7月26日(土) 、東京、渋谷のサイバーエージェントセミナールームにて、「 HTML5 Japan Cup 2014」の最終審査および各賞の発表、授賞式が行われました。
「HTML5 Japan Cup 2014」( 5jCup)は、HTML5等のWeb技術の交流コミュニティ「html5j」主催によるWebエンジニアやデザイナー向けのコンテスト。4月に告知され 、4月23日~6月26日のわずか2ヵ月あまりの期間中に、最高賞金100万円の最優秀賞をはじめ、協賛企業/団体によるテーマ賞を含めた全部で40を超える賞獲得を目指して、289もの作品が集まりました。
コンテストの最後を飾るこの「HTML5 Japan Cup 2014 The Final」では、協賛社/団体によるテーマ賞の表彰と、最優秀賞候補4作品によるプレゼンテーション、そして投票による最優秀賞決定と表彰が行われました。
テーマ賞表彰式
前半は、決定した協賛企業・後援団体賞の表彰が行われます。最初に壇上で挨拶を行ったのは、5jCupの発起人で、このほど「html5j.org」の管理人を退任されることになった白石俊平氏。最優秀賞の100万円を含め賞金総額350万円、期間中に開催されたハッカソンや協賛社主催イベントなどの関連イベントが40件、その参加人数がのべ1,440名にも上った点など、5jCupがどれだけ盛り上がったかが、数字を挙げながらあらためて紹介されました。
白石俊平氏による「5jCupここがすごかった」解説
続いて、各テーマ賞の発表と表彰が始まりました。次々と表彰者が読み上げられ、壇上で表彰が行われていきます。各テーマ賞の受賞作品と講評は、HTML5 Japan Cup 2014ブログに詳しく掲載されています。
喜びのテーマ賞受賞者(+ご家族)&プレゼンターの皆さん。これでも一部です
優秀賞受賞作の競演
後半は、優秀賞4組によるプレゼンテーションから始まりました。最初のプレゼンは、gihyo.jpでも以前ご執筆いただいた、あんどうやすし氏による「Enraged Fowls」です。HTML5の3Dエンジンを使ったアクションシューティングゲームですが、ユニークなのはスマートフォンにパチンコのようなギミックをつけて(100円ショップで買いそろえたもので作ったそうです) 、実際にパチンコを撃つ動作でプレイできるところ。しかしデモではブラウザがうまく動かずスライドのみでの紹介となりました。
あんどうやすし氏のデモ。賞金100万円が入ったら今回使った技術を紹介する電子書籍出版という野望を語っていました
エントリーNo.2はjThreeの松田氏による「YouTubeそっくりなWebGLプレーヤー」 。一見普通の動画プレーヤーですが、実はすべてWebGL製でカメラアングルを変えたりする動作がインタラクティブに行えるというものです。VRヘッドセット「Oculus Rift」を使ったコントロールも可能です。同社のライブラリを使ったjQueryの記法でプログラムの記述も簡単で、デモ1本あたり4Kバイトで書けるとのこと。何よりデモを行う松田氏の世界を狙う野望とハイテンションな語りが印象的でした。
デモを行う松田氏。こちらのデモもアクション連動がうまく動かずマシンガントークがメインに
3番目はfoka(エフオカ)氏による「コトバツナギ」 。WebRTCの技術を使ってスマートフォンやPCのブラウザから音声入力でしりとりや連想ゲームの言葉遊びをネット越しに行うゲームです。非常におしゃれなUIで、アイコンがふわふわ浮かんだりする演出が凝っています。
foka氏によるデモ。しりとりを始めたところいきなり「ん」で終わってしまいました(笑)
最後は( 株) IMJの西田氏による「JS Racing」 。WebGL、Canvasを使った3Dレーシングゲームです。WebSocketを使って通信することでオンライン対戦が可能で、Node.jsでサーバを作ってスマートフォンからでもPC越しにレースに参加することができます。非常にわかりやすいインターフェースですが、それだけにハマりそうな作品です。
西田氏によるデモの模様。西田氏はFlash系のエンジニアだったそうです。今回の受賞者にはFlash系の開発者がほかにも何組かおられました
投票、そして最優秀賞は?
4組のプレゼンが終わり、いよいよ最優秀賞決定のための投票が行われました。このファイナルイベントの参加者全員が自腹で10円玉を出して投票箱に入れていくという前代未聞? の投票形式です。
ここに10円を入れて投票します。集められた10円はすべて募金されるそうです
開票が行われている間に、急遽設立された「審査員特別賞」の発表と表彰式が行われました。牛乳パックをデザインして投稿するサイトPACPAC(いしかわ 氏) 、Node.jsを使ってオンライン対戦が可能なカルタゲーム、花王カタログカルタ(博報堂アイ・スタジオ) 、enchant.jsを使用し、スマートフォンでタップして遊ぶシンプルなゲームTouchBloomy(アルクリット)の3作品が選ばれています。
「PACPAC」いしかわ 氏(左)とプレゼンターの審査委員、池澤あやかさん
「花王カタログカルタ」博報堂アイ・スタジオの皆さん、右端はプレゼンターの審査委員、藤村厚夫氏
アルクリットのお二人、右端はプレゼンターの審査委員、ダニエル・デイビス氏
特別賞の発表の後、最優秀賞の決定と発表が行われました。発表するのは審査委員長の吉川徹氏です。場を涼しくした“ ニセ発表” の後、いよいよ正式発表です。
ファイナルイベント参加者全員の投票の結果選ばれたのは、エントリーNo.3「コトバツナギ」でした。
最優秀賞発表の瞬間。両手を挙げて応えるfoka氏
発表の後、最優秀賞、そして優秀賞の表彰式が行われました。
巨大な優勝賞金パネルを受け取るfoka氏
優秀賞のあんどう氏(左)とプレゼンターで審査委員長の古川氏
同じく優秀賞の松田氏(左)と、プレゼンターの審査委員、秋葉秀樹氏
優秀賞のIMJ 西田氏(左)と、プレゼンターの審査委員、羽田野太巳氏
受賞者、審査委員全員で集合撮影
最優秀賞、優秀賞、審査員特別賞の受賞作品と講評についても、詳しくはHTML5 Japan Cup 2014ブログをご覧ください。
授賞式が終わり、再び白石氏が壇上で挨拶を行いました。関係者への謝辞を述べた後、5jCupがこれからも続くことを宣言、コミュニティの新たなリーダーには、今回審査委員長を務めた古川徹氏が就任することとなりました。
リーダー交代式
新しいリーダーの元、これからもみんなでコミュニティを盛り上げていこうという呼びかけと共に、イベントはひとまず終了しました。続いて盛大な懇親会が開催され、中ではLT大会なども企画され、大いに盛り上がりました。
「中締め」として参加者全員で記念撮影中
当日の模様を知りたい方は、動画でも公開されています。