効果測定 虎の巻

第7回SEO/SEMの効果測定(前編)

第5回第6回ではコンバージョンを計測する仕組みや方法について説明しました。

今回はSEO/SEMの効果測定について説明しましょう。

事前準備

SEO/SEMの測定を行う前に確認しておくことを挙げてみましょう。

  • 1)自然検索(オーガニック検索)と検索連動型広告を区別する
  • 2)検索連動型広告の流入においてユーザが入力していたキーワードを取得する
  • 3)SEO対策を施したページの流入キーワードを取得する
  • 4)検索連動型広告の出稿情報を測定ツールに定義する
  • 5)コンバージョン測定の設定を確認する
  • 6)測定ツールで取得できる情報を確認

1)自然検索(オーガニック検索)と検索連動型広告を区別する

自然検索(オーガニック検索)と検索連動型広告を区別できるようにしておく必要があります。

リファラーだけで流入元を判定していると、自然検索と広告が混在してしまい、検索連動型広告の効果検証ができません。

利用している測定ツールに区別してレポートする機能がない場合は、この点を考慮しなければなりません。

第3回で説明したように、最も簡単な方法は広告の出稿時に指定するランディングページに広告と識別するためのパラメータを振っておくことです。パラメータの有無で自然検索からの流入か、広告からの流入かを区別します。

リダイレクト型の測定ツールの場合は、出稿URLを測定ツールが発行します。

2)検索連動型広告から流入したユーザが入力していたキーワードを取得する

検索連動型広告は中間一致でも関連する出稿した広告を表示することができます。

出稿したキーワードが類似した場合に広告が表示されることがありますが、ユーザの検索の意図と隔離していると、広告がクリックされる確率は低くなります。

実際にユーザが入力したキーワードを取得することはSEM検証に必須項目と言えます。

3)SEO対策を施したページの流入キーワードを取得する

ページに直接検索エンジンから流入してきた場合のキーワードをレポート化します。この情報はページのリクエストのリファラーから取得することができます。

4)広告出稿情報を測定ツールに定義する

測定ツールによって仕様は異なりますが、最近のツールでは出稿先、出稿キーワードの登録・管理がブラウザやアップロードで簡単に登録が行えるようになっています。広告出稿と合わせて、登録しておきましょう。

5)コンバージョン情報を定義する

コンバージョンURLを定義、またはコンバージョン専用タグを貼り付ける作業を行い、測定できるようにしておきましょう。

6)測定ツールで取得できる情報を確認

利用している測定ツールで取得・集計可能な情報を把握しておきます。

以下は最低限必要な情報です。

  • 広告からの流入数(クリック数)
  • コンバージョン(できれば直接と間接コンバージョンの区別)
  • 直帰数・
  • 広告からの再訪問(リピート獲得数・率)

測定の方法

広告からの流入の識別方法ですが、リダイレクト方式でない測定ツールの場合はランディングページのURLにパラメータを振る方法が多いようです。

 ランディングページにパラメータを付与する
図 ランディングページにパラメータを付与する

上記の例ではwww.activecore.jp/index.htmlに対してadws=20070101を指定しています。www.activecore.jp/index.htmlは通常のTOPページの表示、www.activecore.jp/index.html?adws=20070101はアドワーズからTOPページへの流入と識別することができます。

ランディングページに対して、出稿媒体やキーワードの情報(広告出稿時に登録する情報)を紐づけて管理するとレポートがわかりやすくなります。

 広告出稿時に登録する情報
図 広告出稿時に登録する情報

準備ができたら、測定の検証にとりかかりましょう。

SEM効果測定

検索連動型広告の評価は基本的には広告からの流入(広告クリック)とコンバージョンで行います。

 SEM効果レポートの例
図 SEM効果レポートの例

しかし、最近ではAISASモデルが示すように生活者は広告流入後にすぐにコンバージョンするとは限らず、他サイトで情報を比較したり、口コミを参考にしたりして再訪問したコンバージョンする行動パターンが多くなっていることが実証されています。

また、検索連動型広告がキーワードの出稿量から品質を重視する方向へ転換していることが示すように、キーワードとコンテンツの訴求がマッチするかどうかも重要なポイントになってきています。

 広告効果測定のポイント
図 広告効果測定のポイント

検索連動型広告の測定には 流入、コンバージョンに加えてつぎの指標が重要とされてきています。

  • キーワードとランディングページの適合性の検証
  • 広告流入後の再訪問の把握
  • 再訪問後のコンバージョンの把握

業種やウエブサイトの形態によってはコンバージョン数が少ない場合もあるでしょう。

一般的にはコンバージョン率は多くて数パーセントですので、その他の90パーセント強について、検討する必要があります。

直帰率が高いものや広告からの流入からのユーザの滞在時間、広告流入後のサイト内でのPV数が低いものについてランディングページの内容がキーワードと合っているか、確認します。キーワードを含むコンテンツが画面内にあるかも合わせて検証しましょう。

 ただし、滞在時間はどの測定ツールを利用しても完全に正確ではありません。これについてはこの連載中に別途説明したいと思います。

第8回「SEO/SEMの効果測定(後編⁠⁠」では、測定・評価のポイントを説明していきます。

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