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第3回GTDのワークフローを体験(処理~実行編)

処理

前回の収集編で書き出した「やるべきこと」のリストを用意してください。

GTDでは、⁠やるべきこと」を処理するためのフローチャートが用意されています。

このフローチャートを見ながら処理することで、⁠いつやるべきなのか?」⁠本当にやらなければいけないことなのか?」⁠誰かに任せることはできないか?」などを簡単に分類することができ、次にとるべき行動が明確になります。

GTDのフローチャート
GTDのフローチャート

処理をする時のポイントとして「やるべきこと」リスト全てに対して行うということです。

「やるべきこと」が残ったままにはなりません。フローチャートの中で必ず分類されるようになっています。

分類する際の方法には、いろいろなやり方があります。一般的なやり方として、⁠いつかやるリスト」⁠資料リスト」⁠プロジェクトリスト」などを別の用紙として準備しておき、書き写すという方法です。

別の用紙に書き写す方法
別の用紙に書き写す方法

もう1つの方法として、別の用紙を使わずに「やるべきこと」リストにマークしていく方法です。書き写す手間を省くことができるので、筆者はこの方法で処理することにしています。マークは、フローチャート内の○で囲んでいる記号を書くようにします。

「やるべきこと」リストにマークする方法
「やるべきこと」リストにマークする方法

では、実際にフローチャートを見ながら進めていきましょう。

(1)INBOXに「やるべきこと」を入れる。

書き出した「やるべきこと」リストを机の上におきます。この「やるべきこと」リストがINBOXの役割です。

もし、机の上に書類受けがあり、INBOX代わりに使っているのであれば、回覧用紙などが入っているかもしれません。その場合は、そのINBOXのトレイにある書類も一緒に処理するようにしましょう。

書類受け「INBOX」
書類受け「INBOX」

(2)次のアクションが起こせるか?の判断

書き出した内容が直接、アクションと結びつかないものがあります。

1つ目は、書類や情報などです。メモや記録として保存しておけば良いだけなので、これは「資料リスト」に分類します。⁠マークする場合は、DocumentのDを書きます)

2つ目は、別にいつでも良いようなことです。遠い将来やれば良い事や優先度が低いようなものは、⁠いつかやるリスト」に分類します。⁠マークする場合は、SomedayのSを書きます)

そして3つ目は、やらなくても良いことです。これはゴミ箱に入れます。⁠ゴミ箱」に入れるというのは、不要なので二重線で消すということです。

(3)複雑なアクションが必要か?の判断

GTDでは、1つのアクションで実行できないものは、プロジェクトとして考えます。例えば「東京へセミナーに行く」があった場合、⁠新幹線の予約を入れる」⁠宿泊先を手配する」⁠上司に連絡しておく」などの複数のアクションが必要になります。このように1つのアクションで完結しないものは「プロジェクトリスト」に分類します。⁠マークする場合は、ProjectのPを書きます)

フローチャートの中でアクションの見直しと書いていますが、1つ1つのアクションに分割できるようであれば、分割してもかまいません。

(4)すぐにできるか?の判断

中にはすぐに終わりそうなものもあるでしょう。そういったものは、今すぐやるべきです。GTDでは、その基準として「2分以内にできるもの」をやるとしています。2分以内にできそうなものは、着手してください。そして、終わったら消しましょう。

もし、2分以内に終わらなければ中断してください。いつまでも続けていると他のものが進まなくなってしまいますので注意しましょう。

(5)委任することができるか?の判断

必ず自分でやらなければいけないものばかりではないはずです。他の人にお願いできるものは、頼むことにしましょう。依頼の方法はメールや電話、直接話しするなどいろいろありますが、依頼後も結果を確認した方が良いので、⁠連絡待ちリスト」に分類します。⁠マークする場合は、WaitのWを書きます)

(6)スケジューリングされているか?の判断

最後に、いつやるかが決まっているものや決められるものは、スケジュールに分類します。⁠マークする場合は、日付を書きます)

そして、残ったものが「次の行動リスト」です。⁠マークする場合は、ActionのAを書きます)

これが、次の行動に結びつくリストとなります。

処理ステップでは実際の仕事に着手せずに分類だけを集中できたと思います。これは、仕事をやりながら次にとるべきアクションを分類するよりも、先に分類しておく方が効率良く進めることができるからです。

整理

先ほどの分類したリストを、普段使っているノートやフォルダー、ツールなどに整理していきましょう。整理することで、仕事中にアクションの出し入れをスムーズに行うことができます。

整理方法にはいろいろありますが、代表的なものとして「付箋紙」⁠ノート」⁠手帳」⁠カレンダー」⁠予定表」⁠ToDoリスト」⁠クリアーファイル」などがあります。もちろん、電子手帳やPDA、オンラインのカレンダー、ToDoツールなどを使ってもかまいません。

できるだけ、普段使い慣れているものに整理することが大事です。特に「次にとるべきリスト」は、いつでも確認できる場所に整理しておくのがポイントです。

普段使っているツールに整理する
普段使っているツールに整理する

レビュー

GTDで最も重要な習慣は、レビューです。レビューをやらなければGTDの本当の価値を体感できないといっても過言ではないでしょう。

「やるべきこと」は日々増えていき、次にとるべきアクションも日々変化しているはずです。これに対応するには、定期的なレビューが必要です。

レビューでは、整理されたそれぞれのリストに対して見直しを行うようにしましょう。

筆者の場合、1週間に1回レビューを行うように心がけています。レビューでは下記のポイントで見直しを行っています。

(1)やるべきことリスト

やるべきことは増えていませんか?

増えたら書き出しましょう。

(2)いつかやるリスト

まだ、やらなくても大丈夫ですか?

いつかやるものばかりが、増えていませんか?

期日を決めることはできませんか?

(3)プロジェクトリスト

具体的なアクションに落とし込んでみましょう。

(4)連絡待ちリスト

連絡はありませんか?なければ、こちらから確認してみましょう。

(5)カレンダー

スケジュールに変更はありませんか?

予定に無理はありませんか?

(6)次の行動リスト

いつまでも片付かないものはありませんか?できない理由を考えましょう。

レビューは、ついつい忘れがちになってしまいますので、あらかじめレビューする時間を予定に入れておくと良いでしょう。レビューを行うことで、仕事全体の段取りを考えることができ、結果的に生産性があがることになるので、続けるようにしてください。

実行

次の行動が明確になっているので、後はアクションを実行して仕事を片付けていくのみです。

実行のステップで注意しなければいけないことは、仕事は「優先順位」「時間」を決めてやることです。常に自分のおかれている状況を考えながら最も効率よい方法を考えて仕事を進めるようにしましょう。

筆者の場合、今日やるべき仕事は優先順位を決めて紙に書き出します。そして、1つ1つ完了する毎にその項目を消すようにしています。これで、どこまで進んだかが明確になるのと同時に少しだけ達成感を味わうことができるのです。


ここまでで、GTDの進め方の基本的な部分をご紹介してきました。

いかがでしたでしょうか?文章で読むと少し難しいように感じるかもしれませんが、実際には、そんなに難しいフローでは無いので自然と身体が覚えていくと思います。

次回は、そうは言ってもなかなか続かない方やどうしてもうまくいかない方のために、ポイントとコツを筆者の体験談を交えながらご紹介していきます。

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