インターネット中継するための、配信のキホン

第3回Ustream.tvでWebカメラやビデオカメラを使って中継してみよう

野外活動や机の上での作業、イベントなどの模様をインターネット中継するには、通常、Webカメラやデジタルビデオカメラを利用します。そして、カメラによっては配信するために別のハードウェアも必要になる場合があります。今回は、これらの機材を使った配信に関してまとめてみます。

USB接続型のWebカメラを利用した配信

まずは金銭面で敷居の低い、USB接続型のWebカメラを使った配信を試してみましょう。

Note:
Webカメラには様々なタイプがありますが、本稿ではUSBで接続する外付けタイプの小型カメラを指すことにします。

Webカメラを準備します。最近では様々なタイプのWebカメラが販売されています。購入する場合には、Webカメラの設置位置をよく考えて選ぶようにしましょう。設置位置によっては、Webカメラを固定するための三脚用途のアームやスタンドが必要になります。そして、Ustream.tvの中継画面のサイズが横480px、縦360pxのサイズであるため、それより大きいサイズで映像をパソコンに取り込めることを確認します。

そのほか、最新型のWebカメラ以外は、ズームができないものが多いようです。また、ほとんどのWebカメラは三脚の利用が想定されていないため、ぶれさせずにWebカメラの向きを変えにくいでしょう。このあたりも購入前に、それでよいのかを確認する必要があります。

Note:
三脚の利用についてですが、通常、⁠価格の安い)Webカメラは三脚取り付け用のネジがついていませんので、アームやスタンド等を利用することになったり、三脚接続のためのメスメスネジなどを貼り付けたりすることになるでしょう。
Note:
Webカメラ購入時におけるポイントは、WEBカメラ @ ウィキにまとまっていますので、Webカメラを使おうと考えている人は一読してみるとよいでしょう。
Note:
ほとんどのWebカメラはパソコンのバスパワーで動作させることができます。この点に着目し、ノートパソコンのバッテリーを利用することで、野外配信などで電源が取れない場合にWebカメラを利用して配信することもできます(最近では、iPhone等のスマートフォンを利用した配信も注目されつつありますが⁠⁠。

ここで、実際にWebカメラを使った配信を試してみたいところなのですが、Webカメラが手元にありません…。そこで、擬似的にWebカメラとして利用できる、デジタルムービーカメラXactiのPCカメラモードを使ってみます。このモードは、XactiをパソコンにUSB接続することで、ズームはできないけれど横640px、縦480pxのサイズで取り込めるという機能です。

Note:
最新のXactiだと解決している問題かもしれませんが、手元にあるXactiHD1010は通常の録画とPCカメラモードを同時には利用できません。また、Xacti側のUSB接続はドッキングステーションと一緒になっている必要があるため、Webカメラとしては使用しにくいです。そのほか、PCカメラモードでは気にする必要性がありませんが、Xactiの録画はファイルサイズが4GBに達すると一度録画ファイルを作成するために数秒録画が途切れます。Xactiを利用する場合は、このあたりに注意が必要でしょう(配信には不向きですね⁠⁠。

ほとんどのWebカメラは、パソコンに接続するだけで認識してくれます(機種によっては、最初にドライバのインストールが必要かもしれません⁠⁠。Windowsの設定がデフォルトのままであれば、パソコン側がWebカメラを認識すると、以下のような画面が表示されます。この画面は利用しませんので、閉じてしまいましょう。

図1 USB接続することで、Windowsが自動認識してくれる
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通常の配信

パソコン側でWebカメラを認識できれば、第1回と同じ感覚で配信を行うことができます。Ustream.tvの配信用の設定画面にあるVideo Sourceの項目で、Webカメラのデバイス名(ここでは「USB ビデオ デバイス⁠⁠)を選択します。それにより、Local Moniter等にWebカメラの映像が映るようになります。その後、START BROADCASTボタンを押すことで配信されます。

