いつでもどこでもマストドンのタイムラインを楽しみたいならば、インストールしたいのがスマートフォン用のマストドン・クライアントアプリです。
前回、自分の属するインスタンスを探そうという話をしましたが、いまでは多くのアプリがインスタンス切り替えに対応しており、居場所を転々としながら話題をウォッチすることが可能になっています。
今回は、そんな代表的なiOSとAndroidのアプリについてまとめました。自分の好みと利用スタイルにあわせて、選んでみてください。
Pawoo
日本のマストドンブームにまっさきに乗り込んできたピクシブのインスタンス名と同名のアプリPawoo(パウ―)です。Android版とiOS版が同時に開発されていて、ペースの速い更新で次々と新機能を盛り込んでいます。
Pawooの最大の特徴は、Pawooインスタンスにログインしている場合に表示される独自実装のメディアタイムラインです。これは絵描きが多いインスタンスならではの発想で、画像つきのトゥートが多数流れてきますのでインスタンスの雰囲気を満喫できます。
また、トゥートに返信する際に画像も含めて返信対象のトゥートが表示されるようになっているのも、細かい点ではありますが使い勝手を良くしています。
Pawooアプリは、デフォルトでPawooアカウントでのログインが求められますが、「他のインスタンスに参加」を選択することで任意のインスタンスにログインすることができます。
friends.nico
ドワンゴの同名のインスタンスのために作られたアプリがfriends.nicoです。現時点ではiOS版のみです。他のアプリ同様、複数インスタンスへのログインに対応していますが、ログイン時の流れがほぼ1ステップでわかりやすくなっています。
使い勝手はPawoo同様に軽快であるものの、現在表示しているインスタンスが画面上からわかりません。近日中に修正されるものと期待しています。
Mustor(旧Mastodon-iOS)
iOS上で最速で複数インスタンスに対応したのがこちらのMustor(旧Mastodon-iOS)でした。それもあって、インスタンスの切り替えを画面上部から行えるなど工夫がされています。
Mustorや次のAmaroqにあって、他のアプリで今後対応してほしい小さな機能として、トゥートのテキストをコピーするというものがあります。これは他の人のトゥートの一部を引用したい時に便利です。
また、Mustorと次のAmaroqではトゥートを長押しすると返信を含んだトゥートのスレッドがポップアップするようになっており、会話をウォッチしたい際に便利です。このあたりは日本のアプリでも今後取り入れてほしい挙動ですね。
Amaroq
マストドンブームが起こった際に、すでにiOSで提供されていたアプリがAmaroqです。その後のアップデートで複数インスタンスに対応し、世界的に多くのユーザーがいます。
Amaroqにも他のアプリで今後取り入れてほしい小さな機能があって、それはGoogle translateを経由したトゥートの翻訳機能です。日本語のトゥートが大量に流れた際にそれを排除しようと提案した人もいましたが、こうして読めるようにしようと活動している開発者もいて、ありがたいことだと思います。
ところでAmaroqにはアプリ設定のなかに「ウォーン・モード」というジョーク機能があって、これはトゥートボタンが「Awoo」(遠吠え)に変わるというものです。「罰金が課せられます」と書いてありますが、もちろん冗談です。
インスタンス切り替えを比較
現時点では、どれも似たようなところがあるマストドン・アプリですが、複数のインスタンスを渡り歩いて楽しむ人にとって気になるのはインスタンス切り替えの手軽さです。
比較してみると、Pawooは左上のメニューアイコンからインスタンスの一覧が引き出されます。
friends.nicoはプロフィールから、右上のアイコンをタップするとインスタンス一覧が表示されるという順序ですが、プロフィールアイコンを長押しすることでも一覧を表示できます。2ステップになるため、すこし煩雑です。
Mustorは画面上部に切り替えのためのUIが存在しますが、上部のボタンをタップすると下からメニューが表示されるため、ちょっとちぐはぐな印象を受けます。
Amaroqは、friends.nicoと同じように、メニューからインスタンス一覧を探しにいく必要があります。
このうち本稿執筆時点において、画面上でいま表示しているインスタンスがわかるのはPawooとMustorのみで、他のアプリには今後改善してほしい点となっています。
今後、左右フリックでインスタンスを切り替えることができるような、異なるインターフェースのアプリも登場するのを待ちたいところです。
ブラウザでも大丈夫
複数のインスタンスを渡り歩いている人は、アプリよりもスマートフォンのブラウザのタブを利用する手もあります。
SafariやChromeのようなブラウザアプリは、パソコンとブックマークを共有できます。そこで、インスタンスの一覧をパソコン上で管理し、それをスマートフォンに同期させて利用するわけです。
流速が速いインスタンスでは次第に重くなる可能性もありますが、小規模のインスタンスを閲覧するにはタブブラウザでも十分なのです。
今後つぎつぎと登場するマストドン・アプリ
現時点で代表的な4つのマストドン・アプリを紹介しましたが、いまのところPawooを除いてiOSでの開発が多いのが現状です。
Androidでは他のアプリ、たとえばTuskyといった選択肢もあります。しかし、Pawooの完成度は高く、更新スピードも速いため、AndriodではまずはPawooを使うのがよい選択となりそうです。
iOSユーザーは、好み次第でPawooと、欧米のアプリを使い分けるといったことができます。私はふだん欧米圏のインスタンスはAmaroqで閲覧し、日本のインスタンスはすべてPawooにいれて巡回するという使い方にしています。
とはいえ、まだまだマストドンアプリの選択肢はそれほど多くなく、インターフェースもツイッターの文化を色濃く反映しているものとなっています。複数インスタンスや、リモートフォローといったマストドンならではの思考をどのようにアプリに反映していくか、今後の課題といえるかもしれません。