前回に引き続き食べ物がらみの話になってしまった。
本当は別のネタでいくべく、すっかり準備を整え、イラストの下書きと本文を書き終えたところで、いきなりパソコンがフリーズ。撮影済みの写真と書き上げた原稿が取り出せなくなってしまったのだ。
原稿は書き直せるが、写真はどうにもならない。カメラのメモリーからも消去してしまっていた。
頭が空っぽになった時、次回に回す予定だった分の写真は、同行した人間に渡すためDVDに焼いてあることを思い出した。
かくしてなんとかアップすることが出来、ほっとしている(内臓HDDの問題でないことはわかっているから、次回までには写真データを取り出すなり、マシンを修復することが出来ると……思う)。
気を取り直して、串物の話。
自転車でツーリングをしていると、串物との出会いが多い。
峠には茶店があることが多く、ここには大抵お団子や串まんじゅうを売っている。
奥武蔵グリーンラインに行ったときなどは、峠ごとに串物との出会いを大切にしていたため、途中で動くのが嫌になるほど腹がふくれてしまった。
海辺に行けば、土地のものやそうでない魚や貝を串に刺して焼いている。
ポタリングで城下町や小京都と呼ばれる町を走るときも、串物との遭遇が多い。高山では串焼きの飛騨牛まで売っていたし、川越では芋団子を楽しむことが出来た。
自転車と串物は相性がいい。
お店のロケーションによっては、あたかもドライブスルーのように乗車したまま購入できるし、グローブをしたまま食べてもさまになる。
みたらし団子がなど名代の団子たちは甘みと炭水化物で出来ているから、消化も良くすぐにエネルギーとして役に立ってくれるところもいい。
そして、なによりもあの形態が嬉しいではないですか。
残り二つになった団子が串に刺さっている姿は自転車を彷彿とさせて、ほおずりをしたくなりませんか。
本当にほおずりをすると、蜜やタレでべたべたになるから止めた方がいいけど(やらないよね)。
書き終わってからなんだけど、考えてみたらなんで今回は団子の話にしてしまったのだろうか。
ポタリングの目的は、線路沿いを電車と一緒に走る、だったのだから、素直にその話を書けば良かったのではないか。
でもまあ、電車も車をお団子状に繋げた物だと思えば……無理があるかな。
多摩湖線ポタリング
地図:でか字マップ・東京多摩 旺文社
JR国分寺駅~西武多摩湖線・萩山駅~多摩湖自転車道~東大和駅~狭山自然公園~正福寺~北山公園~たいけん館~西武遊園地駅~宅部うどん----そば処・ごろう~狭山自然公園~多摩湖~多摩湖自転車道~多摩モノレール・上北台駅~立川北駅/JR立川駅
JR国分寺駅をスタート地点にします。
国分寺もビルが増えたなあ…なんていうと、時代が知れてしまいますね。
スタート前にすぐ近くの多摩蘭坂に立ち寄って、忌野清志郎さんを偲んできました。
そもそも、なんで今回のお題が団子になったのか。
その原因はここ『だんごの輪島』です。
ご存じ、元世界チャンピオン輪島功一のお店。
団子の他にも輪島焼きやグローブの形をしたファイト最中など、、またおいなりさんや太巻きと甘み以外も充実しております。もっと涼しい季節ならお弁当に持っていきたいところ。
で、今回はお団子と朝飯用に穴子太巻きを買いました。穴子太巻きは一見かなりのボリュームのように見えますが、ご飯がふわっとしていて一本くらいペロリといけてしまいます。
お腹も充実したところで、多摩湖線ポタリングのスタートです。
駅を出て、すぐに踏切を渡ります。
なぜかと言うに反対側はバス専用道、自転車はおろか歩行者も通行禁止です。
その監視のためなのか、踏切に番小屋があってちゃんと警備員が配置されていました。昔は大きな踏切には必ず番小屋があって、手動で開閉していたよなあ、、、ああ、また時代が知れる。
真横を多摩湖線が併走していきます。
といいつつ、単線なので同じ方に走る電車が早々来てくれません。これも実は"併走"ではなくすれ違っているところです。
多摩湖線は駅舎がバラエティに富んでいます。
その中でも人気があったのが、青梅街道駅。
なんともかわいらしい駅です。
荻山駅までは車と一緒に走らなくてはならないので、十分注意してください。
右側が線路で路肩が狭いためか、たくさんの方が左側を逆走してきます。
確かにあの道の状態じゃあやむを得ないところ。
譲り合っていきましょう。
荻山駅で線路の反対へと渡り返せば、狭山・多摩湖の水の目的地・三鷹の境浄水場から続く"多摩湖自転車道"へと入ることが出来ます。
23区方面からアプローチするのなら、回り道をしてでもこの道を走ってくるのがおすすめ。
多摩川堤の遊歩道と違って、かっ飛ばしている自転車は一台もいないから、子ども連れでも安心して走ることが出来ます。実際にまだおぼつかない走りの子ども連れを何組も見かけました。
多摩川堤も休日くらいはこの雰囲気を見習ってほしいなあ。