図2 Ustream.tvの配信用の設定画面にある、Video Sourceの項目でWebカメラのデバイスを選択する。図では「USB ビデオ デバイス」を選択している(日本語部分が文字化している)
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Note:
配信用の設定画面で、USBビデオデバイスが認識されない場合には、USB接続した後(パソコンがWebカメラを認識した後)で、いったんブラウザを再起動してみてください。
Note:
現状のWebカメラは横640px、縦480pxで入力される(4:3の画面で取り込まれる)機種がほとんどかと思います。そのため、Local Moniter等にも画面いっぱいに表示されるはずです。ただし上記の方法を実際に試してみると、キャプチャされた映像の中央部を横320px、縦240pxでトリミングされたものが設定画面に表示され、中継画面では480px 360pxで拡大表示されるような感じになります(間違っていましたら、コメント等でご指摘ください⁠⁠。したがって、どうしても映像が荒くなってしまいます。

Flash Media Live Encoderを通した配信

続けて、第2回で説明したFlash Media Live Encoderを通した配信を試してみましょう。ただし、ここではデスクトップ配信を行いませんのでSCFH DSFは起動せずに、Flash Media Live Encoderのみを起動して設定する形になります。

もしもUstream.tvの配信設定画面でWebカメラの映像が映っているようであれば、設定画面を閉じましょう。これは通常、1つのビデオデバイスは1つのアプリケーションでしか認識しないため、設定画面を開いたままだとFlash Media Live Encoderに映像を入力できなくなるからです。

Flash Media Live Encoderを起動したら、チャンネルのプロファイルを読み込み、その後、前回と同様に設定します。注意点としては、VideoのDeivceを選択するところで「USB ビデオ デバイス」等のWebカメラのデバイスを選択することです。その後の配信手順も前回と同じです。

図3 Webカメラを使った場合の、Flash Media Live Encoderの設定画面
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Flash Media Live Encoderを通すことで、映像の画質が高くなりますし、撮影したサイズで映像を配信できるようになります。

図4 Flash Media Live Encoderを通している時のUstream.tvの配信の設定画面。図2とはカメラの位置が同じなのに、広いサイズが映っている
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デジタルビデオカメラを利用した配信

さて今度は、デジタルビデオカメラを利用して配信してみましょう。ここでは、Panasonic HDC-HS100を利用します。

最近のデジタルビデオカメラは映像出力用の端子として、AV端子(RCA端子)で出力するための端子やDV端子、HDMI端子がついている機種がほとんどです。しかし、パソコン側に、これらの入力端子はまずありません。また、パソコン用の映像データにするための変換が必要です。そのため、デジタルビデオカメラを利用する場合には、ビデオコンバータと呼ばれる変換機が必要になります。

ビデオコンバータを利用することで、映像データをIEEE1394a端子等でパソコン側へ入力できるようになります。最近のパソコンはIEEE1394a端子がついていない機種も多いのですが、その場合にはIEEE1394a端子増設用のPCI(PCI Express)インターフェースボードや、PC(PC Express)カードが必要になります。

Note:
IEEE1394a端子等を増設する場合には、パソコンとの相性問題などがないか、よく情報を集めてから購入を検討したほうがよいでしょう。著者の場合は普段、ノートパソコンに付属のIEEE1394a端子、または増設用のPCカードIODATA CB1394Lを利用しています。

なお、デジタルビデオカメラから出力される端子すべてに、ビデオコンバータ一台で対応している機種はなさそうです。そのため、ビデオコンバータを1台のみしか購入しない場合には、デジタルビデオカメラからどの端子を利用して出力するかを先に検討する必要があります。

一つの解を考える上で、DV端子やHDMI端子に対応したビデオコンバータの価格がまだ高いこと、HDMIやDV端子の画質でパソコン側に入力してもインターネット中継のために画質を落として配信する現状では、これらのレベルの入力はオーバースペックであるということがポイントになると思います。この点を勘定に入れると、現状、AV端子(RCA端子)での入力に対応したビデオコンバータを購入するのが妥当なところだと思います。

