JPAでYAPC::Asiaを担当している櫛井です。
今年も国内最大のPerlのイベント
第1回目、
木村秀夫(きむらひでお)
株式会社ディー・エヌ・エー所属。
株式会社ディー・
ISPにてエンジニアのキャリアをスタート。独立・
YAPCはお祭り!
- ―今回でYAPC::Asiaは6回目なんですが、
YAPCに参加して印象に残っていることなどお聞かせください。 hidek:一番最初は会場が蒲田でしたよね、
私は最初からすべて参加しているので覚えてます。YAPCと聞いてパッとイメージするのは、 やっぱり 「お祭り」 ですよね。それも、 とびきりの楽しい楽しいお祭ですよね。本編が終わってから開催されるHackathon (Hack+Marathon) も含めてお祭りですし。あとは芝生で開かれるのもそうだし、 昼間からリラックスして技術の話をする機会ってのもなかなかないので。独特の雰囲気があって、 いいですよねYAPC。 - ―芝生での思い出は皆さんあるようですが、
実際に技術の話はされているんでしょうか? hidek:してますよ!
(笑) 一昨年くらいはkazeburoさんだったかな? 大規模な画像配信についてのトークをされた後で、 その内容を芝生で話して気づいたら皆で画像配信のプログラムを書いてましたね。結構そういうノリが面白いなーと思ったりしています。今年はスイーツエリアもあるそうなのでそこが会場になるんですかね。楽しみです。
YAPC後のHackathonも醍醐味の1つ
- ―昨年はYAPC終了後のHackathonでも会場をご提供いただきありがとうございました。いかがでしたか?
hidek:昨年は会場として僕の家を提供したんですが、
毎年恒例だったdankogaiさんのお宅ほど広くないので20人きたら溢れちゃってですね…… (笑) 全然入らないので僕含めて4人くらい、 キャンプ用の椅子を持ってきて庭でやっていました。ほんと雨降らなかったのがよかったなと。
外国のエンジニアと交流できること
- ―今までYAPCに参加してきてよかったことや思い出に残っているエピソードなどはありますか?
hidek:いくつかあるんですけど、
僕の場合はなかなか普段会えない著名な外国のエンジニアに会えることが大きいですね。Perlの作者であるLarry Wallにも会えましたし。とくに印象に残っているのは、 YAPC::Asia 2006で 『Perl Best Practices』 の著者であるDamian Conway先生の話を聞いたときですね。彼は元々学校の先生なのでプレゼンも上手だったし内容も非常に簡潔でわかりやすくて 「Perlって色々なやり方を認める多様性の文化だけど、 その中でもBest Practicesがあるんだな」 と。この講演を聞いてからPerlに対する姿勢というか見方というか変わりましたし、 非常に感銘を受けて刺激になりました。 - ―私の個人的なイメージではあるんですが、
PerlのエンジニアというかYAPCに参加してくれる人達は言語にこだわっていないというか、 Perlが良ければPerl使うし、 Ruby良ければRubyだし、 みたいな人が多い気がします。 hidek:そうですね、
かつPerlの中でも 「こういうやり方がいいんじゃないの?」 とか多様性を認める文化があるので。その中でも 「とは言えこういうやり方あるよね」 と紹介してもらったのが"Perl Best Practices"だったので、 いい話を聞けたなと。当時あまりに感動して自分のブログで感想を書いたのを覚えています。 - ―そういったご自身にとって衝撃的なトークを聞いて何か変わりましたか?
hidek:変わりましたね、
Perlに対する見方が。ただ、 あのトークは賛否両論あると言われているんですけど自分にとっては有意義だったし、 もっとPerlを深く知ろうと思ったきっかけですし。やっぱり有名な人に会うとテンションあがるのもありますし、 子供が野球選手にサインもらって憧れるとかそういうカンジなんですけどね (笑)。
業務でのPerl歴は7年ほど
- ―hidekさんは昔からずっとPerlを書いていたんですか?
hidek:エンジニア歴は長いんですけど、
Perlでいうと実はそんなに長くないんです。CGIだとか管理ツールだとかそのくらいのものであれば96年とかそのくらいから軽く触ってはいるんですけど、 ちゃんと仕事としてWebサイト制作のために書き始めたのは 『Blog Hacks』 とかが出版された2004年前後ですね。なのでだいぶ遅い方だと思います。 - ―他の言語も色々と経験されているかと思いますが、
Perlにあって他の言語にないものは何かありますか? hidek:やっぱり大きいのは去年miyagawaさんも言っていたように
「コミュニティ」 ですよ。最近は地方のpmもすごく増えてきてると思いますけど、 とくに東京のコミュニティは非常に強いと思います。外から見るとハードル高そうに見えるかもしれませんが、 技術者として刺激的な体験ができると思うのでぜひ一度参加してみてほしいですね。
エンジニアを職業として成長したい人、集まれ!
