ITの最先端で上手く波をつかむことができず惜しまれつつ終了していったWebサービスにスポットを当て、あえて「なぜ失敗したか?」を問い直すことで大きな話題と共感を巻き起こした「失敗カンファレンス」。8月17日(金)にその第2回「経営編」が開催されました。
オープンなカンファレンス形式で開催された第1回目「サービス編」とは打って変わって、今回は極めてクローズドに、幹事の山崎徳之さん(株式会社ゼロスタート代表取締役社長)が個人的に声をかけた経営者、元経営者、取締役、ベンチャーキャピタルなど、錚々たる40名あまりが、東京・六本木の豚組しゃぶ庵に集まりました。
個別のサービスにフォーカスした前回がマネージャークラスの失敗だったとするなら、今回は経営者でなければなかなか実感も共感も難しい問題、つまり資金調達、取締役会、パートナー、そういった会社の存続に直接影響するシビアな失敗談が、熱く、それでいてざっくばらんに披露されました。
こういった話は経営者だけが出席したクローズドな宴席だったからこそ可能だったわけで、残念ながらすべてのトークが生々しすぎてオフレコとなり、レポート可能な内容は皆無です。せめて美味しい豚しゃぶとビールの写真をまじえながら、壇上に立たれた勇気ある経営者の方々を紹介していきたいとおもいます。
百人百様、各社が経験した失敗とその後
最初にマイクを握ったのは、アサップネットワーク株式会社の西山圭代表取締役社長。トークの内容をキチンと準備してきた順に発表するというルールに従って、わざわざこの夜のためにプレゼンテーション資料を作成してきた西山さんがトップバッターとして「残存者利益」の理想と現実などを語られましたが、その極秘資料が完全撮影禁止だったため写真が残っておりません。
続いてもプレゼンテーション資料を用意してきた、株式会社Aimingの小林俊仁・東京開発グループゼネラルマネージャが壇上に立ちました。こちらは今年5月に開催された勉強会での発表をもとにしたものでした。
3番目は、ほぼ飛び入りのような形でステージに立たされた、株式会社マイネット・ジャパンの上原仁代表取締役社長。「どこでもドア」構想で知られる氏の人事面での苦労などが語られましたが、あまりの前向きなアピールに会場から「失敗は?」の声がかけられる一幕も。
さらに唯一の女性スピーカーとなった、株式会社ニューズ・ツー・ユーの神原弥奈子代表取締役社長からは、自身のキャッシュフローへの考え方などを交えながら、苦労した点、そのリカバリなどが語られました。
そして、幹事の山崎徳之さん自身が壇上に立ち、ライブドアおよび関連会社の取締役を歴任しライブドア事件後にはライブドア代表取締役も務めたが故に「起業せざるを得なくなった人」ならではのさまざまな失敗談を語りました。
6人目は、株式会社VOYAGE GROUPの宇佐美進典代表取締役CEO。宇佐美さんは2010年まで、かつて親会社であったサイバーエージェントの取締役も務めていましたが、同社の特徴的な取締役交代制度「CA8」にまつわる逸話も交えつつ、新たな航海を始める難しさなどを語りました。
フリートークで、さらにアツい内容が
ここまでで予定されていた6名の登壇者のトークがすべて終わり、引き続き山崎さんの指名や会場のリクエストにより、株式会社gumiの國光宏尚代表取締役社長を皮切りに客席から経営者が次々と壇上に上げられ、経営におけるさまざまな失敗をテーマにフリートークが繰り広げられました。
最後には、前回幹事だった閑歳孝子さん(株式会社ユーザーローカル)が「これほどツイートできない話ばかりをたくさん聞いたのは久しぶりです」と挨拶し、3時間にわたった熱い失敗トークは終演となりました。
トークの中で、「たとえ失敗しようとも、会社を存続させ続けることが重要だ。そうでなければ次の成功もつかめない」と語った方がありましたが、まさに会社を生き残らせよういう強い意志が集ったような、密度の濃い「第2回失敗カンファレンス」でした。