AV端子(RCA端子)入力に対応した、よく利用されるビデオコンバータとしては、以下の2つの製品が挙げられます。

TwinPact 100
TwinPact 100はRCA端子、VGA(D-Sub 15pin)端子等で入力できます。複数の入力端子がありますが、1つの入力に対してしかコンバートできません。また、IEEE1394a以外の出力端子もついています。対応OSはWindows/Mac OSの両対応です。詳細は、製品ページを参照してください。このように多機能ですが、そのぶん価格が高めです。
ADVC-55
ADVC-55は、RCA端子で入力される映像をIEEE1394a端子で出力できます。Windows/Mac OSのOSごとに別の製品として販売されています。詳細は、製品ページを参照してください(上記はWindows版のリンクです⁠⁠。機能を削っている代わりに、価格が安いのが特徴です。
Note:
音声もコンバート(変換)できますが、アプリケーション側で認識しない場合があります。そのため、音声は別途マイク端子やUSB端子を利用して入力したほうがよいでしょう(詳しくは後述⁠⁠。

さて、⁠デジタルビデオカメラ][ビデオコンバータ][パソコン]とケーブル等をつないでいきます。

デジタルビデオカメラの電源をつけて、RCA端子で出力するために端子ケーブルをつなげます。デジタルビデオカメラは録画していても、していなくても構いませんが、バックアップのために録画しておくのがお勧めです。

デジタルビデオカメラを配信機材として扱う上で、2つほど注意したいことがあります。1つ目は、ビデオカメラの機種によっては、ビデオカメラの補助画面に表示される文字や記号が、パソコン側に取り込むデータにも表示されてしまう可能性があるという点です。

Note:
Xacti(HD1010)をRCA端子で出力して、ビデオコンバータを通してパソコンに取り込んだ場合にこの影響を受けました。現在、普段利用しているデジタルビデオカメラ(Panasonic HDC-HS100)では、設定メニューを表示したときと、iAモードにした場合のこのアイコンのみ、パソコン側で取り込んだ映像にも表示されることを確認しています。ということで、デジタルビデオカメラであれば大丈夫だとは思いますが、念のために言及しました。

2つ目は、デジタルビデオカメラの設定画面において、⁠TV出力」時の画面比率を設定する項目があるはずですが、この項目で16:9ではなく4:3を選択することです。というのも、Ustream.tvの中継画面の下部に断続的に広告が表示されますが、⁠本連載では説明していませんが)Ustream.tvの中継画面を16:9に設定した場合に、16:9の中継画面では広告が表示されたときに中継画面が隠れがちになるからです。また、デジタルビデオカメラによっては16:9にした場合に、Ustream.tvの中継画面において縦横比が正確に反映されない場合があるようです。

Note:
16:9の映像を取り込んだ際に、Ustream.tvの配信用の設定画面で、若干ではありますが縦に細い円になってしまいました。これは、上記ビデオコンバータが2製品ともに4:3にしか対応していないことが原因かと思っているのですが、原因を特定できていません。
Note:
もちろん、中継画面を大きく表示できる環境がある場合には、16:9(HD)で入れたほうがよいのはいうまでもありません。

次に、デジタルビデオカメラから出力したRCA端子ケーブル(の黄色の端子)を、ビデオコンバータの入力端子につなぎます。また、出力用のIEEE1394a端子にケーブルをさしておきましょう。その後、ビデオコンバータの電源をONにします。

そして、TwinPact 100の場合は、どの端子の映像をコンバートするか選択するためのボタンがあるので、このボタンでANALOGを選択します。ADVC-55の場合は、電源ONにするだけ(コンセントをさすだけ)です。

ビデオコンバータの設定が終わったら、ビデオコンバータから出力されているIEEE1394a端子ケーブルをパソコン側の入力端子にさします。すると、Webカメラをつないだときと同じように、自動認識される画面がパソコンに表示されるはずです。

Note:
認識されない場合には、映像のデータがビデオコンバータからきちんと出力されているか、ビデオコンバータのランプ等を確認してみましょう。
Note:
ノートパソコンにIEEE1394a端子がついている場合には、4pinの入力端子であることが多いようです。上記ビデオコンバータの出力端子は6pinですし、増設用のPCカードの入力端子は通常6pinです。ケーブル購入の際は、pinの形状に注意しましょう。

通常の配信

デジタルビデオカメラを使った通常の配信は、Webカメラと同様です。Ustream.tvの配信設定画面において、デジタルビデオカメラのデバイス(⁠⁠Microsoft DV Camera and VCR」等)を選択すればOKです。