- ―YAPC::Asia皆勤賞のhidekさんとしては、
どんな人に参加してほしいと思いますか? hidek:そうですね、
これからエンジニアを職業として歩んでいこうと思っている人に参加してほしいです。ありきたりですけど、 学生の方には来てほしいですよね。今年からチケット無料らしいですし。たとえば 「食っていくうえでPHPのほうがお仕事たくさんある」 とか 「Javaのほうがたくさんある」 とか 「これからはPythonがお仕事たくさんあるっぽいよ」 とか、 そういう目でエンジニアリングに付き合ってほしくなくて、 そういうのも重要だとは思うんですけど、 Perlってのを選ぶと仕事以外にもコミュニティだとか自分を成長させてくれるものがたくさんあると思うんで是非一度来てみてほしいなと思います。 - ―純粋に仕事だけでやっていると心折れますからね。私も以前付き合いがあったんですけど、
大規模なSIerの中で働くエンジニアの人達を見てると 「辛くないのかなぁ」 って思うんですよね。エンジニアじゃない私がいうとおかしいですけど傍から見てみて、 仕事としてしかエンジニアリングをしていないというか。 hidek:そうですね、
そういう人たちがたとえば今からPerlのコミュニティに行ってみようと思っても敷居高いでしょうし、 もうエンジニアリングに対して興味を失ってると思うんですよ。そういう意味でも、 三つ子の魂百までじゃないですけど、 職業プログラマとしてだけではなくエンジニアリングに対して熱い気持ちを持ち続けてほしいという気持ちが強いです。 - ―いいですね、
エンジニアリング魂。 hidek:まぁ若い人たちに入ってきてもらわないと私もあまりコード書けなくなってきてるんで
(笑) 先が短くなってきてるのもありますが。
keynoteへの意気込み
- ―では最後に今年のYAPCでのkeynoteへの意気込みをお願いします。
hidek:最初に牧さんから依頼された時に悩んでいたんですけど、
「最近はがっつりコード書いてるわけではないのでメンテナンスとかそういうのしかやってないので、 マネージャーという立場からのお話だったら」 という前提で引き受けました。そういったカンジで、 面白おかしく……、 あ、 自分でハードル上げちゃいけないか。はい、 話せればいいかなと思ってます。 - ―お話しいただく内容は、
エンジニアのマネジメントと聞いていますが私も楽しみです。Perlのエンジニアと聞くと獰猛な人が多いイメージがありますが、 どう統括しているのかなど興味があります。 hidek:
「Managing A Band Of Hackers」 というタイトルで話そうかなと思っています。普通のエンジニアが 「マネージャー」 という役割となって、 アクの強い凄腕ハッカーたちを束ねなければならなくなったとき、 どうやってマネージメントすればいいのかという内容です。自分の経験談を交えて話そうと思いますが、 Perlコミュニティから学んだ多くのことが役に立ったので参考にしてもらえればなと。今マネージャーとして頑張っている人、 これからマネージャーになろうとしてる人、 キャリアプランに悩んでいる人、 そんな人たちに希望を与えられたらと思います。中間管理職も意外と楽しいことありますよと。 - ―なるほど。楽しみにしています。そういえばトークの順番なども先日決まったようですが、
hidekさんの出番はclosingの前でした。わかりやすく言うと去年のmiyagawaさんの位置です。 hidek:え!
それほんとにkeynoteじゃないですか! ほんとに!? やばいっすね……。牧さんに 「最終日はプレッシャーかかりますよね?」 って聞かれていたのでてっきり違うのかと思っていたんですけど。あっれ、 おかしいな…。ホントに!? - ―本日はありがとうございました。
といったところで、
全3回にわたってYAPC::Asia 2011の見所などをお伝えしてまいりましたが、 いかがでしたか? YAPC::Asia運営事務局としても、 今まで参加したことがない方には是非ご参加いただき 「まずは感じてみてほしい」 と考えています。 お陰様で今年のYAPC::Asiaは過去最高のスピーカー数/参加者数となっておりますので、この記事が出る頃にはおそらくチケットも売り切れていると思いますが無事にチケットをゲットできた皆さん!
会場でお会いしましょう!