去る6月26日にグリー株式会社主催のもと、六本木にて「Ubuntu 16.04 LTSリリース記念オフラインミーティング16.06 」が開催されました。今回はいつもと趣向を変えて、フォトレポートという形でイベントレポートをお届けします。
Ubuntuオフラインミーティングとは
Ubuntu Japanese Teamはグリー株式会社さん主催のもと、半年に一度「オフラインミーティング」を開催しています。
これはUbuntuが半年に一度4月と10月にリリースされるので、それにあわせてリリースパーティやりたいよねというのが、主な目的です。「 パーティ」なので食べ物も出ますしお酒も出ます[1] 。せっかくUbuntuユーザーが 集まるのだからと前でセミナーをやっていたりしますが、別に後ろでセミナーの邪魔にならない程度の酒盛りをしていてもかまいませんし、なんなら手持ちのデバイスを広げて黙々とハッカソンを行っていてもかまいません。そういう「ゆるめ」のイベントです。
[1] 若い人も気軽に参加できるようにと、参加費は無料となるように心がけています。ただUbuntu Japanese Teamはただのボランティア集団です。過去に執筆した記事の原稿料・印税収入の一部やサイトのアフィリエイトなどをやりくりすることで、イベントを成り立たせています。
ATNDのページ にもあるように、今回のテーマは「LTSですよ! 」でした。先日リリースされたUbuntu 16.04 LTSは2年ぶりのLTSです。普段はLTSしか使わないというUbuntuユーザーも多いことでしょう。そこであらためてLTSを見直すということで、今回のテーマにしました。ちなみにセミナーはあいかわらず、そんなテーマとほぼ関係なく進行していきます。
なお、これまでのオフラインミーティングの様子は、次の記事を参照してください。
今回は上記と異なり、写真を中心としたレポートです[2] 。きっとイベントの詳細は参加者の方々のブログに満ち溢れているでしょうから。
[2] 今回のような「写真+コメント」を中心としたレポートでも良いならRecipeに書いてみてもいいかなと思った方、次回以降に司会が募集した時はぜひ立候補をよろしくお願いいたします。用語の確認、よく聞いてなかった・わからなかった部分のフォローアップなどはJapanese Teamで行いますので、未経験者でも安心です。
多種多様なお食事と乾杯
今回は100人の参加者枠があっさり埋まってしまい、120人まで増やしたものの補欠が出るという状態でした。参加者が多いのは開催側としてとても嬉しいのですが、用意する食事量をどうするかがネックとなります。参加者が増えれば増えるほど、参加キャンセルによる誤差が大きくなります。夏場ということもあって、余ったら持って帰ってもらうというわけにもいきません。多すぎず少なすぎずの塩梅が重要です。
その結果がこれです。
からあげの盛り合わせ……
……が12皿(写真は1皿除外) 。「 からあげコンテナ」に乗ってきました。からあげもコンテナの時代なんだと思います。
主食はオードブルのほうです。これが全部で7皿あります。
なお、事前の注文量はおよそオードブル70人分とからあげの盛り合わせが12皿(8.5Kg) 。結果的に参加率は7割程度だったので、一人あたりのノルマはオードブル0.9人分にからあげ100gです。これが30分でなくなりました。
フォトレポートと言いながら、写真撮っている暇もないぐらいあっさりなくなったので、当時の様子はTogetterにまとめられた参加者たちのツイート を参照してください。
「前方のセミナー、後方のハッカソン」というスタイルなので、後方のテーブルには日本ではあまりお目にかかれないUbuntu Phoneをはじめ、Ubuntuを利用したガジェット等が展示されていました。
演台には16.10のコードネームである「Yakkety Yak」が。
Snappy Ubuntu CoreとRaspberry Pi 2で動く「Ubuntu und Panzer」
操縦桿はPS4コントローラーとUbuntu Phoneの組み合わせ
話は前後しますが、今回も乾杯の音頭は「一般参加者」を代表して、あわしろいくやさんにお願いしました。「 Ubuntuの最初のLTSは6.06なので、実は今年がLTS 10周年」「 同時に日本語対応も10周年」など、当日その場でお願いしたとはわからないほど整った挨拶があり、乾杯しました。