図6 Ustream.tvの配信用の設定画面にある、Video Sourceの項目でデジタルビデオカメラのデバイスを選択する。図では「Microsoft DV Camera and VCR」を選択している
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Note:
ビデオコンバータには音声の入力端子がありますが、この端子を利用してパソコン側に音声を取り込んでも、Ustream.tvの配信の設定画面では選択できません。Flash Playerが映像のデバイスであると認識してしまうからのようです。そのため、Webカメラと同様に、音声は別途マイク端子やUSBで入力する必要があります(Flash Media Live Encoderでは、映像と音声ともに同じデバイスに限り、設定できました⁠⁠。

Flash Media Live Encoderを通した配信

Flash Media Live Encoderを通した配信も、Webカメラの場合と同じです。ただし、デジタルビデオカメラの場合、フレームレートの項目が29.97fps等の高フレームレートで固定されており変更できない(機種がある)ようです。また、Input Size項目の選択数も少なくなります。

このまま配信する場合には、Input Size項目で720x480で入れて、Maitain AspectRatioのチェックを外し、Output Sizeで480x360(または512x384)と設定します(640x480で最初から入力できる場合には、Maitain AspectRatioのチェックをつけたまま設定して構いません⁠⁠。

図7 デジタルビデオカメラを使った場合の、Flash Media Live Encoderの設定画面。著者のデジタルビデオカメラでは、Frame Rateの項目が29.97fpsで固定されて変更できなかった
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ただこれでは、ハイスペックのパソコン以外ではエンコードが追いつかずに、Flash Media Live EncoderのOutputデータがDropしまくるという、困った事態になると思います。そのため、フレームレートを調整したくなります。

そこで、Flash Media Live EncoderのVideo Deviceの項目でビデオカメラのデバイス名を指定するのは止めてしまい、SCFH DSFやほかのキャプチャソフトを利用して映像を表示させて、いったんパソコンに取り込んだ映像を、Flash Media Live Encoderに入力するという方法を取ってみましょう。これにより、Flash Media Live Encoderで低フレームレートを設定できるようになります。

Note:
これにより、その分CPUを利用してしまうことになりますが、Flash Media Live Encoderで高フレームレートでエンコードしてDropしまくる(つまり、CPUの使用率が100%で張りつく)ことを回避する手段としては有効でしょう。

実際の方法は、SCFH DSFを利用するかしないかで、以下の2つの方法に分けられます。どちらがよいかは、デスクトップの解像度、CPUやメモリなど、パソコンのスペック、配信時の環境に左右されるでしょう。

SCFH DSFとキャプチャ表示ソフトの併用

一つは、前回まで利用してきたSCFH DSFと、パソコンに取り込んだ映像を表示するソフトを併用する方法です。SCFH DSFはパソコンの画面(デスクトップ)上に表示されているものをキャプチャするソフトであるため、デスクトップ上にデジタルビデオカメラの映像を表示させる必要があります。そこで、別のソフトを利用して、パソコンに取り込んだ映像をデスクトップに表示させます。

では、実践してみましょう。デスクトップに映像を表示させるソフトとしては、くすのきTVVLC media playerといったソフトがあります。

Note:
それぞれのインストール作業は簡単ですので割愛します。
くすのきTVの利用

くすのきTVを利用する場合は、起動後すぐに、デジタルビデオカメラの映像が表示されます。もし表示されなければ、くすのきTVの画面上で右クリックし、⁠デバイス切替」を選択します。何度か切り替えることで表示されるでしょう。また、右クリックメニューから、アスペクト比を示す4:3と、倍率を示すx1を選択しておくとよいでしょう。

図8 くすのきTVで、デジタルビデオカメラの映像を映した画面。右クリックでメニューが開く
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Note:
右クリックメニュー「常に再前面表示」を選択しておくことで、間違って違うウィンドウを画面の上においてしまうことを防げます。配信中に他のウィンドウが映らないようにするためには、チェックをつけてたほうがよいと思います。
VLC media playerの利用

