rsync
前編で紹介したBackup 3では、筆者が思うとおりにバックアップできないことがわかりました。となると、結局いつものやつの登場です。UNIX系OSでのバックアップ定番ツール「rsync」です。筆者も常日頃からおもにサーバで使用しています。
rsyncはコマンドライン(ターミナル)から使います。rsyncは、Mac OSにももちろんデフォルトで入っています。
rsyncレシピ
使い方はネットで調べるか、マニュアル(ターミナルでman rsync
と打つ)を読めばわかるのですが、ここでは筆者が想定するいくつかのバックアッププランについて、それを実現するrsyncの使い方(レシピ)を紹介していきます(表1)。なお、外付けHDDは/Volumes/NO NAME/
にマウントされているものとします。
表1 rsyncの使用例
ホームフォルダをバックアップ |
rsync -avu /Users/USERNAME/src /Volumes/NO\ NAME/mac-src/ |
自分がiMovieで作った動画ファイル(*.mov)だけをバックアップ |
rsync -vu /Users/USERNAME/Movies/*.mov /Volumes/NO\ NAME/mac-m/ |
iTunesで管理している音楽ファイルだけをバックアップ(ただしPodcastはいらない) |
rsync -avu --exclude=Podcast /Users/USERNAME/Music/iTunes /Volumes/NO\ NAME/mac-t |
オプション
オプションについて簡単に解説しておきます。
-u
は、前回のバックアップデータと比較し、タイムスタンプが更新されているものだけをコピーするオプションです。毎回全ファイルをバックアップするのではなく差分だけを対象にするので効率的です。
-a
は、rsyncでの標準的なオプションの組み合わせを一気に指定するオプションです。
-v
で、動作ログを出力することができます。
無視してもらいたいファイル・ディレクトリは--exclude
で指定します。
SSH越しのバックアップ
もしSSHが利用できるレンタルサーバを借りているならば、そこへバックアップすることも簡単です。本誌Vol.40の本連載で紹介したsshfsを使えば、今回紹介した表1のレシピのバックアップ先をsshfsでマウントしたディレクトリ(例:/Volumes/myserber/
) にするだけです。
また、rsyncで-e sshオプションを使うと、ユーザ名+サーバ名+ディレクトリ名の指定(例:user@example.com:backup/
)で、SSH越しにサーバへバックアップすることもできます。
さて、このような方法だと「今までと同じように環境ごと復元する」のは簡単ではないと思いますが、最悪でも一番重要な「コンテンツ」だけでも残りますので、その後はなんとでもなるかと思います。
おわりに
前回から2回にわたり、Mac OSのバックアップについて解説しました。
手軽なバックアップが必要であれば、.Macに登録してBackup 3を使うのがベストだと思います。ものすごくデータサイズが大きい場合や、無料で済ませたい場合などは、UNIXコマンド慣れている方ならrsyncが便利です。
みなさんの用途や環境に合わせて、選択していただければよいかと思います。