2020年のAndroidを振り返る
いよいよ今年も残りわずかです。年の瀬に1年間を振り返るのは鉄板の企画ですが、今年はこれまでにない経験をした年なので、あえて四半期ごとに振りかえってみます。
1~3月まで
このころは、コロナウィルスは中国の武漢で発生したウィルスの認識でした。まだ、入国制限が行われておらず観光の外国人を街で見かけました。
アンディー・ルービン氏が立ち上げたEssenntialが2月12日に閉鎖になりました。
発表時はスマートホーム関連製品もありましたが、結局、Essential Phoneが唯一の製品となりました。しかし、これが後のスマートフォンに与えた影響は大きく、いまでは当たり前になっているディスプレイノッチを最初に採用し、筐体に対してディスプレイの占有率を高めた最初のスマートフォンです。
HUAWEIは、米国政府の禁輸措置をうけて、GMS(Google Mobile Services)を端末に搭載できなくなりました。HUAWEIは、独自のHMS(HUAWEI Mobile Services)を搭載した、Mate XsやMatePad Proを発売しています。
HUAWEIの厳しい状況で、HUAWEIが持つサブブランド「Honor」をShenzhen Zhixin New Information Technologyに売却するまでに追い込まれています。
4~6月まで
凄まじい勢いでコロナウィルスが蔓延しはじめて、4月は緊急事態宣言が発令されます。経験したことがない出来事で、戸惑いながらも新しい生活の様式を模索し始めました。
このころになると密を避けるために、多くのイベントが中止かオンラインでの開催に切り替わります。たとえば、2020年のGoogle I/Oは中止となりました。Android 11ベータ公開の発表イベントはオンラインで開催されました。
Pixelシリーズのカメラ技術を率いていたマーク・レボイ教授がGoogleを退社していたことがわかったのもこのころでした。退社理由は公表されていませんが、Pixel 4の販売不振が要因とも言われました。レボイ教授は、いまのスマホカメラの在り方を決定づけたと言っても過言ではない功労者です。
7~9月まで
緊急事態宣言は解除されましたが在宅勤務が本格化して、直接会って話すことは減り、Zoomなどを使ったWebミーティングがあたりまえになりました。また、「コロナ禍」や「ニューノーマル」といった言葉が使われるようにもなりました。
コロナの影響で製品リリースが先延ばしされる中、当初予定のホリデーシーズンよりも前倒しの9月にMicrosoftの「Surface Duo」が発売されました。これは折り畳み式の2画面Androidデバイスです。当初は米国のみの販売でしたが、2021年からはカナダ、イギリス、フランス、ドイツでの販売が決定しています。
Surface Duoのソフトウェアが作り込み不足が理由で、端末評価を下げているのをMicrosoftは認識しているのか「The year ahead for Surface Duo」というブログエントリを公開して、販売拡大の報告とSurface Duoのこれからについて語っています。
10~12月まで
新型コロナウィルスのワクチン開発の話がチラホラ聞こえて希望が持てるようになりましたが、マスクを付けた日常生活があたりまえとなり、今もこれが続いています。
9月の終わりにはPixel 5が発売されます。これまでのPixelシリーズは、その年のQualcommのフラッグシップSoCを搭載するのが通例ですが、Pixel 5にはミドルレンジSoCのSnapdragon 765Gが搭載されました。Pixel 4と比較すると無難にまとまったハードウェアですが、得意だった写真加工の機能はさらに磨きがかけられており第一線級なのは変わりがありません。
今年は、Microsoftに気になる動きが多くありました。
同社はモバイルOS戦略を持たないので、手持ちの駒を活用した思い切った戦略が取れます。たとえば、Windows 10のスマホ同期を通じて、Androidとの距離がどんどん縮まっています。Galaxyシリーズの限定された端末ですが、WindowsからAndroidを操作できるようになり、PCとモバイルの境目が少なくなり便利に使えるようになりました。
他、AndroidアプリをWindows 10で実行できるProject Latteの噂話もあり、2021年も目が離せません。
2020年もAndroid界隈は変わらず慌ただしい年でした。
本年は大変お世話になりました。また来年。