VLC media playerを利用する場合は、起動後、⁠メディア」メニューから「キャプチャデバイスを開く」を選択します。そして、キャプチャーモードを「DirectShow」に設定し、ビデオデバイス名の項目の一番右側を「Microsoft Camera and VCR」等のデジタルビデオカメラの映像デバイスを指定します。

さらに、⁠Show more options」のチェックボックスにチェックを入れてオプション設定の項目を開き、キャッシュ機能を0msにしましょう。

図9 VLC media playerの「キャプチャデバイスを開く」を選択したときに表示される画面
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Note:
ビデオデバイスが表示されない場合には、ビデオカメラのデバイスをパソコンに認識させた後に、ビデオデバイス名のすぐ右側にある「一覧の再描画」を選択してみましょう。

その後、⁠再生する」ボタンを押すことで、VLC media playerで表示することができます。

図10 VLC media playerで、デジタルビデオカメラの映像を映した画面
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デジタルビデオカメラの映像が表示された後に、Flash Media Live Encoder、SCHF DSFを順次起動します。その際、Flash Media Live Encoder上で、Video Deviceの項目にSCFH DSFを選択しておきましょう。音声もマイクなどデジタルビデオカメラではないデバイスを選択しておきます。

SCFH DSFの設定は、Flash Media Live Encoderを選択して詳細設定画面に入り、Drag here.ボタンを、映像が表示されている画面を選択するようにドラッグします。これにより、Flash Media Live Encoderに映像が取り込まれることになります。

図11 SCFH DSFの設定。Drag Here.ボタンで映像が表示されている画面にドラッグ
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この方法は、ノートパソコンなどの解像度が低いパソコンの場合、以下の図のように、デスクトップが手狭になってしまいます。

図12 ノートパソコンで設定しているところ。映像を映している画面を最前面にする必要があるため、他の作業がやりにくい
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そのため、ノートパソコン等では次に説明する、SCFH DSFを利用せずにキャプチャできるソフトを利用するのが常套手段かと思います。

SCFH DSFを利用せずにキャプチャできるソフトの利用

もう一つの方法は、デバイスとして認識される、SuperWebcamManyCamなどを利用する方法です。これらのソフトは、Flash Media Live Encoderで映像デバイスとして扱うことができます。

Note:
それぞれのインストール作業は簡単ですので割愛します。
SuperWebcamの利用

SuperWebcamの場合は、起動後、Video sourceメニューから、ビデオデバイス(Microsoft Camera and VCR)を選択できます(パソコンが映像入力デバイスを認識していないと表示されません⁠⁠。画面比がおかしいですが、Flash Media Live Encoder上で調整しますので無視して構いません。

図13 SuperWebcamでデジタルビデオカメラの映像を取り込んだ画面
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ManyCamの利用

ManyCamの場合は、SourceタブのCamerasの項目からデジタルビデオカメラのデバイス(Microsoft Camera and VCR)を選択します。

図14 ManyCamでデジタルビデオカメラの映像を取り込んだ画面
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Note:
EffectsタブのText over videの項目で、Show ManyCam.com Logoのチェックを外すことで、右下に表示されるManyCamのロゴを非表示にできます。

映像を表示させたら、Flash Media Live Encoderを起動しましょう。キャプチャソフトのデバイスを選択することで、Flash Media Live Encoder上に、デジタルビデオカメラの映像が表示され、フレームレートも調整できるようになります。ポイントとしては、VideoのInput Sizeの項目を720x480または640x480に指定して、Maitain AspectRatioとOutput Sizeの項目できちんとサイズを指定することです。これにより、SuperWebcamで入れた場合にも画面比が正しくなります。

図15 SuperWebcamを利用してFlash Media Live Encoderを設定している例
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外部音声の取り込み

これまで、外部の音声をパソコンへ取り込みに関してほぼ割愛してきましたが、ここで簡単に取り上げます。

ここまでのNote:で言及したように、ビデオコンバータを利用して映像といっしょにIEEE1394a端子で音声を入れた場合には、Ustream.tvの配信用の設定画面等で、音声の入力デバイスとして選択できないという問題があります。また、Webカメラは音声を収音できる機能をもった機種はほとんどありません。そのため、音声を取り込むには別途マイクが必要になります。

