3日目午前のOracle OpenWorldキーノートには、前日のJavaOneキーノートに引き続き、Oracle Executive Vice President, Thomas Kurian氏が登壇した。今回は、今年のOOWのテーマでもある「クラウド」について改めて語った。
クラウドとは何か?
Kurian氏は登壇早々、現在のOracleを象徴するものとして「Complete.」「Open.」「Integrated」「Best in Class.」という4つの言葉を取り上げた。
さらに、Gartner Groupが2010年3月26日発表したクラウドコンピューティングの定義を引用したうえで、「クラウドとは何か」というテーマについて語り始めた。
Oracleが考えるクラウドには
- Software Delivered as a Service(ソフトウェアをサービスとして提供する)
- Modern Data Center Architecture(モダンなデータセンターアーキテクチャ)
の2つのコンセプトが基盤となっている。この2つのコンセプトは今回のOOWでも何回も出てきているもので、ハードウェア+ソフトウェアを統合して開発・提供できるオラクルに進化していることを表すものと言えよう。
また、その上で、Kurian氏は
それぞれのレイヤでの仮想化の重要性、それを実現するためのミドルウェアがOracleには存在していることを述べた。
この他、ID管理、アプリケーション開発、ビジネスプロセス設定といった切り口から説明をした後、今後クラウドを活用するときに重要になる項目として「解析とコラボレーション」の2つの要素を取り上げた。これが意味するところは、クラウドやユーザ間のコラボレーションで生まれた情報を解析することが、ビジネスにおける基礎情報の獲得、将来的な成功に繋がるという考え方である。すなわち、クラウドを導入するだけではなく、導入後の運用プロセスまで考えないと、クラウドの真の価値をつかめないということになるだろう。
Oracleとしての独自性
最後に、Oracleのクラウドの独自性として、
- クラウド上における高パフォーマンスの統合システム
- アプリケーションとディスクの統合、ビジネスレベルでの管理
- データ保護およびID管理の統合
- ビジネスユーザによるアプリケーションおよびビジネスプロセス設定管理
- Web上における全ユーザ動向情報の解析
の5点を挙げ、それを実現するものとして19日に発表されたExalogic Elastic CloudやExadata、各種ミドルウェアを紐付け、改めて「クラウド企業としてのOracle」を印象づける内容となった。
新たにクラウドに関する部署を設立
最後に、グローバルとして初となるクラウド専門部署の設立、その責任者であるCloud Services Senior Vice President, Joanne Olsen氏が紹介された。
EXHIBITION HALL
さて、これまでのレポートではキーノートを中心にお届けしてきたが、ここでキーノート以外にOOWを彩るプログラムとして、EXHIBITION HALLを紹介しよう。
EXHIBITION HALLには、主催のOracle他、各種スポンサー、関係企業による展示ブースが所狭しと並んでいる。
やはりクラウドに関する製品やデモンストレーションが多く見られたのだが、その他、ビジュアル面を意識して、スポンサードしている企業の自動車など、視覚的に楽しめる展示も数多く見られた。
#ref(): File not found: "photo09.JPG" at page "OpenWorld2010-04"
中には、iPadを使った似顔絵サービスを行うブースもあり、実際に描いてもらう参加者が多く見られた。
このようにEXHIBITION HALLを見るだけでも1日が終わってしまうぐらい、盛りだくさんの内容が展示されていた。次回以降、OOWなどのイベントに参加する方はキーノートやセッション以外にもEXHIBITION HALLの展示にも足を運ぶことをお勧めしたい。