こちらはモダンなつくりの八坂駅。
陸橋の上を自転車が走ることが出来るのに、道を渡ってから気づきました。
上の方が気分よさげです。
武蔵大和駅から都立狭山自然公園へと入ります。
もう、すぐ横が多摩湖です。
園内案内板によると、マラソンコースとサイクリングコースに別れていたので、サイクリングコースの方をいきました。
別れていると言っても、どちらのコースも人、自転車ともに通行可です。
サイクリングコースは園内中央、起伏のあるところを周回するように作られていて、その中心部は青々とした広場です。
ここでお弁当を食べるのも気分いいでしょうねえ。
公園とはいったんお別れして、多摩湖線のガードをくぐり一般道へ。
正福寺へ向かいます。
距離はたいしたことないけど道幅の割には往来の車が多く、また、その車たちがかなり強引な抜き方をしていくため、かなり嫌な思いをしました。
この辺はなんぼでも裏道があるので「車が多いなあ」と感じたら一本裏道を選びましょう。
都内で唯一の国保建築を有する正福寺。
600年を越える歴史を持っています。
山門の向こうに建っているのが、国宝・地蔵堂。
なんとも言えない、重みとそれでいて切れのいい印象を受けました。
地蔵堂だけみてかえってしまう方々も多いようですが、その裏にこちらもかなり見応えのある本道が控えています。
後北条氏の家紋・三つ鱗が燦然と輝くその有志を一目見ていきましょう。
ただ、その前にでーんと置いてある団体撮影用ステージみたいな仮設の鉄パイプは邪魔だった。
正福寺を出たら北へ進路をとり、八国山緑地へと向かいます。
緑地の西武西武園線をはさんで、南側は北山公園。
ここでは田植えなどの農業体験が出来ます。
訪れたときは田植え体験が行われており、その隣では花菖蒲の花盛り。
園内にはウシガエルのひょうきんな声が響き、池にはカワセミもやってきて大きな望遠レンズを構えたお父さんたちを喜ばせていました。
例によって、公園でたっぷりと時間をつぶし、今度は西武園線沿いに多摩湖線の終点西武遊園地駅へ。
途中、出来たばかりの"たいけん館"に立ち寄り(通過できないのです。でもここは趣旨のよくわからない施設でした。施設自体も来館者と一緒にたいけんを重ねて、これから成熟していくんでしょうね)。
西武遊園地駅はその楽しげな名前とはうらはらに日曜日だというのに人影のない、なんとも閑散とした駅でした。住宅の向こうに観覧車が見えなかったら、ここに遊園地があるとはとても思えません。
あちこちうろついて、すっかりお腹が減りました。
お目当ては武蔵野うどんの宅部うどん。
どこにあるのやらさっぱりわからず、やっとこさ鉄道高架のすぐ横にあるのを探し当てたのに、なんとお休み。
このお店は不定休で営業時間もまちまちなので要注意です。
地元の方に聞いたおすすめの店へ。
正福寺方向へ少し戻ったところにあるそば処・ごろう。
本来はこだわりのおそばで勝負するお店のようで、通されたピアノのあるお座敷の卓の上には、そばに対するこだわりを書きつづった解説が置いてありました。
でも、今は麦の季節だから、それに武蔵野うどんがお目当てなので、迷わずうどんを注文。
出てきたのは、なんとも上品な麺でつけづゆもきりっとした江戸前の味付け。
とても美味しく満足したものの、口が予定していたのはつけづゆの中に野菜や肉の入った、もっとゴンとした食感の武蔵野うどんだったので、ちょっと残念。また、そばの季節に出直してきたい。
ごろうをでると、予報がしっかり当たって雨が降っていました。
ゆるゆると雨脚は強くなっていく中、鉄橋をくぐって狭山自然公園へと戻ります
多摩湖畔に出たときはかなり強い降りに。どう考えても止んでくれそうにないなあ。
雨の中、ジェットコースターを楽しむ人々の嬌声を尻目に多摩湖畔に別れを告げます。
新青梅街道から芋窪街道に入り、本日出会う最後の路線、多摩都市モノレール・上北台駅の真下へ。
見上げれば線路がまさにぶつ切りになっています。
早めに先へと路線がのびることを祈りつつ、強くなる雨の中をモノレール沿いに立川へ向かいましょう。
多摩湖線と違ってモノレールの駅舎はどれも一緒。
そうつぶやいていたら、同行者が、横の看板の色やデザインが少しずつ違っているよ、と教えてくれました、、、知らなかった。
どこかしら見所はあるもんです。
高松駅手前でモノレールが枝分かれしています。モノレールに支線は無かったはず。
この先にモノレールの車両基地と本社があるとのこと、みんな詳しいなあ。
集団住宅のビルに入っているようだけど、あそこからも乗れるのかな?
高松駅を過ぎ、大通りを横切って遊歩道へと入れば、目の前に伊勢丹が見えてきます。。
そこが今回のゴール多摩モノレール・立川北駅。
頭上のモノレールを見上げつつ、無事に到着。
雨はしんどかったけど。路線を辿るランというのは楽しい物です。
皆さんもまずはいつも利用している電車と一緒に走ってみませんか。