Devuanプロジェクトは6月1日、「Devuan 3.0 "Beowulf"」のリリースを発表した。2018年6月の「Devuan 2.0 "ASCII"」以来、約2年ぶりの安定版の公開となる。
- Devuan Beowulf 3.0.0 stable release
Devuan 3.0はDebian 10.4およびLinux 4.19をベースにしており、対応アーキテクチャはi386、amd64、armel、armhf、arm64に加え、今回からppc64elが追加されている。デフォルトのデスクトップ環境はXfceで、オプションとしてCinnamon、KDE、LXQt、MATEから選択できる(その他のデスクトップ環境はインストール後に設定可能)。initシステムは従来からのSysVinitのほかに、今回からrunitとGentooプロジェクト由来の「OpenRC」が追加された。Gentoo由来のプロジェクトとしてはほかにも「eudev」(systemdフリーのカーネル用デバイスファイルマネージャ)や「elogind」(systemdのlogindをスタンドアロン化)がDevuan 3.0から利用可能となっている。
「systemdフリーなDebianを!」を掲げて2014年11月にDebianからフォークしたDevuanプロジェクトが、最初の安定版リリースとなるDevuan 1.0をリリースしたのが2017年5月のこと。以来、着々とプロジェクトを成長させ、今回のBeowulfで3回目となる安定版リリースを達成した。次のバージョンとなる「Devuan 4.0」のコードネームは"Chimaera"で、「Debian 11 "Bullseye"」をベースにする予定となっている。
なお、Devuanのコードネームには小惑星/準惑星の名前が付けられており、バージョン2のASCIIからはコードネームの頭文字がアルファベット順に並ぶように付けられている(ASCII→Beowulf→Chimaera)。現時点ではDevuan 5.0となる予定の「Daedalus」まで決定している。