには、まずは⁠自分が楽しむこと⁠が重要です。
  • 手間をできるだけかけない
    手間がかかると続かなくなります。できるだけ⁠楽ができるように工夫⁠しましょう。
  • 周りを巻き込む
    周りの協力なくして、勉強会はできません。発表する人、手伝ってくれる人、そして話を聞きに参加してくれる人、⁠全員を巻き込んで楽しむ⁠ことを心がけましょう。

これら3つの⁠楽⁠で勉強会を続けていきましょう。

これを見て開催してみた方へ

もしこの記事を見て、⁠自分も開催してみました」という方がいらっしゃいましたら、ぜひこの記事にトラックバックを送ってください。一人でも多くの方からの反応をいただければ、筆者としても最高にうれしいです。

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