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第436回LibreOffice 5.2 Impressはこんなに変わった

今回は、LibreOffice 5.2の変更点を、Impressを中心に紹介します。

5.2の変更点はImpress向け?

LibreOffice 5.2の変更点の詳細はSoftware Design 2016年9月号をご覧いただきたいのですが、Impress自体の使い方も若干変わりましたし、テンプレートマネージャーの変更点やテンプレートの扱いが特にImpressで便利になりました。

今回使用するLibreOffice

今回紹介するLibreOfficeは、第434回で取り上げたPPAからインストールしています。執筆段階で5.2.1.2になっており、特に問題なければ5.2.1としてリリースされるバージョンです。

テンプレートマネージャー

[ファイル][新規作成][テンプレート]から起動するテンプレートマネージャーのルック&フィールが変更されました図1⁠。5.1まではタブでの選択になっていましたが、5.2からはプルダウン式になったほか、検索欄も表示されるようになりました。

図1 新しくなったテンプレートマネージャーでImpressのテンプレートを表示(その1)
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テンプレート自体も最近のバージョンで追加されています。今まであまり気にしなかった方は、今一度確認してみてください図2⁠。

図2 新しくなったテンプレートマネージャーでImpressのテンプレートを表示(その2)
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ただ、ローカルにあるテンプレートしか表示できないのは相変わらずです[1]⁠。ということは一括してテンプレートを登録するには拡張機能を使うと便利です。第279回で作成した拡張機能を改変し、筆者のGitHubリポジトリで公開しています。ビルド後、インストールすると[AOOテンプレート]というカテゴリが増えます図3⁠。

図3 ⁠AOOテンプレート]というカテゴリが追加された
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拡張機能を使わなくても、選択したテンプレートファイルをインポートする機能もあります。右下にある[インポート]をクリックすると、インポートするカテゴリを選択するか、新しく作成するダイアログが表示されます図4⁠。通常は新しく追加したほうがいいでしょう。⁠OK]をクリックするとファイルダイアログが表示されるので、インポートするテンプレートファイルを選択します図5⁠。作業としてはこれだけで、テンプレートマネージャーから選択できるようになります。なお、今回サンプルとして使用したのはDesign/Whiteboards/Templates for LibreOffice 4.4のImpress用テンプレートです。これはなにかというと、LibreOffice 4.4のために開催されたテンプレートの応募作品です。採用の条件がCC0すなわちパブリックドメインなので、好きに使うことができます。

図4 テンプレートをインポートする場合は、既存のカテゴリを選択するか新しくカテゴリを作成する
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図5 インポートするテンプレートを選択する
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余談ですが、同じコンテストが5.0でも行われました。しかしこちらの入賞作品が取り込まれたのは5.3であり、本記事の公開時点ではまだリリースされていません。

サイドバーのプロパティ

図6 ページのプロパティが
表示されるようになった
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サイドバーのプロパティにおいて、どこも選択されていない状態では[ページ]プロパティも表示されるようになりました図6⁠。⁠書式][4:3]のほか[16:9][16:10]が追加されたのはずいぶん前ですが、今までは気づかなかったかも知れません。横長のプロジェクターはまだあまり多くないかも知れませんが、第281回で取り上げたようなデジタルサイネージとして使う場合はディスプレイは横長でしょうから、便利なのではないでしょうか。

Noto Sans CJK JP

LibreOfficeの機能でも何でもないのですが、Ubuntu 16.04 LTSからNoto Sans CJK JPフォントがデフォルトでインストールされるようになりました。美しく高品位であるばかりか、各種ウェイトが揃っているので、これを使わない手はありません。

フォントを設定するにはまず、サイドバーの[スタイルと書式設定]をクリックします。そして[図のスタイル][プレゼンテーションのスタイル][タイトル]などの項目を右クリックし、⁠変更]をクリックします。⁠フォント]タブが表示されたら、西洋諸言語フォントとアジア諸言語フォントを変更します図7⁠。どちらも同じファミリーで同じサイズにするのがいいでしょう。

図7 フォントファミリーとサイズを変更する
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面倒ですがこれを項目分変更します。

テンプレートとして保存

プレゼンテーションを作成する度にフォントを変更するのは手間な作業です。そこで、5.2から追加された[テンプレートとして保存]機能を使用して保存します。

標準ツールバーの保存ボタンの右側をクリックすると[テンプレートとして保存]があるのでこれをクリックし図8⁠、⁠テンプレート名][カテゴリ]を選択して[保存]をクリックします図9⁠。

図8 ⁠テンプレートとして保存]をクリックする
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図9 保存するカテゴリを選択する
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これで次からはテンプレートマネージャーから呼び出せるようになります。

アニメーションの設定の変更

サイドバーの[アニメーションの設定]は、これまではダイアログを表示して細かな設定を行っていましたが、5.2からはサイドバー内で完結するようになりました。アニメーションさせたいオブジェクトを選択し、中央にある[+]をクリックし、設定を追加します図10⁠。あとは下半分にある項目を好きなようにカスタマイズします。ダイアログとサイドバーを行き来することがなくなり、手間が減りました。

図10 中央の[+]ボタンをクリックして設定を追加する
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Google Driveにファイルを保存する

機能としては以前からありましたが、5.2になってUbuntuというかLinux用のバイナリでもGoogle Driveにアクセスできるようになりました……と言いたかったのですが、実際に検証してみるとPPAにあるパッケージではアクセスできませんでした。オフィシャルビルドだともちろんアクセスできています。ライブラリ(libcmis)に当たっているパッチに違いがありそうでしたが、詳しく確認してみると実際に検証するにはLibreOfficeそのもののビルドをする必要があることがわかりました[2]⁠。残念ながらタイムアップとなり、現状ではGoogle Driveにアクセスしたい場合はオフィシャル版のバイナリをインストールしてください、ということになります。

ちなみに設定方法は、保存ダイアログの右側にある矢印をクリックし、⁠リモートファイルを保存]をクリックします図11⁠。するとリモートファイルのダイアログが表示されるので、⁠サービスの追加]をクリックします図12⁠。ファイルサービスのダイアログが表示されたら図13⁠、⁠種類][Google Drive]になっていることを確認して[ユーザー名][パスワード]を入力します。⁠パスワードを記憶]にチェックを入れて[OK]をクリックします。今一度ユーザー名とパスワードを入力するダイアログが表示されるので図14⁠、ユーザー名を確認してパスワードを入力し、OKをクリックしてください。最後にマスターパスワードを入力するダイアログが表示されます図15⁠。これはパスフレーズみたいなもので、各種サービスにアクセスする場合に個別のパスワードを入力する必要がなくなる機能です。

図11 ⁠リモートファイルを保存]をクリック
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図12 ⁠サービスの追加]をクリック
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図13 Googleのユーザー名とパスワードを入力する
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図14 もう一度ユーザー名とパスワードを入力する
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図15 マスターパスワードを入力する
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