第6回 は予定を変更し、バッテリーに関するハックを紹介しました。
今回は、ケータイで最も使われる機能の一つ、『 メール』に関する便利な使いこなしを紹介します。
ケータイの強みを活かし、弱みをカバーする
ケータイのメールは、受信の即時性、絵文字・デコメールなどによるコミュニケーションの要素、複雑な設定が不要などのメリットがあり、友人・知人との連絡用のメールアドレスとしての利用が一般的です。
反面、ケータイのメールはキャリアの変更によりメールアドレスを変更する必要がある、PCから送られたドキュメントなどが受信できないなどのデメリットがあります。
ケータイメール、PCメールのメリットを活かしつつ、それぞれのデメリットを解消する方法の前提として、先ずはお互いのメリット・デメリットを整理します。
ケータイメールとPCメールの比較
項目 ケータイ PC
連絡の即時性 高い プッシュ配信で即時受信が可能。 低い
セキュリティ 高い(メール表示しただけで自動的にWebに接続などは不可) 低い(メール表示しただけで感染するウィルスなどがある)
メール情報へのアクセス 携帯電話のみでどこでも可能 PCの前が前提
設定の複雑さ 簡単 特に設定なしで利用可能。 複雑 ID・パスワードの入力やメールサーバの指定が必要。
ランニングコスト 高い データ量に応じて課金される。(各社の定額プラン対応) 低い メールの利用により追加でコストが発生する事は少ない。
アドレス変更の自由度 低い ケータイキャリアの変更によって、メールアドレスも変更が必要 高い 基本的にはユーザの意思によって継続利用が可能。 一部ISPが提供するサービスもISP解約後もメールサービスのみ利用可能
データの保存性 低い 端末内へのデータ保存が基本のため。 高い Web,メールソフトなど様々な環境にデータバックアップが可能。
メールの検索性 低い 多くの機種はメールの検索機能に非対応。 高い メール内の情報を検索することが可能。
その他 デコメール・絵文字などの拡張が可能。 大容量データの受信は不可。
目的別に4つのメールアカウントを使い分ける
筆者は、ケータイメール・POメールのメリットを活かしつつ、デメリットを解消する方法として、4つメールアカウントを目的別に分けて運用しており、それぞれの具体的な利用目的と運用方法について紹介致します。
1.プライベート連絡用メールアドレス
目的
PC&ケータイで共通のメールアドレスを利用する
ケータイキャリアの変更とメールアドレスを変更を切り離す
PCでもケータイの絵文字を閲覧する
運用のポイント
PCに届いたメールをケータイで受信する
ケータイからPCのメールアドレスで返信する
プライベートの連絡用のメールアドレスには、保存できるメールの容量が大きく、迷惑メールにも強い、Gmail を利用しており、届いたメールをケータイに転送設定することで、メールの送信者にケータイ or PCを意識させることなく、受信者である自分もタイムリーにチェックする事が可能になるため、『 PCのメールに送ったけど、メール見てないの?』と言われるような事態を防ぐ事が可能です。
ケータイからのメール返信については、PCのメールアカウントを利用してメールを送る機能がついているスマートフォンや専用アプリ(WILLCOMは標準搭載)さえあれば、メールの返信が可能となりますので、ケータイのキャリア変更と、プライベートのメールアドレスを切り離す事が可能です。
また、汎用のメールクライアントでなく、Gmail専用のメールクライアント(Java版Gmailアプリ など)を利用する事で、受信したメールだけでなくケータイから送信したメールをPCから参照したり、その逆を行う事も可能ですので、メール情報をサーバ上で一元管理することで、飲み会の連絡などに起こりがちな、『 あの人に連絡したっけ?』を確実にデータとして記録することが出来ます。
Gmailは2008年からケータイの絵文字に対応しているため、Web版のGmailを利用して受信したメールの絵文字をPCからも表示可能です。プライベートのメールもPCと共通化したいけど、絵文字が見られないのが難点。という方にもオススメできます。
2.ケータイメールアドレス
目的
メール送受信にかかるコストを削減する
PCメールを受信しない知人との連絡用
ケータイからデコメールなどを送信する
運用のポイント
メールの送受信が無料または割引される条件をしっかりと確認する
基本的にはプライベートのメールアドレスもGmailに一本化しているため、利用する機会は多くありませんが、docomoのファミ割MAX50に加入しているため、同一のファミリー内でのメールの送受信のパケット送受信料が無料になるなど、経済的なメリットが享受できる相手や、ケータイのメールフィルタリングでPC経由を全て弾いている知り合いとの連絡にのみ利用しています。
普段はPCのメールが中心のため、あまりケータイでメールしない。という方も、デコメールの作成が簡単なため、誕生日などはデコメールでお祝いメールを送る。という気遣いも喜ばれるかもしれません。
3.メールマガジン・Webサービス登録用メールアドレス
目的
メールマガジン・Webサービス登録用に継続性が高いメールアドレスの入手
運用のポイント
メールアドレスの漏洩に備えて、プライベートのメールアドレスとは別個にする
各種のWebサイトで登録しているメールアドレスが万が一、流出するような事故があった場合でも、プライベートのメールアドレスと切り分ける事で、友人・知人に手間をかけることが無いように、メールマガジンやWebサービスの登録用のメールアドレスを運用しています。
このメールアドレスは多くのサービスで共通のものを利用しているため、メールサービスの停止などによって利用が出来なくなると、再登録に大きな手間がかかります。インターネットの無料サービスは突然サービスを終了してしまうことも珍しくないため、『 サービスが継続的に提供される』事を重要視し、年間で2,000円程度の有料サービスを契約しています。
4.仕事用メールアドレス
目的
メールの送受信、転送、返信などの各種操作を素早く行う
運用のポイント
専用のメールクライアントを利用する
重要なメールデータは定期的なバックアップを怠らない
仕事で利用するメールアドレスです。外出先からでも閲覧・返信が出来るように設定していますが、携帯電話などへのメールの転送は行っていません。( 主に精神衛生上の問題から)
仕事用のメールは、仕掛中の仕事に関する情報を検索したり、必要に応じて関係者に転送したり、PCからファイルを添付したり、様々な動作を素早くこなす必要があり、そのためには、Webベースのメールクライアントでは物足りないと感じているためメールクライアントにはBecky! を利用しています。
専用のメールクライアントを使う事で、メール作成・検索など各種の操作は素早く行う事が可能ですが、怖いのはHDのクラッシュやPCのトラブル発生時のリスクです。これを回避するために、メールデータを一定期間Webサーバに残す設定にすると共に、自動的に別の社内サーバへのバックアップを行っています。
後編では、Gmail、Yahoo!メールなど代表的なメールサービスをケータイから便利に利用する方法を紹介予定です。