各種セミナー
オードブルとからあげはあっさりなくなりましたが、アルコール等の飲み物はまだ残っていたので、みんなで酒盛り(ノンアルコール含む)しながらセミナーが行われます。
トップバッターは、かずはまさんによる「Understanding Snap on classic desktop about 20 minutes 」
Ubuntu 16.04 LTSから導入されたsnapパッケージの仕組みとパッケージング方法について詳しく解説しました。
2番手は前田さんによる「UbuntuでRによる分析レポート作成 」
昨年「なぜか台風情報をプロットすることに燃えていた 」Rおじさんが、RとRStudio、R Markdownについて実演を交えながら解説しました。
3番手はおおたまさふみさんによる「UbuntuとOpenStack 」
OpenStackを導入する上で気をつけなくてはいけないこといろいろ。実体験を元にしているのでかなり説得力があります。
4番手はnekomatuさんによる「LTSの準備をチョットやってみた。lxcチョット触ってみた 」
前半はLTSをお仕事で使うという話、後半は16.04で本格導入されたLXDの話です。
5番手は工藤さんによる「Firejailを触ってみよう 」
今話題のサンドボックスシステムにも関わらず、日本では言及されることが少ないFirejailについて解説しました。
6番手は郷古さんによる「Ubuntu 14.04 LTSから16.04アップグレードをConoHaでやる 」
ConoHaで16.04をまだ提供できない理由について説明がありました。ちなみにcloud-initの問題 はそろそろ修正パッケージが投入されます。
ラストは坂本さんによる「Linuxサウンドサブシステムのモバイルプラットフォーム向け低消費電力戦略 」
ALSAのコミッターでありサウンドデバイスドライバーのメンテナーがドライバーやサウンドサブシステムの関係、いかにCPUを使わないかについて簡単に解説しました。
謝辞
今回は簡単なフォトレポートとしてお届けしました。イベントに参加された方はSNSやブログなどに感想を書いて、宣伝していただけると助かります。次回に向けての要望がある場合は、ぜひUbuntu Japanese Teamに届く形でご連絡ください。できる範囲で応えていきたいと考えています。もちろん次回があるなら発表したいという要望も随時受け付けています。
最後になりましたが、今回もたくさんの方がこのイベントを裏や表で支えてくれています。毎回六本木ヒルズというお高い立地にとても広い会場を提供してくれている主催のグリー株式会社 さんには頭があがりません。今回は人数が多かったこともあり、途中から部屋を2倍に拡張させてもらいました(「 こんなこともあろうかと」と用意してくれていたそうです) 。
このRecipeやTopics、Ubuntu Monthly Reportなどを担当している技術評論社さんには じゃんけん大会の景品用にとSoftware Design とWEB+DB PRESS を差し入れていただきました。また、日経Linux編集部さんからも「Ubuntu 16.04 LTSが全部わかる本 」が付録についた、日経Linux最新号を差し入れていただいています。Canonical Japanさんからは、参加者全員用にボールペンとステッカー、さらにじゃんけん大会用にTシャツや帽子を提供していただきました。
会場スタッフには早めに会場入りしていただき、買い出しから設営、受付に給仕っぽいことまでいろいろ手伝っていただきました。またJapanese Teamの身内ではありますが、司会の長南さんには毎度毎度じゃんけんやアナウンス、セミナーの前フリなど、いろいろなマイク関連の仕事をこなしてもらいました。吉田さんには「からあげ(とついでに食料) 」の調達という、重要かつ一番精神と頭と予知能力を使うミッションをこなしていただいています。この2人がいるからオフラインミーティングが成り立っているので、この記事を読んだ方はぜひねぎらいの言葉をお願いします。
次は16.10のリリースです。もちろんリリースされたらなんらかのイベントを行うつもりですので、今回参加できなかった方も、ぜひ次回は登録していただけたらと思います。