※本稿では
- 「『威光暗示効果』?」
様也はハンバーグを食べながらメモを始めた。
- 「『威光暗示効果』
というのは、 記入しようとしている人に、 “こっちのほうがいい” ということを暗ににおわせて記入内容を偏らせる効果です。たとえば、 “一般的に” “最新の” “○○することがよくありますか?” “○○で済ませてしまうことがありますか?” といった文言は 『威光暗示効果』 につながりやすい」
銀河を流れる星のような流暢な説明に様也はほれぼれと聞き入ってしまう。
- 「困ったなあ。どうしよう。もう会員登録データはどんどん溜まっていっているからなあ。これから修正するわけにはいかない」
その言葉を耳にした数人は、
- 「いいですか? お父さん、
一回こっきりのアンケートならともなく、 継続的に蓄積する会員情報で偏りのあるデータを集めてどうしようというのですか? 一度、 バイアスがかかったデータを元に戻すことはできないんですよ。そんなビッグデータは使いものになりません」
数人が諭すように言うと、
- 「こんなビッグデータは嫌だ! 偏った登録内容ばかりで実態を把握できないデータ」
そう言って描きかけの一コママンガを見せる。どうやら遠い昔流行ったお笑い芸人の真似をしようとしているらしい。
- 「それはおどけているつもりですか? 回答を偏らせないためには
『威光暗示効果』 をなくすだけでは不十分です。4つの注意事項の残りの3つを説明しましょう」
- 特定の商品やサービスに対する質問の前に、
それに関する情報を与える たとえば、
ある商品やサービスの認知度を訊く前に、 それについて質問していたら当然認知度は上がります。意外と思われるかもしれませんが、 こうしたうっかりミスはたくさん起きています。たとえば、 “どこでこのサイトを知りましたか?” という質問の選択肢でさまざまなサイトの名前を出した後に、 それらのサイトの認知度を尋ねてはいけません。 - 該当する選択肢がない
これもよく起こる失敗です。適切な選択肢がないため、
無回答にならざるを得なくなります。人によっては適当に本来と異なる選択肢を選んでしまいます。 - 複数の解釈が可能な文章を使わない
どちらとも取れるような曖昧な文章だと回答する人間によって解釈が変わってしまい、
結果として使えないデータになってしまいます。
そこまで説明した数人は、 数人が様也に出した問題にみなさんもチャレンジしてみましょう! ※以下設問は先のURLにて回答できます。 下記の文章に回答を偏らせる表現が含まれていますか?
読者への挑戦
ケース1:
具体的にご記入くださいケース2:
具体的にご記入ください
具体的にご記入くださいケース3:
具体的にご記入ください