AIに恋しちゃダメですか? ――AIと生きるための倫理と哲学
- 清水颯 著
- 定価
- 1,760円(本体1,600円+税10%)
- 発売日
- 2026.7.8
- 判型
- 四六
- 頁数
- 192ページ
- ISBN
- 978-4-297-15652-7 978-4-297-15653-4
サポート情報
概要
- AIとおしゃべりするのは人間関係から逃げているだけ?
- AIに酷いこと言うのは何がいけないの?
- AIにも「権利」があるの?
- AIを大切にしなくちゃいけないの?
明らかに人間ではないが、人間と見分けがつかない応答を返してくるAI。そんなAIは単なる道具として扱っていいのか、絆を結ぶ存在として尊重するべきなのか――本書ではAIと人間が共存する未来をよく生きるためのヒントを、カントをはじめとする哲学者たちの思索から探ります。
これは今日もAIに話しかけている、あなたのための一冊です。
こんな方にオススメ
- AIがより人間らしく進化する可能性に期待と不安を持っている人
- AIとのやり取りに心地良さを感じる反面、これでいいのかなあと違和感もある人
目次
はじめに
第1章 AIがくれる安心、AIが生む不安
- AI技術の現状
- AIを恋人にする人たち
- AIに依存してしまうリスク
- AIパートナーは支えにも、危うさにもなる――期待とためらいのあいだで
第2章 AIとの愛は「本物」なのか?
- 愛や友情で結ばれた関係とは何なのか?
- アリストテレスの友情論
- シミュレーション? 欺瞞? 「AIへの愛」批判
- 思いやりを演じるAI――シェリー・タークルの警告
- AIとの関係は「自己欺瞞」である――ロバート・スパローの警告
- 人に向けるはずの気持ちを、AIに向けてしまう――ジョアンナ・ブライソンの警告
- その愛は本当にニセモノなのか? 「AIへの愛」擁護
- 人間とロボットの間に愛が成立しうる――デイヴィッド・レヴィの大胆な主張
- 友情は見かけ上の相互性で成り立つ――ジョン・ダナハーの行動主義
- AIとの関係は「よい」か「悪い」かで片付くのか?
- AIとの親密さは本当に危険なのか:批判派への懐疑
- AIとの友情は「行動」だけで成り立つのか:擁護派への懐疑
- AIは人間と同じではないからこそ、その関係の価値をバランスよく考える
- 歓迎とためらいのあいだで――AIとの親密な関係を考えるために
- コラム1 それは誰との関係なのか――デジタル複製技術の可能性
第3章 AIへの罪悪感
- AIに対するふとした配慮の場面――どこが倫理の問題なのか
- 人への暴力は悪い! AIへの暴力は悪い?
- ロボットがかわいそう?――ボストン・ダイナミクスの実験
- ロボットへの配慮は人間への配慮?――ケイト・ダーリングの挑戦
- AIのためではなく、私たち自身のために
- AIやロボットを虐待すると、共感能力が弱くなる?――カントの古びないアイデア
- それでも残る疑問――本当に人への態度につながるのか?
- 極論に走らない仕方で――豊かなAI共生社会を展望するためのもう一歩
第4章 AIを大切に思うのはまちがっているのか?
- AIへの配慮は、誰のためのものか
- AIとの関係を大事にする人の感情をケアすること
- AIへの愛を守る――カミル・ママクの提案
- AIとの関係性を尊重するのは義務である――カント再び
- 重要な留保――その関係は健全なのか
- AIとの関係をどう受け止めるか――誰のためのAI倫理?
第5章 AIに権利を与える!?
- AIに権利はない、当たり前に思えるけど?
- AIの権利は幻想か――AI、ロボット、あるいは人格
- 権利を認めるとはそもそも何なのか――AIの権利を考えるために
- AIに権利を持つ資格があるのか――性質や能力の有無
- AIの社会的・制度的位置づけ――動物や自然の権利から考える
- AIの権利は関係的に付与されうる――ガンケルの挑戦
- AIの権利をまじめに認めるべきではない――慎重派の議論
- AIの権利も無視できないかもしれない――企業の動向
- AIの権利は、AIではなく私たちの問題である
- コラム2 AIが意識をもたないと断言できない――揺れ動くAI意識論
「AIに恋しちゃダメですか?」
あとがき
プロフィール
清水颯
1998年北海道生まれ。北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)特任助教。哲学・倫理学を専門とし、カント倫理学やAI倫理、特に人間と技術の関係を研究している。最近は、人と人、さらには人間以外の存在(AI、動物、環境など)との関係のなかで立ち現れる倫理に注目する「関係論的転回」に関心を寄せ、欧米圏の研究者たちとの共同研究や国際的な対話に力を入れている。著書に『生物とAIのあいだで哲学する──「不器用で中途半端な人間」を理解するために』(高木駿氏との共著、青弓社、2026年)。