Note:
ノートパソコンの場合、機種によってはマイクが内蔵されています。このマイクを利用してもよいのですが、キータッチの音まで収音されてしまうためイマイチです。

外部音声を取り込む方法の一つは、パソコンにはマイク端子がついているので、この端子を利用することです。もう一つは、USB接続型のオーディオインターフェースを利用することです。そのほか、パソコンにサウンドカードがついており、このサウンドカードに入力端子があれば、それを利用してもよいでしょう。

著者は通常、USB接続型のオーディオデバイスであるUA-1EXを利用しています(現在は、上位製品が出荷されています⁠⁠。コンポやイベント会場のミキサーからAV(RCA)端子ケーブルで出力される音を、そのままオーディオデバイスに入力できるため、使い勝手がよいです。また、USB接続型のオーディオインターフェースの場合、このインターフェース上で入力される音量を調整できるのもメリットとして挙げられるでしょう。

また、音が拾いにくい時やケーブルの長さが足りない時には、ワイヤレスマイクが重宝します。よく利用されている機種としてはHM-W300が挙げられます。

Note:
上記ワイヤレスマイクは、端子がステレオミニジャックですので、デジタルビデオカメラのマイク端子にそのままつなげてしまうという方法もとれます。
Note:
もちろん、ミキサー等からAV端子のライン出力がもらえるのであれば、そうしたほうがいいでしょう。ただし、イベントが小規模の場合には、マイクなしの進行(質疑応答など)も多々ありえますので、きっちりしたイベントでなければデジタルビデオカメラから音声をとったほうが安全かもしれません。

このように音声を取り込んだ後に、Ustream.tvの配信用の設定画面やFlash Media Live EncoderのAudio Source(Audio Device)の項目で、マイク端子のデバイスやオーディオデバイスを選択すれば配信できます。

なお、音量がどうしても小さい場合には、コントロールパネル等からサウンドの画面を開き、録音タブに表示されている、配信に利用しているデバイスをダブルクリックします。その後、そのデバイスのプロパティの画面が表示されますので、⁠レベル」タブのマイクのレベルを確認してみましょう。

実際の中継例

今回の最後に、今年の9月、六本木のSuperDeluxにて行われた、Desktoplive.xnaというイベントを中継したときの例を簡単にお話します。

このイベントは、前方にスクリーン横に3枚並び、左右のスクリーンでライブプログラミングが行われたり、中央ではライトニングトークのようなセッションがあるというイベントです。これをカメラ1台で配信するというものでした。

ミキサー周りはプロフェッショナルな方々がいましたので、RCA端子のラインで音の出力をもらう形でした(本当はステレオミニジャックがよかったようなのですが⁠⁠。やはり、ラインでもらうとノイズが少ないですし、音を重視するイベントではラインから取るようにしたいですね。

映像はデジタルビデオカメラ → ビデオコンバータ → SuperWebcam → Flash Meia Live Encoder、音声は 会場のミキサー →⁠RCA端子ケーブル⁠⁠→ USBオーディオインターフェース → Flash Media Live Encoderという形で入力しました。

なお、その際に使用したパソコンは、TOSHIBA dynabook CX/47J(Core2Duo P8600(2.4GHz⁠⁠)です。

Flash Media Live Encoderの設定は、図15と似ています。特にFlame Rateの項目を15fpsに設定して配信しました。本イベントは、映像の動きが激しくDropしまくるのではないか、と思ったのですが、ほどほどにDropする程度で済みました。休憩中のVJの映像でときたまDropしたり、配信用のパソコンでUstream.tvのページを開き中継を再生し続けるとDorpしました。

図16 Desktoplive.xnaの配信録画の一部

まとめ

第2回からだいぶ空いてしまいましたが、 今回はWebカメラとデジタルビデオカメラの映像を入力する方法について、ざっくりとまとめてみました。バットノウハウだらけでしたが、いかがでしたでしょうか。より効率的な方法がありましたら、コメントいただければ幸いです。

次回は、お絵描き配信にカメラを組み合わせた配信、勉強会や研究会などでのスライドが中心となる場合の配信方法について説明する予定です。

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