株式会社ミクシィが2012年9月にリリースしたAndroid開発者向けサービス「DeployGate」。その後、順調にサービスが拡大し、本日無料プランおよび新機能の提供を発表した。
DeployGateとは
DeployGateは、ミクシィが新規事業の第1弾としてスタートしたサービスで、同社が培ってきた技術資産を開発者に向けて提供するというもの。アプリ配布やログ取得、オンラインでの共有など、Androidアプリ開発時に必要な機能が盛り込まれている。
主な特徴として、
- すべてがリアルタイムで動作
- オンラインでの接続。USBケーブルは不要
- 開発現場のコラボレーションにフォーカス
- シンプルで簡単に使えて高機能
といった点が挙げられる。
2012年9月10日にリリースした当時は、Lite(月額500円)プランをはじめすべて有償での提供で半年間着実にユーザを増やしながら、2013年2月現在、多くのWebサービス企業が採用している。
無料プランの開始
このように着実にユーザ数が増えたことにより、DeployGateとして次のステップに進むことになった。その1つが無料プランの提供である。
この点について、同社ソフトウェアエンジニアの井上恭輔氏は「これまで多くのサービスでフリーミアムモデルを採用しているケースを見ましたが、うまくいく場合より失敗する場合が多かったように思っています。とくに、日本国内の場合、無料で使っても有料になると使われなくなるケースを見てきました。ですから、サービスとして本当にニーズがあるのかどうか、それを確認する意味でもまずは有償プランからスタートしたのです。その後、おかげさまで多数の開発者の方に利用され、支援していただくことができ、改めて今回の無料プラン提供に至ったのです。
ちなみに、DeployGateの利用言語は英語が76%、日本語は24%と国内市場だけではなく、世界での利用が多くなっている結果が出ています。世界の開発市場に受け入れられているというのは大変嬉しいことですね」と述べている。
新機能「配布ページ作成機能」
プランに加えて、新機能も実装された。それが「配布ページ作成機能」である。これは、DeployGateを通じてアプリを配布する際、受け手側にダウンロード専用ページを提供するというもの。
DeployGateでアプリを配布する際、上図のように、Android画面で見やすいレイアウトが施されたページをワンクリックで作成されるようになった。このように、アプリのインストール手順およびインストール先のQRコードが用意されているため、Android操作に不慣れたユーザにも優しい工夫がなされている。
開発者側の管理ページも刷新され、アプリごとの管理ページの用意ができる他、日本語/英語両言語のページが作成できる。
なお、配布ページでは1ページにつき、最大3万ユーザに向けたアプリの配布ができる。
料金体系は下表のとおり。
| Free | Lite | Pro | Biz |
アプリ数 | 4 | 10 | 50 | 100 |
共同開発者 | 2 | 5 | 25 | 100 |
バージョン履歴 | 5 | 15 | 100 | 1000 |
配布ページ | 1 | 2 | 5 | 10 |
配布端末数 | 20 | 100 | 3,000 | 30,000 |
月額料金(税込) | 0円 | 525円 | 3,650円 | 9,975円 |
この他、DeployGate Bootcampと呼ばれる、チュートリアルと連動した仕掛けが用意されており、チュートリアルを1つクリアするごとに、それぞれの制限の枠が増えるといった、ゲーム要素が用意されているのも特徴の1つだ。
開発用途以外にもマーケティング施策や販売戦略にも活用可能
今回、担当の二人に伺ったところ「すべてのアプリ開発者の不幸を背負う」というのがDeployGateの使命であるとのこと。まさに、このサービスを使うことで、これまで開発者にとって悩みとなっていたことの多くが解消できるだろう。
また、取材時に確認したところ、プランの範囲内であれば開発用途以外にも利用できるとのこと。たとえば、イベントと連動させて参加者限定・イベント時間内限定でのアプリ配布や、あらかじめ配布数を設定したアプリの販売といったことが行えるなど、これまでのAndroidマーケットの枠を越えた展開も期待できる。
請求書払いや日本語サポートが用意されているだけではなく、ISO27001取得済みデータセンターの利用など、日本企業のネックになるポイントも配慮され対応されているところも嬉しいところだ。
今後、DeployGateが支える、たくさんの新しいAndroidアプリの誕生に期待したい。