Ubuntu Weekly Topics

2008年5月23日号FOSSCampとUbuntu Develper Summit、Launchpadのロゴコンテスト、Flash Player 10のベータ版

FOSSCampが開催されました

5月16日、17日にチェコのプラハでさまざまなオープンソースプロジェクトの開発者が集まるFOSSCampが開催されました。これはCanonical社がスポンサーとなり、Ubuntuだけでなくさまざまなディストリビューション開発者とオープンソースソフトウェアがより良い協力関係を構築できることを目指して開催されています。今回は100名以上の開発者が集まり、Linuxディストリビューション間やGNOMEとKDEの間でどのような協力を行えるかということを話し合ったようです。23megが英語フォーラムに、具体的な報告を提出してくださっていますので、ここでは簡単に要約しておきます。

KDE+GNOMEセッションでは、30人以上のGNOME・KDE・freedesktop.orgの開発者が集まって、プロジェクトの成果の「共有」方法について話し合いました。その中でD-BUSやXESAM用APIの共通化や、テーマやアイコンを含めたデータフォーマットの共通化、ひいてはコードその物の共有化についても議論が交わされました。また、複数のディストリビューション間の協力について考えているLucas Nussbaumは、DebianとUbuntuの間の協力、特にバグレポートに関する作業について解説しました。その後のディストリビューション間の協力に関するセッションでは、パッケージデータベースやバグのステータスを共有できる場所や定期的なミーティングが必要であるという結論に落ち着きました。

Brainstormのセッションでは、UbuntuにおけるBrainstormの位置づけや上流との協力方法、上流独自のBrainstormを作成する方法などが議論されました。Ubuntu QA Portalのセッションでは、その将来について語られ、まずは上流の開発者がUbuntuパッケージに関する情報を簡単に得られるようにすべきという議論が行われました。複数の上流開発者も参加したUpstream Bugセッションでは、上流とLinuxディストリビューションの間のバグ管理について話し合われました。特に、上流開発者も参加したBug Dayの開催、上流について理解がありバグの順位づけができるメンバの増加なども提案されていました。Stable Release UpdateのセッションではUbuntuだけでなくさまざまなディストリビューションにおけるアップデートのポリシーについて話し合われました。Daniel Holbachによって、Ubuntuのパッケージ作成方法のレクチャーが行われています。

さらにUbuntuの開発者であるMichael Vogtは「アプリケーションの追加と削除 (gnome-app-install)」のオンライン版とも言える⁠software.ubuntu.com⁠の計画についても言及しました。これは、apturlを使ったリンクとスクリーンショット、簡単な説明を加えたエンドユーザ向けソフトウェアカタログとも言うべきものです。今のところ具体的なことはまだ何も決まっていないようですが、将来的には他のディストリビューションとも協力した形で実現できれば、より良いものとなるでしょう。

Ubuntu Developer Summitが開催されました

5月19日から23日の間に、チェコのプラハでUbuntu Develper Summit for Intrepidが開催されました。これは次期Ubuntuの開発スケジュールの開始に合わせて半年毎に開催されている会議で、主に次のリリース(今回の場合はIntrepid Ibex)に実装すべき項目や今後の予定などを話し合われます。Ubuntuに関する展示や講演というよりも、普段オンライン上で共同作業を行っている開発者たちが一同に会する出会いの場としての意味合いが強いイベントです。

実際に現地まで行かなくてもVoIPやIRCを使って参加したり、実際の会議の様子をicecastで配信したりといったようなことも行われています(VoIP用のアドレスなどは、スケジュールのページ公開されています⁠⁠。また、会議の内容の一部はYouTubeのUbuntu Developerチャンネルでも公開されていますし、簡単な要約であればWikiの報告ページでも読むことができます。

今回の会議の結果を元に、LaunchpadのBlueprintsのページにさまざまなアイデアや計画が追加され、具体的な作業が始まります。

Launchpadのロゴコンテストの結果

以前もご紹介したLaunchpadのロゴコンテストですが、5月16日に結果が発表されUbuntuメンバであり、Kubuntuの開発者でもあるEugene Tretyakの⁠Diamond⁠が採用されることとなりました採用作品の画像はこちら⁠。採用の理由は、Launchpadで提供される各サービスの色を使い、複数のサービスやそれを利用する人々が協調することで一つのすばらしい宝石を形作るさまが、Launchpadのすべてをうまく表しているから、だそうです。今後数ヶ月かけてこのロゴの細部を修正し、Launchpadのインターフェースの改良を行っていきます。ちなみに、他の応募作品についてはこちらで確認することができます。

なお、ロゴコンテストの結果については、先日エピソード1が配信されたばかりの、LaunchpadチームによるポッドキャストであるLaunchpodでも言及されています。

Flash Player 10のベータ版がリリースされました

5月15日にAdobe Flash Player 10のベータ版が公開されました。3D描画関係の改善、縦書きへの対応に加えて、今回から正式にUbuntuに対応することが公表されています。ただしLinux向けの配布形式は従来どおり、tar.gz版とRPM版のみです。また、64ビット版のリリースは今回もないようです。

もしUbuntu 8.04 LTSでこのベータ版を体験したい場合は、まず既存のFlashをアンインストールする必要があります。詳しいインストール手順については、Tombuntuのこちらのエントリを参考にしてください。また、このベータ版に関する質問や要望はAdobeのFlash Player 10用のフォーラムで行ってください。

Ubuntu Weekly Newsletter #91が発行されました

5月18日に、Ubuntu Weekly Newsletter #91が発行されました。

コミュニティニュース

先週お伝えしたOpenSSL/OpenSSHパッケージの脆弱性の話、Ubuntu創設者であるマーク・シャトルワースによるリリーススケジュールの話、前述のFOSSCampの話などが紹介されています。

その他のニュース

インターネット上でUbuntuに言及する記事として、以下の記事が紹介されています。

  • Ubuntuをはじめとするフリーソフトウェアを紹介するBBC World Newsの動画記事
  • Ubuntuの良いところ・悪いところを指摘するiTWireの記事
  • Ubuntu 8.10 Intrepid Ibexについて簡単に紹介する、MyBroadband.co.zaの記事
  • UbuntuをはじめとするデスクトップLinuxをホームオフィスで使うときに役立つアプリケーション一式を紹介するDesktopLinux.comの記事
  • Ubuntuを始めて使うユーザがまず行うことを紹介するiTWireの記事
  • 通常インストールした場合と、KVM上にインストールした場合のUbuntu 8.04 LTSのベンチマークを比較するPhoronixの記事
  • AdobeがFlash 10のベータ版をリリースしたことを伝えるREG Developerの記事

フォーラムニュース

今週のインタビューは、子供の頃にコモドール64を触ってからさまざまな経験を経て、一年前からUbuntuを使い始め、最近フォーラムのモデレータとなったp_quarlesにインタビューを行っています。また、今週のチュートリアルでは、6.06のリリースからずっと更新を続けている、AMD64に32bit版のFirefoxとFlash/Javaをインストールする方法が紹介されています。

今週のセキュリティアップデート

5月15日から5月20日までに、下記のセキュリティアップデートが行われました。

5月20日

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