GTDでお仕事カイゼン!

第8回誰でも始められるGTD+R(3) ゲームの進め方

GTD+Rはカードゲームのように楽しくGTDを進めていきます。

ゲームのプレイヤーは、自分だけです。そして、ゲームのクリア条件は、タスクを消化することです。

ゲームを始める前に、⁠スタートアップ」を行いましょう。スタートアップでは、GTDの収集フェーズと同様に「やるべきこと」を書き出します。

「スタートアップ」が完了すれば、ゲーム開始です。ゲームは、⁠戦略フェーズ」「戦闘フェーズ」の2つのフェーズに分けて進めていきます。

GTD+Rゲームの流れ

GTD+Rゲームの流れ

タスクの洗い出し「スタートアップ」

「やるべきこと」⁠気になっていること」をタスクシート(ロディア)に書き出していきます。このタスクの洗い出しはGTDの収集フェーズと同じです。

しかし、GTD+Rの場合は、1つのタスクを1枚のロディアの紙に書き出していくという所が異なります。書き出す際には、1枚書き出す毎に紙を切り取らないのがコツです。後でまとめて切り取る方が効率的なので、書き出す事に集中してください。

タスクの洗い出し

タスクの洗い出し

そして、書き出していくと分かってくるのが、ロディアはGTDの収集に適している紙だということです。その秘密は、ロディアの5ミリ方眼にあると筆者は考えています。ロディアの5ミリ方眼を眺めていると、今まで思い出せなかった「気になっていること」が書き出せるようなってくると思います。

それでも書き出せないと感じたら、収集のためのヒントを参考にしてみてください。

洗い出したタスクの中には、定期的に行うものが混ざっているかもしれません。例えば「花に水をあげる」⁠毎週水曜日はゴミを出す」などです。これらは、繰り返して行うタスクなので、他のタスクと区別できるように赤字でタスクシートに記入するようにしてください。このタスクのことを「プラクティスタスク」と呼びます。

タスクシート(右がプラクティスタスク)

タスクシート(右がプラクティスタスク)

戦略フェーズ

戦略フェーズは、仕事の前に毎朝行うものです。戦略フェーズの所要時間は、10分~30分を目安に行ってください。

(1)準備

椅子に腰を掛けて、ゲームの準備をします。
フィールドを机の上(自分の前)に置き、ポケットを並べます。
⁠よし!やるぞ!」と声に出して言います(このことを、アファメーション[1]とよびます⁠⁠。1回深呼吸を行い、リラックスしましょう。

準備

準備
(2)山を作る

初めてゲームを開始した際には、ポケットにはタスクシートが入っていませんので、⁠スタートアップ」で書き出したタスクシートをフィールド中央の緑色の領域に重ねて置きます。これがタスクシートの山です。

2回目以降は、INBOXとWEEKのポケットの中からタスクシートを取り出し、フィールドの山に置くようにします。

山を作る

山を作る
(3)タグ付けをする

山の中にあるタスクシートにタグ付けを行います。
タグ付けとは、具体的な次の行動を書き込む作業のことです。

例えば、⁠最安値を調べる」⁠目次を考える」⁠ネットで調査する」などの動詞を書き込みます。

なぜ、タグ付けを行うかというと、洗い出したタスクシートに具体的な行動が書かれていない場合が多いからです。

「冷蔵庫を買う」というタスクシートがあった場合、何も調べずに購入することはしないと思います。⁠家電量販店で下調べをする」⁠ネットで最安値を調べる」⁠家族と相談する」などがあるはずです。この具体的な次の行動を書き込んでおけば、何をすればよいかが一目瞭然の状態になり、迷いが無くなるはずです。

タグ付け

タグ付け
(4)振り分ける

山の中にあるタスクシートをフィールド上の各エリアに振り分けします。振り分けは、下記のルールで行います。

TODAYエリア今日やるタスクを配置する
WEEKエリア今週やるタスクを配置する
MONTHエリア今月やるタスクを配置する
SOMEDAYエリアいつかやるタスクを配置する
HOLDエリア他の人に依頼するタスク又は依頼中のタスクを配置する

