念願叶って
皆さんもご存知かと思いますが、スマートフォンでiモードのメールアドレスが使えるSPモードが開始になりました。HT-03Aが発売されたころ、日本で発売するのであれば、iモードメールへの対応して欲しいと書きましたが、念願叶い、ようやく現実されました。これで、大多数のドコモユーザがスマートフォンへ乗り替えると言った話にならないと思いますが、何時も使っているiモードメールが使えず、スマートフォンへの乗り換えを躊躇したユーザもいるはずなので、普及のスピードに弾みが付くのは間違いありません。
iモードメールの次は、iモードコンテンツ、さらに、おサイフ機能でしょうか。
リッチなコンテンツが扱えるスマートフォンで、iモードコンテンツが必要なのか再考の余地はありますが、これまでの資産を捨てずに乗り替えできるのは、メリットになるはずです。また、iモードコンテンツは、ブラウザさえその気になれば対応できそうなので、実現は早いように思います。
ケータイは日用品化しているので、ユーザに我慢や割り切りを求めるようでは普及は望めません。Android端末は、未整備な部分が残っていますが、日本のケータイ文化を取り込み、ユーザに負担を求めることなく乗り換えられる下地が着々とできあがっています。
ようやく始まったSPモード。スマートフォン普及への決定打になるか?
さて、今回も大躍進するAndroidの陰で、苦悩し努力する開発者の様子をお伝えします。
さまざまな画面サイズは悩みの種
Android端末は、多数のメーカから端末がリリースされており、さまざまな端末が存在します。画面サイズ1つ取ってもさまざまで、本連載で取り上げた、Sony Ericsson Xperia X10 mini proは、2.55インチ、320×240のQVGAです。これと対象的な端末が、今秋ドコモから販売される予定のSamsung Galaxy Sで、4インチ、800×480のWVGAとなっており、同じAndroid端末でも画面サイズは1.5倍、画面解像度は、2倍以上のサイズ差があります。
これだけ差があると、アプリの開発者は、慎重にユーザインターフェースのデザインする必要があります。あたりまえの話ですが、2.55インチと4インチの画面サイズでは表示面積が異なるので、レイアウトするパーツの数や大きさなどを慎重に検討する必要があります。たとえば、4インチの画面サイズで、上手く機能したインターフェースが、2.55インチの画面サイズでは、パーツが小さくて使いづらかったり、配置されたパーツの間隔が狭くて使いづらいなどのケースが考えられます。文字サイズも同様で、4インチの画面サイズでは確認できた文字が、2.55インチでは小さくて見づらいと言ったケースも考えられます。さらに、本体の向きに応じて回転する画面やトラックボールやキーボードなどの入力装置が、ユーザインターフェースのデザインをより難しくしています。
複数の要素を考慮して、ユーザインターフェースデザインを上手くまとめ上げるのは、腕の見せ所ではありますが、さまざまな端末バリエーションが存在していることや、それぞれの端末特性を知っている必要があり、Androidの開発経験が少ない開発者にとっては悩みの種になります。
独自のテーマも悩みの種
Xperia X10のように、独自のテーマが適用されている機種も存在しています。
これがまた曲者で、プリインストールされているアプリだけを使っているのであれば、統一されたデザインは、見た目も良く気持ち良く使うことができますが、Android Marketからアプリをダウンロードしたアプリをインストールすると話が変わります。
Xperia X10は、青を基調の配色になっていますが、ここに、黒や赤を基調としたアプリが入ると、Xperia X10が持つ雰囲気を崩してしまうことになります。
機能的に問題があるワケではないのですが、自身のアプリが端末を雰囲気を崩してしまうのは、悩ましいと感じる開発者も居るはずで、必要であれば、あたりさわりのない配色にするために、アプリの見直しを行うことも考えられます。すべてが同じ見た目になった方が良いとは思いませんが、Android標準のテーマが選択できるようになっていれば、こうした問題に頭を悩ませることがないはずです。
他にも悩みの種が…
取り上げたこと以外でもCPUの処理速度に差や描画性能の差など、PCでも通ってきた道のりのですが、Androidでも同じような道を歩く必要がありそうです。Androidタブレットなどが数多く登場してこれば、さらに顕著になるはずです。
企業でアプリを開発する場合は、さまざまな課題や問題は、時間と資金をかけて解決することもできますが、サンデープログラマーには限界があります。前回 も書きましたが、良いコミュニティには、良質なアプリが登場します。ご紹介したような部分で上手く動作していないアプリを発見したら、ぜひとも開発者に連絡して状況を教えてあげてください。開発者は、必ず良いアプリに改良して、再提供するはずですから。