GTDの挫折を経験
前回までの連載でGTDについてご紹介してきましたが、実を言うと筆者は、GTDを挫折してしまった身分なのです。
GTDを始めた時には、かなりの衝撃を受けました。「やるべき仕事」をこなすためのノウハウをGTDで学ぶことができました。
最初は、夢中でGTDを実践していました。しかし、最初の1ヶ月はきっちりとやっていたのですが、2ヶ月目には気が緩み、3ヶ月目には実践の手が止まって、とうとう挫折してしまいました。
「なぜ、挫折してしまったのか?」を考え、筆者は次の答えを出しました。
- (1) やるべき仕事を出し続けるのが大変
- 「やるべき仕事」や「気になっていること」を机の上で思い出そうとしても、なかなか思い出せない。忘れていることが多い。
- (2) レビューを忘れてしまった
- レビューの時間を予定に入れていても急な割り込みなどで、忘れてしまうことがあった。
- (3) ストレスフリーにならない
- 「やるべき仕事」の処理に時間がかかり、楽しくなくなってきた。
魅力的な手法なので続けたかったのですが、筆者が望んでいたほどの効果を得ることができず挫折の道を進んでしまったのです。
ゲーム感覚でできるGTD
GTDを挫折してから1ヶ月間、自分なりにアレンジできないかを考えていた時、カードゲームをしている子供達に出会いました。子供達は、ゲームを攻略しながら楽しそうにしているのです。このぐらい楽しそうにGTDができれば続けられるはずと思いました。
そこで、ゲーム感覚でできる「誰でも簡単に始められて、続けることができるGTD」を作りました。
筆者が考えたオリジナルのGTDでは、カードゲームのようにタスク(やるべき仕事)をカードとして扱います。カードの紙にはRHODIA(ロディア)(※1)を使うことにしています。
この手法の名前を、「GTD+R」(GTDプラスアール)と呼びます。
GTD+Rは、今までGTDをやっていたが続かなかった方や、GTDをこれから始めようといった方に最適な手法です。
今回は、GTD+Rの特徴をご紹介したいと思います。
いつでも、どこでも書き出す
「やるべき仕事」や「気になっていること」は思い出すのではなく、気づいた時に書き留めるようにすることが大事です。後で思い出そうとすると、それが逆にストレスになってしまいます。
そこで、筆者は書きとめる場所として必要な要件を洗い出しました。
- いつでも書き込めること
- どこでも書き込めること
- すばやく書き込めること
- タスクを移動させることができること
- タスクの並び替えができること
- タスクがどれだけ溜まっているか見えること
これらの条件をクリアできるアイテムとして、ロディアNo11のブロックメモを採用しました。ロディアのメモ用紙は、ミシン目が入っていて1枚1枚切り離せるようになっています。
切り離すことができて、携帯性に優れていることがGTDの「やるべき仕事」や「気になっていること」を書き出す場所として必要なのです。
レビューできるフィールド(場)
GTDでは、レビューが重要視されます。定期的に仕事の見直しをしなければいけません。
そして、見直す時にはフローチャートに従って処理しなければいけません。
このレビューすることが、頭では分かっていても、きっちりと判断して続けるにはハードルが高いところだと思います。
そこでGTD+Rでは、カードゲームのようにカードを置く場(フィールド)を提供することにしました。このフィールドには、処理して振り分けるための図が含まれています。
視覚的に理解できるようにしていることで、レビューや処理にかかるストレスを最小限に抑えることができます。
GTD+Rは、紙(ロディアとA4用紙)と鉛筆(筆記具)さえあれば、誰でもどこでも始めることができます。考え方もシンプルですので、これからGTDをやってみようと思われている方や、GTDがうまくいかない方は、試していただけると自分にあった仕事の進め方を見つけるヒントになると思います。
次回は、GTD+Rに必要なアイテムの準備方法についてご紹介していきます。