この時に、今すぐできる(2分以内で片付くもの)タスクは、山に残したままにしておきます。

そして、タスクシートの中には、タスク(作業)ではなく、記録として残しておくためだけのメモが混じっている場合があります。そのようなシートは、フィールドの場外に出しておきます。

振り分ける

振り分ける
(5)ポケットに入れる

フィールドの各エリアに振り分けされたタスクシートをポケットに収納します。優先順位を意識して並べ替えながらポケットに入れるのがコツです。こうしておくと、後でポケットの中からタスクシートを探す時に素早く行えるようになります。

ポケットに収納

ポケットに収納

フィールドの場外に出しているタスクシートは、無地のポケットに入れて分類して保管します。もちろん、不要な場合は捨ててください。

(6)山を片付ける

この時点で、フィールド上の山には「今すぐできるタスクシート」のみが残っているはずです。

早速、このタスクを処理して片付けていきましょう。

片付いたらタスクシートを捨て、山の中が空っぽになっていれば「戦略フェーズ」が完了です。

戦闘フェーズ

戦闘フェーズは、日中(仕事中)にタスクを処理していくフェーズです。

日中は、TODAYポケットのみを持ち歩くようにします。先ほどの戦略フェーズで振り分けを行っているので、⁠今日やるタスク」のシートがTODAYポケットに収納されているはずです。この「今日やるタスク」を全て片付けて、TODAYポケットの中を空っぽにした時点でゲームクリアです。

(1)タスクを片付ける

TODAYポケットの中のタスクシートを取り出して、タスクを処理します。

そのタスクが片付いた時点で、タスクシートを捨てます。但し、プラクティスタスクの場合(赤字で書かれたタスクシート)は、捨てずにINBOX側のポケット収納しておきます。

(2)タスクを増やす

タスクというのは、仕事をしているうちに増えていくものです。新しいタスクが増えた場合には、その都度タスクシートとしてロディアに記入します。記入したタスクシートは、INBOXに収納しておいてください。

GTD+Rでは、増えるタスクをうまくキャッチすることを重要視しています。後から思い出すよりも、新しいタスクが増えた時点で書き出しておけば、忘れることもいのでストレス軽減にもつながります。

(3)依頼中のタスクを処理する

HOLDポケットの中にあるタスクシートは、他の人に依頼しているタスクです。

依頼先から応答があった場合は、そのタスクシートを取り出し、次のアクションを新しいタスクシートに記入してINBOXに入れます。

これで、1日の終わりになるとTODAYポケットが空っぽになっていると思います。仕事が全て片付いたということです。これで、ゲームは無事にクリアしたことになります。

お疲れ様でした。

レビュー

通常の戦略フェーズでは、TODAYポケット、WEEKポケット、HOLDポケットからの出し入れしかしません。MONTHポケットとSOMEDAYポケットにはタスクシートが入ったままになっています。これらの「あとでやろうと思っていたタスク」を見直すのがレビューです。

(1)週次レビュー

毎週1回、月曜日の戦略フェーズでは、MONTHポケットの中にあるタスクシートも山に戻すようにします。

今月やろうと思っていたタスクをレビューして、もう一度振り分けしなおすのです。

(2)月次レビュー

今度は、毎月1回、月初めの戦略フェーズでSOMEDAYポケットの中にあるタスクシートも山に戻すようにします。

これで、いつかやろうと思っていたタスクも見直すことができます。

これが、GTD+Rのゲームの流れです。

少し文章で説明するとややこしいように感じますが、簡単なルールですので、1ターン(1日)実践してみると理解できるはずです。

GTD+Rでは、本家のGTDのルールを多少変えています。これは、日常の仕事の中でGTDを取り入れやすくするための工夫が施されているからからです。

楽しみながら仕事が攻略できるのがGTD+Rの魅力です。

次回は、GTD+Rを自分流にアレンジする方法やポイントをご紹介します。

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